きゅうてんかい?
「結構似合うじゃねぇか」
「ぐっ、我を褒めても何も出ぬぞ!」
「何か出てたら前から褒めてるわ」
それにしても我ら方角丘高校の制服はチェック柄で赤色を基調にしてるもんだから稚那の緑髪と合うもんだな。でも、どうしてもクリスマス感が否めない…
え?それはそうと赤色の制服が珍しい?確かにそうだね。俺らの学校はちょっと違うところがあるからね。まぁその説明は追々。
「なんにせよサイズもピッタリでよかった」
「こんなのを毎日着るのか?」
「まぁ学校のある日は毎日だな」
「なんだかこの布が気持ち悪いし苦しくさえ感じるぞ」
「そー言われてもうちの高校にある唯一の校則と言ってもいいくらいだからな」
「ひぇー、この世界は違う意味で辛いな」
「確かに変なルールが多いよな」
こういった社会的ルールがある世界よりも戦争があって社会的ルールがあまりない世界の方が意外に楽なのかもな。まあ稚那の育ちが良いだけだろうがな。
なんだか稚那といると今までの世界の見方が変わってくる。
ピンポーン♪
「ん?また宅配か??」
またマミーからだったら宅配のおじさんが可愛そうだし、さっさと出るか…
「どちら様で〜」
「お邪魔しまーす」
「おいちょっと待て、何してんだ、らみ」
こいつは今日の朝一に稚那の服を選んでくれた服屋の娘、服田らみだ。今日の出来事なのに色々とありすぎてとても久しぶりに思えてしまう。
そいつがなんでパンパンのスーパーの袋を両手に颯爽と家に入っていくんだ。
「何ってお祝いしに来たのよ」
「お祝い?なんの??」
「ま、ここじゃなんだし汚いところだけど良ければ入って?」
「それ俺のセリフな?てか、許可してねぇし」
ま、もうこいつに稚那の事バレてるみたいだし、用件聞いたら帰ってもらうで良いや。
「もう良いや、入ってどうぞ」
「どうも」
「で、なんの祝いなんだ??」
「入学祝いに決まってるじゃない」
この言葉を聞いた瞬間ゾッとした。
「だ、誰か入学する人がいるのかな?」
実際のところ入学する人物は知っている。でも、親しか知らないはず…
「主役はもう揃ってるでしょ」
「なんで、知ってんだ…」
流石に勘がいいらみでも入学するなんて考えられないだろう。何か裏があるはず。
「それはあなたの母上から聞いたのよ」
「そーゆー事か…詳しい事も親から聞いてるのか??」
あの馬鹿親め。大事な事をペラペラと他人に話しやがって…
「ええ、大希も結構馬鹿な事をするのね」
「うるせぇよ。これでもいつでも心は短パン小僧なんだよ」
「流石にもう短パンは寒いかもよ」
「比喩だ馬鹿」
「私は馬鹿じゃなくてyou know 、I know 、お前無能!」
あ、いつものやつか。ちょっと言えて嬉しそうな顔してるよ。
「はいはいとりあえず分かったから、祝うなら準備しておいてくれ。俺はちょっと親と電話して来る」
「分かったわ。稚那ちゃんはどこに居るの?」
「そこの部屋でお菓子でも食ってると思うぜ」
はぁ…うちの親は何をしてくれてるんだか。とりあえず電話で聞くとするか。
「、、、もしもし?」
「はいはーい、大希ちゃん?」
「俺だけど、もしかしてらみに稚那のことを話したのか??」
「話したかー?って聞かれたら話したけれど元はらみちゃんに話せと強要されたものだから〜」
「強要された?」
「強要されたはちょっと言い過ぎたかしら。どうやら『私は決定的な証拠を掴みました』って異世界から来たんだって推測されてたみたいよ?」
「ま、まぁ思い当たる節は色々と…」
思い当たる節とはツノとか尻尾とかツノとか尻尾とかツノとか尻尾とか…
「それでどーゆー事なんだーって聞かれたの」
「それで話したと…」
「勝手に話したのは悪かったわ。でも、大希ちゃんが1人で世話するのも異世界の人だっていうことを秘密にするのは大変でしょ?」
「確かに」
「だから信頼のできるらみちゃんなら安心でしょ?」
「…分かった。余計な心配ありがとな。あ、あと稚那の制服のサイズ、ピッタリだったよ」
「ちゃんとメールで見たわ。安心したわ。あ、それでとある人を埋める作戦は下半身だけコンクリートにしてあげた」
なんだかんだでパピー生かされたのな。
「警察沙汰は御免だぞ、仲良くやれよ?」
「なんのことかしら〜」
「はぁ。んじゃあまた」
「大希ちゃん達も仲良くね?じゃ、切るわね」
プープープー
結局はらみが全部勘付いてたって事か。あいつ見かけによらず恐ろしいな。さて、これからはこの3人で現代を切り抜けないと。
そろそろみんなに話してもいいかもしれないな。今の時代がいつなのか。そして今までに何が起こったのかを…
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