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2章第3話3幕~命を懸けるからこそ~

ラグヮジャを倒した後、一度森を抜けるまで魔物の捜索を続けた。

父や護衛の騎士が居るのでその後出た魔物にも苦戦することは全くなかった。


「油断は大敵。どんなに自分より弱い魔物ばかりだとしても気を抜けば命を落とす。我々は命のやり取りをしているのだ。」


父は常日頃からこう言っている。家中の騎士たちもそれを肝に銘じていて全く油断なく取り組んでいる。俺ももちろんそうだが、その為本当にさしたる苦戦は無かった。


「ファンデン様の戦いぶりは凄まじかったですなあ。これが初めてとは信じられませぬ。」

「ファンデン様が居れば、ロートリース家も安泰ですな!」


リーフの森からリール・ア・リーフに戻る道中、騎士たちがそう言って俺の事を称える。

俺は馬車に揺られながら騎士たちの賞賛を聞き流しながら今日の戦闘について頭の中で振り返っていた。


「ファンデン、あの時はどうして魔術を使う判断をした?」

「今の自分の力ではラグヮジャの動きについて行けないと判断したからです。」

「そうか、その判断は正しいな。」


父に不意に尋ねられる。最初のラグヮジャとの戦いで、自分が魔術を使う判断をしたことについてだ。

俺は父に自らの所見を答えると、その判断は正しいと言われた。父も俺の動きを見て、まだ接近戦は難しいと見ていたようだ。


「あそこで無理に切り込まなかったのはいい判断だ。戦闘にケガはつきものではあるが、防げるところは防ぐことが肝要だ。」


父は慎重さと冷静さを保つことの重要性を説く。とにかく父は命を大切にしている。

命を惜しんでいるわけでは無いし、家中の騎士たちも俺たちロートリース家の為に命を投げ出せる覚悟を持つ者たちだ。

だからこそ無駄に命を散らすことも散らさせることもないよう、慎重に事を運んでいる。


今回それほど苦戦しなかったのも、父や騎士たちが強いこともあったが、油断をせず慎重さを欠かなかったからだと思う。

いつも父に同様のことを繰り返し説かれていたが、今日初めて実戦を経験して、その重要性を身を以て感じることができた。


「母にまた一つ大きくなったお前を見せてやろう。きっと喜ぶぞ。」

「はい!」


今日魔物退治に出て以来ずっと厳めしい顔を見せていた父がふっと相好を崩す。俺もそれに合わせて自然と笑顔になり元気に答える。

そして母や兄弟。使用人たちが待つ家に戻って行った。

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