のろい?
「なぁ。なんで今日もここにいるんだ?」
目の間には何食わぬ顔でらみが座っている。
稚那がこの世界に来てから3日目。そして学校に通い始めた初日を終えようとしていた夕暮れ。何故だからみが今日も俺の家に我が物顔で来ている。
帰ったらゆっくり出来そうな気がしたのに…なんでらみがここにいんだよ!?
「なんでってお祝いでしょ?」
「お前は何回俺の家でパーティーすれば気が済むんだ!そもそもなんの記念だよ!入学記念なら昨日しただろっ?!」
「お箸を折った記念に決まってるでしょ?」
「記念しょうもなっ!!」
らみは何かとつけて記念パーティーをしたがる癖がある。しかも俺の家で…
「大希!あれはアズテンが折れてしまったのだぞ!?それをしょうもないだとっ!?」
稚那は火が出ないとわかっているだろうがガォーと威張る。そして稚那の手には折れたアズテンこと割り箸の片割れの姿があった。
「いつまでその箸持ってんだよ」
「これは形見なのだ…」
「馬鹿やってろ」
箸を強く握りしめて泣くフリをしている稚那を尻目にらみが持ってきた食材で夕飯の準備へと向かう。
特に食材を持ってきたらみから夕飯は「何でもいいわよ」と言われていたから決めてはなかったがらみが持ってきた食材には豆腐、白菜、白滝、醤油、砂糖、トドメにはすき焼き用牛肉といったすき焼きを作れと言わんばかりの内容だった。
これですき焼き以外作ったら怒られるものなのかな…でも、なんでもいいって言ってたし、、、
俺はそんな事を悩みながら稚那とらみを置いて台所へと消える。
稚那は大希の姿が見えなくなった瞬間けろっと演技を中止する。そして、折れた片割れの割り箸もとい折れたアズテンをポイッとゴミ箱に捨てる。
一方その頃東家では、、、
「ふぎゃっ!?」
「あら天ちゃんがこけるなんて珍しいですわね。誰かに呪われているかもしれないわねっ」
「なんで怖いこというんです!それでも私のお母さんですか!?」
何も無いところで転んだ天をその母が楽しげにしていた。
台所からトントントンと大希が用意をする音が聞こえる。何を作っているかは音だけではわからないが間違いなくすき焼きだろう。何故なら私が用意をしたのだから。
これで違う料理を作ってきたら褒めてあげましょう。
残された私と稚那。稚那は大希にかまってもらえなくて悲しそう。私はというとそんな稚那を見て楽しんでいる。
「ねぇらーちゃん」
「なにかしら?大希が愛おしいの??」
「ち、違うわっ!!」
少し真剣な顔で聞いてきた稚那だが私の冷やかしで顔が真っ赤になる。
この反応がたまらないのよね。
「分かってるわよ。で、どうしたの?」
「さっきの魔法の事なのだが…」
「あれね。もう一回やって欲しくなったのね」
「だからそーでは無いっ!あの魔法の効果がまだ続いているのだ!まるで呪いのようだ!!」
大希が稚那にかけた魔法は魔法でもなんでも無い。何故なら私たちは魔法が使えるなんてあるはずもなく空想の話だ。ただし使える人物がすぐ隣にいるのだが。
「どんな効果が続いてるの?」
「それは、、、」
「それは?」
「心臓がドクドクと激しく動いているのだ」
「!?…」
稚那の言葉を聞いて私は目を光らせた。
「詳しくっ!」




