ぷろろーぐ
こんにちはー
ついにタイトル長々系ストーリーを作ってしまった。これだけは手を出さないと思っていたのに…
天空に轟く紅の陽は数多の獣たちを殺伐と照らす。荒れ果てた大地には二つの軍勢があった。
青の旗を掲げ、鋼の鎧を纏った何千もの兵士たちが紅の光を眩く反射させていた。その兵士たちの表情は険しく眼からは絶望をも伺える。人間軍である。
向かうは陽に負けないほど赤々とした旗を掲げる魔人軍。人間軍とは顔の容姿はあまり変わらないものの装備が違った。個々に変わった戦闘着を身につけており、その様子は混沌であった。
「今日こそ打ち倒そうぞ!進めぇぇえ!!」
人間軍の指揮官が声を荒げたその瞬間、人間軍は一斉に猛進し始めた。一方で魔人軍はゆっくりと前進し魔法陣を展開し始める。
「人間のゴミども。灰と帰せ」
魔人軍が遠距離からの魔法で先制攻撃を仕掛ける。魔法陣から放たれた炎は地をも焦がし人間軍を襲う。
「ひるむな!進めー!!!!」
人間軍も負けじと捨て身で炎の海を走り接近戦に持ち込み魔人軍と衝突する。
またこの時間が始まった。どちらかが圧倒的に優勢な戦であるわけではなく、ただ無残にも仲間が散っていくだけであった。
まもなく空中に突然大きな魔法陣が展開された。そこには1人の少女が鬼の形相で宙に浮いていた。
「この魔法陣は…も、もう奴が来ちまったのか?!」
「あの美しい魔法陣。お嬢が来たぞー!!」
「「「ウォォォォオ!!!」」」
けたたましい歓声が上がる魔人軍。
「青く、そして白く。我が炎は全てを燃やさん!!…」
「や、やばい…退避ー!!全軍退避ー!!」
女が詠唱を始めた途端、人間軍は剣を投げ戦いを捨て必死に撤退し始める。
「ドラゴニオン血術、“白龍の豪炎”!!」
その瞬間、魔法陣から巨大な柱のような白い炎が勢いよく飛び出し風圧で女の髪が乱れる。炎はだんだんと姿を変え白龍の如く人間に襲いかかる。巻き込まれた人間は塵も残さず消えていった。
こうして人間軍は撤退。魔人軍が勝利を収めたのだ。
「どーだ!また消し炭にしてやったぞ!!」
「「「ウォォォォオ!!!」」」
「「「お嬢ぉぉぉぉお!!」」」
このお嬢と呼ばれる少女こそが今歴史上最強と恐れられるドラゴニオン家の王女 デイラール・ティナ・ドラゴニオンである。ドラゴニオン家とは約5000年前に絶滅したと思われたドラゴン族の血を持つ者のことを指す。そう、絶滅したと思われていたのだ。
しかし、その歴史が変わったのはデイラールの登場であった。
デイラール・ティナ・ドラゴニオンは幼い頃に親族を無くしこの王国の奴隷として捕らえられていた。しかしながら小さな体から溢れる魔力と特有の紅蓮の瞳、殺気溢れる牙がドラゴニオン家の容姿と酷似していた為、調べたところドラゴン族の血が混じっている事が判明した。
その話を耳にした国王は人間軍を退けたいが故に壮大な魔力を持っているとされるドラゴニオン家の奴隷を養子もとい王女として迎え入れるという異例の事態となったのだった。
もちろん反感もあったのだが、、、
「今日もお嬢の魔法には圧倒されましたぞ!」
「我らの為に前線に立って戦う王女があっていいものだろうか!」
人気は絶大だった。
「我が魔法を受けて立って居れる奴などおらんわ!」
「当たり前ですお嬢!あなたの白く光るその炎に抱かれて死ねるなど人間には勿体無いくらいでございますぅ!」
「うむうむ。」
王女という立場でありながら勇敢に戦う姿、王女という立場でありながら親しげに仲間と戯れる姿が敬われる理由であった。
「今日はうんと飲めぇぇ!我のおごりじゃぁ!!」
「「「ウォォォォオ!!」」」
こうして王女は何不自由なく過ごし、皆に慕われ声を上げれば皆が従う世界で過ごしていた。はずだった。。。
「このぼけぇぇえ!!」
「ぴゃーー!!」
「なんですぐ拗ねるんだよ!!」
「だって我だけ1しか目がでんのだ!!」
「だからってサイコロを握る潰すことはねぇーだろ!」
そこには戦場で牙を剥いていた王女の姿ではなく、ただのボードゲームに牙を剥く王女と言うよりは1人の少女とその相手をする男がいた。
「なんで貴様はそう我に口答えするんじゃ!我がこんな世界に来るまでは声をあげるたびにウォォォォオウォォォォオって叫ばれておったのに…」
「こちとらお前が声あげるたびにウォォォォオウォォォォオってツッコんでんだよ!」
「貴様!我を愚弄してばかり…いいだろう我が炎で消えろっ!ドラゴニオン血術、“白龍の豪炎”!!」
雑ではあるが詠唱を唱えたが魔法陣さえ現れずただ詠唱が恥ずかしく反響するだけであった。
「、、、はいはい。焼かれた焼かれた。そのすごろく片付けといてくださいねー」
男は手をパンと叩きその場をお開きにする。
「待て貴様!まだ終わっとらん!待って!待ってグダザィよぉぉぉぉお!!」
王女はあられもない顔で泣き喚く。その声はとてつもなく置物や窓、その部屋までもがガタガタと揺れ始める。
「うるせーよ馬鹿!ドーナツでも食ってろっ!」
「どーなつ??」
男は近くのテーブルにあったドーナツを女王に向かってホイッと投げてやると曲芸のようにぱくっと直接食らいついた。
「はむはむはむ…ふぁぁぁあ!」
初めて食べたドーナツの美味しさに王女はまたるで秋田県の形のように口を開けて驚く。そしてその開いた口からは何かが眩く光っていた。
「あ、ダメだこりゃ…はい。俺の名前は上野 大希。え?なんで今自己紹介をしたのかって??それはね天に帰るからですよ。」
「うんめぇぇえ!!!!!!」
何かを察して自己紹介をした途端王女デイラール・ティナ・ドラゴニオンもとい、今は阿呆鹿 稚那が口から美味いの声と共に純紅の炎が大希を襲った。
「あれま、燃えちゃった。」
「燃えちゃったじゃねーよぉぉぉぉお!!あーこんなにツッコミ入れてたら禿げるわ!早くコイツを返却してぇぇぇぇぇぇええ!!」
かくして異世界の王女との混沌な高校生活は始まっていたのだ。
読んでくださりありがとうございます!感想やブクマ登録、フォローをよろしくお願いします。してくださると大喜びで八つ橋の皮で餃子を作ります(╹◡╹)
次回の投稿は未定ですが出来るだけ早く更新出来るように頑張ります!
P.S.
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