これからのわくわく!
「もう我は動けんっ!うっげぷ〜…」
「俺の推しへのお小遣いが。。。」
読者の皆さんは時間軸をあまり気にしていないと思うが今日は日曜日。つまりは稚那と出会ってから2日目の昼。今日までだけで結構なトラブルがあった気がする。
「なぁ稚那?その食欲は通常運転か??」
「そ、そんな事、勿論だ。我は…ウプッ、暴食だからなぁ」
「それって今日くらい食べないと気が済まないのか??」
流石にこれがずっと続くと親からの仕送りでも無理がある。
「その通りっ!我はこれくらい食べないと、、、うっ、オェェェェェェェエ…」
「おぃぃい!吐くなアホ馬鹿!!絶対調子乗って食ったろ!、、うっ。俺ももらいゲロが、オロロロロロロ…」
俺の家の床にもんじゃ焼きの水溜りが出来上がった。
ピンポンパンポーン♪
先程、不快な絵面をお見せしました事をお詫び申し上げます。
by大希、稚那
「はい、稚那さん。気を取り直して話をしましょう」
「はい。わかりました人間よ」
「そろそろ人間呼ばわりは辞めましょうね?」
「何故だ?所詮人間ではないか」
「その事だよ今から話すのは」
「うぬ?」
「これからこの世界で生きていくにあたってだ。早ければ今週から学校行くんだから稚那が異世界から来たって事はバレないようにしないと…」
そうだ。早ければ今週からこいつは俺と同じ学校に通う事になる。おそらく俺と同じクラスなんだろうけど。本当にこのご時世に異世界人ばれなんかしたら時代を変えかねんからな。
「何で我が異世界から来たって気付かれてはならんのだ??」
「そりゃ逆を考えればわかるだろ?」
「逆?」
「例えば俺が稚那の世界に行ったら向こうで言う常人と俺はイレギュラーな存在だろ?」
「なるほど…何となくわかりはしたが貴様ごときが」
「貴様じゃない、大希だ」
この辺も徹底させないと怪しまれるだろうなぁ。
「むむっ、、大希ごときが我らの世界に来たところで人間に勝ち目はないのだがなっ!なははは!」
「まぁ何にせよ異世界から来たって事はバレないように。もっと言えば俺らの関係は設定上いとこなんだよ」
「難しい、と言うよりは解せぬのぉ…まぁ背に腹は変えられんと言うことか」
「おい、それは俺のセリフだアホ馬鹿」
ちょっと確認だけど、俺ってこいつを泊めてる宿主だよな。こんなに言われるものなのか?
「このままじゃいつになっても学校に行けそうにもないぞ…」
俺のパピーとマミーもよくOKを出してくれたけど今の状況を見たら流石にまずい。せめて後1週間くらいは猶予を…
ピンポーン♪
ん?宅配か??俺は何にも頼んでないんだけど…はっ、まさかもう稚那の制服が届いたとか!?
ピンポーン♪
本当に明日からは無理がありすぎる。まだここの常識さえ知らない奴に学校?ふざけんじゃねぇよ。
ピンポーン♪ピンポーン♪
「おい人、、大希よ?呼鈴が鳴っておるぞ〜??」
それは知っている。だがここで受け取ってしまえば確実に明日から行かなければ行けない…何故ならあの親が今日荷物をよこしたって事は明日から行けと言うメッセージが入っているから。
よし、居留守だ。居留守を使おう。
ピンポーン♪
ピンポーン♪
ピンポーン♪
…
ピンポピンポピンポピンポピンポピンポ
「うるせぇー!!」
俺はあまりのインターホンのうるささに思わずドアを開けてしまった。そこには配達員のおじさんが何故か泣きながら立っていた。
「はやぐでてぎてくだざぃよぉーー」
「えっ?!」
なんでこんなに泣いてんだ?!この人いつもここ届けてくれている配達のおじさんだよな?留守だっただけでこんなになるか??
「早く印鑑を!」
「は、はぁ」
確かに俺が居留守を使おうとしたのは悪かったよ?あとさっきから気になっては居たんだけど配達のおじさんあんなメカニックなチョーカーなんて付けてたっけ?なんか赤と青が交互に点滅しているけどなんなんだ?
「はい。印鑑をっと…これでいいですか?」
「よっしゃぁぁぁぁあ!!」
配達員から荷物の段ボールを俺が手に取ったその瞬間俺の気になっていたチョーカーがその首から外れた。
おじさん、颯爽と帰っちゃったよ。あれはなんだったんだろう。
「それにしてもこの荷物、親からか、、、」
「おい大希、なにを受け取ったのだ?」
「ある程度予想はついてるけど見てみないと、、、」
こんなに早いとは思ってもいなかったがどうせ稚那の制服なんだろうな。
「やっぱり制服だったか。。。ん?」
段ボールから取り出した包装された制服を取り出すと手紙がひらりと舞い降りる。何故か俺は既視感を覚えた。落ちた手紙を拾い読んだ。
こんにちは元気にしてる大希ちゃん?インターホンは一回で出なきゃいけないわよ??
うわ、なんでばれてんだよ。
居留守を使おうなんてパパに似ちゃったのね。残念だわ…
相変わらずパピーは可愛そうだ。
それで本題だけど稚那ちゃんの制服は全部この中に入ってるから、ちゃんとサイズが合ってるか確認してね。絶対に明日から学校に行きなさい。今のパパみたいになるわよ?
P.S.
とある人を埋めたいんだけど塩酸がいい?それともコンクリートがいい?
おい!最後のP.S.のとある人って絶対パピーだよ!!、、、ちゃんとメールで返信しておこっと。塩酸で…っと。
「おい稚那ー?ちょっとこれ着てみてくれ」
なんで稚那は俺が手紙読んでる隙にお菓子食ってんだ。さっき吐いたばっかだろ。
「これが学校の服なのか?」
「そーだ。俺はあっち見とくからさっさと着替えろ?」
「ほーう?覗いてもいいのだぞ〜?」
「誰がお前の裸なんか見るかよ、いいから着替えろ」
「はーい」
本当は見たい。
「本当に見なくて良いのか〜?我の裸を」
「見たくねぇって言ってんだろ?いいから早くしろっ」
嘘ですよ。見たいですよ
「つれぬなぁ。。。ふむ、これはどうやって着るのだ?」
あれだなぁ。後ろで女の子が着替えてるって考えるとソワソワ感がヤベェな…
「なんかごちゃごちゃしていて分からぬぞ!大希!手伝ってくれぬか?!」
確かに異世界の簡易な服を見る限りセーラー服は難しいかもだな。
「仕方ねぇな、次から着れるように、、、って、わーお」
故意ではない。故に無罪を主張する。更に被害者は見てもいいと言っていた。完全なる無罪だ!
「ふあ、、、見るなぁぁぁあ!!!!!!」
全く。この王女はわがままな方だ。見てもいいとあんなにからかっていたくせに見たら怒るんですもの。ほら久しぶりに見ましたよあの口の赤い光。ではお後がよろしいようで。
「ぎゃぁぁぁぁあ!!!」
今日も一家に一台は欲しいバーナーで顔面を焼かれるのでした。
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