あたらしいなかま!
「はい…という事で阿呆鹿 稚那は自己紹介でもあった通り上野のいとこで親の用事でここに通う事になったそうだ。みんな仲良くな?」
稚那の自己紹介が終わり、みんなの第一印象がヤバいやつになった。
「阿呆鹿は、、、そうだな、とりあえず森の席にでも座ってくれ」
本日欠席している、いや、本日も欠席しているいわゆる不登校生である森の席に座らせる。普通なら苛虐だと先生を非難するのだが、森も森でなかなかなの者でやむを得ない感じがある。詳しい紹介はまた後ほど。
稚那は指定された大希の前に位置する森の席に向かう。
「意外と可愛いやつだなぁ」
「いじり甲斐がありそうねぇ〜」
「またやばそうな奴が…」
「ズーピー…」
転入して来た稚那に対するこの個性的なクラスの感想は興味を示したり、これからに対する不安を抱いたりと千差万別(1人は感想ですらないが)。
稚那は掴んでいた俺の投げた消しゴムをひょいと俺に投げた。俺は投げた消しゴムのことなど忘れていて取り損なって床に落としてしまった。
「ピッ!knock-on!!scrum!稚那ボール」
「そのネタはいいんだよっ!びっくりしたぁ…」
ひと昔前には分からなかったらみのネタが最近になって分かるようになってきた。
「てか、稚那と席が近くて良かった…」
席に腰をおろし俺の声に気づいた稚那は振り返った。
「どうせ大希は我の事を近くで“監視”できるからだろ?」
「まあな。それ以外の理由があるか??」
「だろうなっ!」
稚那は少し残念そうに頬を少し膨らませプイっとそっぽ向いた。
「なんだなんだ??」
「稚那っちも大希の近くに座れて嬉しいのよ」
「はわぁぁわ、、そ、そんなわけあるか!」
らみが稚那を少しからかったようにそう言うと案の定稚那がそれに真っ赤な顔で威厳なく怒った。
俺はらみの稚那へのからかいが知らない人達の近くに座るのが怖いのだと思い、1人取り残された状況で笑った。
「稚那もまだまだ子どもだなぁ」
「何も分かってないのね、大希は」
「ふんっ!」
こうして朝っぱらから訳もわからず女子高生2人の機嫌を損ねたのであった。
休み時間。
当然のように稚那のところへ人が集まる。
「稚那ちゃんはどこから来たの??」
「珍しい髪色ね!それに目も赤〜い!」
「染めてるのに髪さらさら〜!」
「えっとぉ…」
稚那は回答に困り黙ってしまう。
「おい、稚那も困ってるだろ??」
「なんだよ大希〜、妬いてんのかぁ??」
「別に妬いてねぇよ」
質問攻めする中から俺に対して変な憶測を立ててからかってくるのは同じクラスの間抜 聡だ。
聡はごく普通の性格だがすぐ人をいじるらみに似たところがあるのと気が抜けている性格なのが残念だけど面白いやつだ。
「それにしても稚那ちゃんと大希は全然似てないよなぁ〜」
「そ、それはいとこって言ってもそんなもんだろ?」
聡の突発的な思い付きに、不意を突かれるがなんとかやり過ごす。
「でも、天・然シスターズは見ての通りそっくりだぞ?」
「アレは双子だろ??」
「…え??」
天・然シスターズとはこのクラスに存在するとても似ている2人のロリっ子を指す。見分けをつける方法は性格と声、目の色といった外見で見分けるのは困難なのだ。
俺が言って間もなく後ろから圧を感じた。
「「私たちはいとこです!」」
後ろから弱い力でポコポコと2連撃で殴られる。振り返ると低身長のロリっ子2人組が俺を見下ろしていた。




