えんだー
「お箸っていうのはこうやって持つです」
「ほぉ?挟んで食べるのか…」
挟んで食べるというのは日本人にとっては当たり前となっているが、刺す、すくう食べ方をする西洋からすれば珍しい食べ方になる。
「こうやって食べ物を切ることを出来るです」
「ほー!意外にも便利ではないか!?」
「最悪刺して食べれるし…」
「然!行儀が悪いです」
自分の弁当の食べ物を使って天と然は箸の使い方、割く(切る)、刺す?を稚那に見せ教える。
「稚那もやってみて?」
「そこの指が…そうです!」
「こ、こうか??意外とキツいのぉこの指の配置…」
「最初は慣れないですけど、練習すれば上手くなるです」
稚那は震える指を左手で抑えながらゆっくりと箸を閉じたり開けたりと練習する。だが、力が入り勢いよく箸は交差する。
「ふぁっ!?」
「惜しいです!」
「稚那、惜しい」
「二本あるというのが難しいのぉ…考えた奴は誰だ!」
上手くいかないことに箸を作りし何者かに八つ当たりする。とは言っても二本の棒を片手で扱うというのは難しいものだ。繊細な日本人だからこそ箸が使えたのだろう。
「二本とも似たような、、、と言うか全く同じ棒、、、あれ?アズアズ見たい」
「「えっ?」」
全く同じ二つのものに思わず天然シスターズことアズアズこと東 天、然と照らし合わせてしまう。双子のようなその容姿だが、2人は双子から生まれた従姉妹である。
「ほら、こっちのお箸がアズテンでこっちのお箸がアズネンだ」
「勝手にお箸を私たちに例えないでくださいです!」
「然は親指と人差し指の間に挟んでる下の方のお箸がいい」
「意外と然も乗り気ですか!?」
「アズネンはこの動かさない方のお箸か…ならアズテンは上の動かすのが難しくて苛立ちを覚える方のお箸だな」
「トバッチリじゃないですか!!」
二つしかない役の一つに名乗りをあげた然によって自動的に上の箸へと割り当てられる。
「だって、このアズテンがなかなか言うことを聞かないものだからのぉ」
稚那はお箸をパチパチさせようとするが、動かす箸は音も鳴らず下の箸とクロスしてしまう。
「そのお箸を私たちで呼ばないでくださいです!」
「それにしても持ちづらいのぉ。うぬっ、うぬっ!うぬぬぬっ!、、、はぁ…」
稚那はめげずに何度も挑戦するがやはり力が入って上手くいかないが諦める気配はない。
「稚那?もうスプーンで食べたら?」
「そうです。お昼時間なくなっちゃう」
「い〜や、我はお箸が使えるようになるのだ!」
何故そこまで本気になるのかは分からないが使えるに越した事はないだろう。そして一刻一刻と昼休みのタイムリミットが近いことを知って更に焦りだす。
「むぅ〜、、、はっ!」
ヤケになって力が入りすぎてしまった故に鈍くバキッと箸の片割れがさらに割れた。
「えんだーーーーーー」
「アズテンが割れてしまった…」
割れてしまったのは上の箸で稚那がアズテンと名付けた側である。その箸は見事に砕け散り、地面にカランッと音を鳴らして転がった。
「私が…あぁ」
「アズテン!?アズテー!!!!
それと同時に何故か椅子の上で崩れ落ちる天であった。




