こんどこそ…!
「今度こそちゃんと話し合うぞ!」
「ちゃんと話し合ってるじゃないの。稚那っちの学校生活をいいものにしたいんでしょ?」
「まぁそうだけど」
「ならちゃんと稚那っちの事を知る事も大切でしょ??」
「それにしても本題からそれ過ぎでは?」
「…記憶にございません」
「大希よ、早く話を進めよ」
はぁ…らみを相手にしてると疲れるんだよなぁ。そんでもって稚那がプラスされたらストレスやなんやらが溜まりすぎて一年も生きてられない気がする。なんでこの2人をセットにしてしまったのだろうか。でもこの2人なら案外余裕で初日を過ごせたりして…いや、ないな。即バレの未来しか見えない。
「そもそもなんで異世界から来たことをばれちゃいけないか分かってんのか??」
「勿論分かっているぞ!」
「私にはよく分からないわ?」
「お、稚那が分かってるのか。よし、らみに教えてやれ」
こいう事って実は稚那の方がよくわかってるケースがあるんだよなぁ。さて今回は…?
「任せろ大希!」
「稚那ちゃんちょっと待って!!」
「どうしたんだ?らみ??」
「うぬ〜?」
らみが迫真の表情で会話を止めた。
「何かあった、のか??」
「ええ、大事件よ」
らみの表情は変わらない。らみがここまでの顔をするという事はかなりのことなのだろう。俺も真剣な目で聞いてみた。
「稚那ちゃんがさっき言ってた『任せろ大希!』は『大希、まかセロリ!』にした方がいいと思うの」
「真剣に聞いた俺が馬鹿だったよ…」
らみにとって大事な事とは語録の押し売りだった。
まかセロリ: 「俺に任せろ」という意味で使う。さらに、進化形で、「まかセロリ状態よりも任せろというのが2段階上」(本人談)の「スーパーまかセロリ状態」もある。
はぁ、らみの語録はためにならない上に、知っている人が少ない語録が故に使えば不思議がられるのだ。たまにらみのせいで不意に語録を口にした時が何回かあるが「なにそれ〜」で終わりである。俺がその語録を説明したところでほとんどの語録が語呂がいいからで終わってしまうため、説明する必要がないのだ。
「ごめんらーちゃん!忘れていたぞっ!!」
「気にしないで稚那っち。これからもっと私の好きな配信者の語録、略して“ら語録”をマスターしていけばいいの」
少し注意しておきたいのだが、以前らみも言っていた通りこの“ら語録”はとある配信者の語録である。
「そんなの覚えさせなくて良いから…」
「そんなのとは失礼ね」
「そんな事より早く我をエスコートする話をせよ!」
「そんな事…」
稚那までにもそんなもの扱いをされ、さすがのらみも凹む。
それにしても稚那が意外にも乗り気なのはなんだ??
「我の事をエスコートしてくれるのだろう?例えば、我が歩くところにレッドカーペットが広げられたりだとか、我が決め台詞を言った時に花吹雪で美しく演出したりしてくれるのだろ??」
「そんなのがあるかアホ馬鹿王女!てか、いつ決め台詞なんか言う機会があるんだ!」
「なんと!ないのか?!、、、はぁ、ならもう会議は終わりで良い。早くたこ焼きをよこせ…」
「そうね、終わりましょ?…さぁたこ焼きたこ焼きー」
現実を目の当たりにして急にテンションが下がった稚那はほんのりたこ焼きの味が染み付いた爪楊枝を咥えてしょぼくれる。そしておそらくそんな事と言われてまだしょぼくれているらみもローテンションでたこ焼き連呼する。
本当に本当にこのままじゃ話が進まねぇ…
「いいかお前ら!」
「「ん??」」
「今から話しがまとまるまでこのたこ焼きは、、、お預けだ!」
俺は最終手段を遂に遂行する。手際良くたこ焼きにラップをかけ、すぐさまキッチンへと運んだ。
「なにをするのだ〜!まだ我の腹は満たされておらぬぞぉ!!」
「大希、きたないわよ」
「こうでもしないとお前たちは動かないからな!返して欲しくば早く話を進めるぞ」
「「はい…」」
なるほど、こいつらは食べ物で釣るのが効果的なのか。覚えておこう。
よし、これでやっと話が進められる!
読んでくださりありがとうございます!
また次回も楽しみにください(╹◡╹)




