どんとうぉーりー!
「何を難しい顔をしているのだ?」
「稚那っち?大希はちょっとした回想に入っていたのよ」
「かいそう?あれか?あの海に生えている植生のことか??らーちゃん」
「違うわ。稚那っち、そっちの海藻はもじゃもじゃで、大希の回想はぐちゃぐちゃよ」
「やかましいわ!」
それにしても俺が電話してる間だけで稚那とらみがすげー仲がよくなってやがる。もうあだ名で呼び合ってるし…てか、向こうの世界にあだ名なんて絶対になかったよな?どんなにらみの手懐けるスピードが早いことか。
「そんで入学祝いって言っても何しに来たんだ??」
たくさん食材を買ってきてくれているようだけど…
「もちろんたこ焼きパンティーだ」
「パンティー??」
「そう、染みつきパンティーよ」
「稚那こいつの話は信じるな、パーティーだ」
「なんだ、パーティーか」
すぐらみは嘘をつく。普通の人だったらスルーされるのだが、生憎稚那は普通の人じゃないからなぁ。。。最悪な組み合わせだったかも…
「なら酒は用意せんのかー?」
「酒はダメだ」
「なんでだー!酒も飲ませてくれんのか!」
「こっちの世界じゃお前の歳だと酒はアウトなんだ」
「うぬっ…」
お、今回は引きが早いな。稚那なりにこの世界で生きようと頑張っているのかも。
「仕方ない…ビールで我慢してやろう」
「それも酒だアホ馬鹿酒好き王女っ!」
「口に合うかは分からないけどジンジャエールならあるわよ?」
「なんだそれは??もしかして酒か?!」
「んー、、、酒よ」
説明諦めやがったよ。
「大希たこ焼き機あるわよね?」
「はいはい、今とってくるから待ってろー」
たこ焼き機って確かここら辺だったよなぁ…確か最後に使ったのは親が帰ってきた時だったか?
「あったあった。げっ、すげーホコリかぶってやがる…」
「食材切らせてもらうわね?」
「お?切るのか?!我もやりたいぞ!!」
なんか嫌な予感が…大丈夫か?こいつに任せてしまっても…
「…ダメか?大希??」
や、やばい!そのつぶらな瞳で見ないで〜!大希くんその目には弱いのぉ〜!!
「…良かろう」
「たまには使えるのぉ人間!」
「たーだーし!ちゃんとらみの指示のもとするんだ!いいな?!」
「ほーい」
「じゃあ私は指示厨になって他力本願寺としますか」
流石にらみの下なら安心だろ。
「頼んだぞらみ」
「まかセロリ状態よ。ね、稚那ちゃん?」
まかセロリ状態: 主に「私に任せろ」という意味で使われる。
「うむ!スーパーまかセロリ状態だ!」
「お前も言うんかい!いつの間に…」
まかセロリ状態よりも任せろというのが2段階上の「スーパーまかセロリ状態」もあるのだ。それにしてもこの短期間でよくもまぁらみに叩き込まれたものだ。
「じゃあ稚那ちゃんまずはこのキャベツを切ってくれる?」
「これがきゃべつ、か?これを切ればいいのだな」
たこ焼き機をセットしてっと。あーホコリを拭かないと…とはいえちゃんとやれてるか心配だ。ちゃんとやってる?か??おっ?
「あら、意外と包丁捌きが慣れてるのね」
「我も昔は母上と…」
ここからは我の昔の話。胸の中にしまっていたい幼い頃のお話。
ちょっとばかし付き合ってはくれぬか?
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