なんどめかのしょうじき!
「んじゃあまず、稚那の自己紹介についてだ」
「「自己紹介??」」
「そうだ、自己紹介だ」
自己紹介とは今後の学校生活を大きく左右するものと言っても過言ではないほど重要なものだ。現にこの自己紹介を軽くみた故に窓際族へと配属された先人も少ないない。
「自己紹介さえ上手くできればぶっちゃけ他はどうでもいいくらいだ」
「確か稚那っちは大希のいとこって言う設定でいくのよね」
「そうだな」
その通り。マミーが稚那の入学申請をする際に稚那は俺のいとこと言う設定で事は進んでいるだ。
「そのいとことはなんなのだ??」
いとこを知らないのか?王女とかの貴族ならそう言う親族のことに疎いはずはないと思ってたんだけどなぁ…
「いとこって言うのは親の兄弟姉妹の息子娘の事ね。稚那っちは前の世界にそんな関係の人は居なかったの??」
いとこと言う血の繋がりを知らない稚那にらみが分かりやすく伝えた。加えて俺もまだ聞いたことのない稚那の家族について聞いた。
そして稚那は何かを悩んでいた。
「んー、、、難しいのぉ」
「それってどう言う事なんだ??」
「我にはそのいとことやらが存在するかどうかすら知らない、いや、知らされてないのだ」
知らされていない??そんな事ってあるのか?流石にこの歳だったら知らされていてと言うか面識があって当然だろうに。もしかすると向こうの世界ではあまりそう言う繋がりが無いのか??
いや、それはないか。わざわざドラゴニオンとか族名を名乗るくらいだからそこまで疎く無いはず。
「我があまり気にしなかったと言うのもあるのだが、今思えば不思議ではあるのぉ…」
「異世界ともなると不思議な事もあるのね」
「そうだな。まぁいとこって言う意味については理解できたよな?」
「もちろんだ馬鹿にするな人間よ!」
少し気になる点があったが話の趣旨は伝わったから良しとしよう。
「ちょっと待て大希よ」
「どうした??」
「我と大希が人間だと言う事は、、、我と大希如きが血で繋がっていると言うのか!?」
「失礼だわアホ馬鹿!こっちも乗り気じゃねぇの!!」
「まぁまぁ2人とも落ちいて、、、ちょっと稚那っちこっちに来て」
確かに稚那にとってドラゴニオンとしてのプライドというか誇りと言うか、そもそも人間と血が繋がっていると言う設定に遺憾に思っているのだろう。
そして稚那を呼んだらみは俺に聞こえないよう視線だけは俺に向け稚那の耳元でこう呟いた。
「いとこだとこの国の法律上、ギリギリ結婚できるわよ?良かったわね」
俺には聞こえなかったのだが、稚那の顔は真っ赤になっていた。囁きを終えたらみは悪魔のような笑い顔で俺を見た。
「おいらみ、また変な事教えたんじゃないだろうな??」
「変な事とは失礼ね。私は稚那っちに法律を教えただけよ??」
「法律?そんな事で稚那の顔が真っ赤になるわけ無いだろうが」
稚那はいつもの緊張感のない顔とは裏腹に威厳ない初恋をした乙女のような顔で俯いていた。
「稚那?あんまりらみの言う事を真に受けるなよ??」
「に、人間如きが我に構うなー!!別にたいした事は言われておらぬ…」
「お、おう、、、それならいいんだが…」
迫力のない怒鳴り声でそう言った。それを見てニヤニヤしているらみ。
あんにゃろー、本当にらみは何を言ったのやら。絶対余計なこと口走ったな。
「ともかく稚那は俺のいとこって言う設定は忘れちゃいけないぞ」
「わ、分かっておる!!次に進め!」
俺はらみを睨んだ。そして一切反省の色無しで無表情を演じるらみ。
めんどくさい状況にしやがって。
「でだ。自己紹介では名前と簡単な挨拶しか要求されないだろうから一応台本を決めておくぞ」
「そうね。下手に喋るより台本を作って切り抜けた方が安全ね」
「台本のぉ…それで我はなんで言えばいいのだ?」
「そうだなぁ…」
特別へんなことを聞かれない限り名前、以前何してたかくらいしか求められないだろうから…
「“私は阿呆鹿 稚那です。親の転勤でいとこの大希が通うこの学校に転校することになりました。よろしくお願いします。”なんてどうかしら」
「おう、いいじゃねぇか。普通で定番で可もなく不可もなく充分、百点の自己紹介だな」
「あまり喜べないわね…」
らみの言ったやつで問題ないだろう。さっきまで自己紹介が大事だとは言っていたものの、自己紹介で出しゃばりすぎると後々痛い目にあうのがオチだから結局は普通でいいんだ。
「稚那っち、さっき言ったのを本番だと思って言ってみてくれる?」
「さっきのを言うのか…やってみよう」
そうここで大事なのは稚那がちゃんと言えるかどうかだ。
「わたしはアホカ、チナですー。おやのてんきんでいとこのタイキがかようこのがっこうにてんこうすることになりました。よろしくおねがいします」
「なんでそんなカタコトなんだよ!」
「仕方ないだろうが!こんな喋り方は我には出来ぬわ!」
やっぱりそうなったか…逆にこれで稚那が標準語で喋っていたらなんか気持ち悪いしな。
「じゃあ今度は稚那っちの普段の喋り方にアレンジして言ってみてくれる?」
「なら簡単だ!…我の名は阿呆鹿 稚那!この人間のいとことしてこの学校に降臨してやった。皆のもの我が前にひれ伏すがいい!!」
「なんでそうなるんだぁぁぁぁぁあ!」
これは予想以外に難航しそうだ…
読んでくださりありがとうございます!
また次回も読みにきてください(╹◡╹)




