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はうまっち?


目の前に現れたのは(ドラゴン)だった。紛れもなくそこには(ドラゴン)がいた。


「これが本当の稚那の姿…」


「おう人間よ驚いたか!」


これには流石の俺もにっこりだぜ…今まで魔法とか見てきたけど。ここまで非現実感を覚えたのは初めてだ。

すげ〜ちゃんとした(ドラゴン)だー


「…はっ、なんだあれは!?」


まぁこんなに異世界じみた(ドラゴン)が居れば通行人もビックリするよなぁ。。。はぁ、想定内…


「おいアホ馬鹿ドラゴン!凄さは大いに分かったから早くさっきの姿に戻れ!!」


「えーさっきなったばっかりなのに〜」


「つべこべ言わねえで早く戻れ!!」


やばいよやばいよ。こんなの見つかったらもう生きていけねぇよ?


「仕方ないのぉ…ほいっ」


おっ、と。化け狸が戻る時みたい。


「戻るときは詠唱とかはしないんだな」


「別に詠唱なんか唱えなくても魔法は使用可能なのだ」


「出来るのかよっ!てか早くここから逃げるぞ」


「おー、おい!引っ張るでないぞー!」



その後俺らは近くのレストランへと避難した。危うく正体がバレるところだった。


「はぁ。なんとかバレずに済んだ」


「やはり人間はあの姿が恐ろしいのか?」


「ん?まあ恐ろしいだろうな」


「そうか…」


もしかして気にしてるのか??


「ま、まぁか弱き人間なんてどの世界でもその程度よっ!なははは!」


「俺は!」


このとき俺は何故だか手を突き立ち上がり大きなハリのある声が出てしまった。必然的に周りの客からの視線が集まる。それに気づきとっさに座り込む。そして言おうとしたことを落ち着いて話す。


「俺はあんなの怖くない」


「?!」


「だから、なんだ?一緒にいても問題ない」


俺は何が言いたいんだろう。このもどかしい気持ちはなんだろうか。誰かにこの気持ちを整理してちゃんと稚那に伝えてほしい。そう思った。


「な、なら我は大希が恐ろしいと言うまで一緒にいてやろうではないか」


「え?」


これってよく考えたら告は…


「お客様、お冷やとおしぼりになります。お決まりになりましたらそちらのベルでお知らせください」


「あ、ありがとうございます…」


店員の顔覚えたからな。なんてタイミングでお冷やだしやがるんだ。

ほら稚那も冷めてしまったじゃねぇかって、まんざらでもない!?


「のぉ大希。我は…」


も、もしかして…


「我はこのおむらいすと言うやつを食べてみたいぞ!!」


「ですよねー」


こいつに恋愛的感情なんて気持ちはないだろうな。べ、別に俺は稚那のことが好きだなんて言ってないんだからね。でも、無しではないよな…


「オムライスで良いんだな?ならそのボタンを押して」


「ここのボタンか??、、、うおっ?!これで店員を呼べるのか?!」


もしかしてだけど呼鈴の楽しさに気付いてしまったか。俺もまだちっさい時は押す担当だったもんな。


「ご注文はお決まりでしょうか?」


「オムライス2つで」


「かしこまりました」


てかもうこんな時間だったとは気づかなかったよ。これからはこいつの飯も考えないといけないな。いつものようにコンビニ弁当じゃなぁ…

ん?なんでこの店員さっきからここにいるんだろう。


「あ、あのぉ…」


「はい?」


「ボタンは一度だけでお願いします〜」


「はえ…?アホ馬鹿!!もう押すな!!」


「えーけち〜。ブーブー」


「すみません。ちゃんと叱っておくんで」


「は、はぁ。」


なんとか帰ってくれた。あすみませんすみません店員さん!良いムードの時に割り込んで来たことは水に流しますんで許してください。


「ちょっと稚那さん?これから生活する上でここのルールは守りましょうね??良いですか?ベルは一回でいいんです。はい復唱」


「ベルは一回でいいんです。ポチッ」


ピンポーン♪


気づけば稚那の指はしっかりと一度だけ押されていた。


「そう言うことじゃなくてだな…」


何でこうなるんだ。確かに一回だけれども。


「お呼びでしょうか?」


「コーラ1つ、以上で」


「かしこまりました」


「ちょっと稚那さん?良くできました。でも頼むときだけに…」


「ポチッ」


ピンポーン♪


「お、お呼びでしょうか??」


「え、あ、コーラもう一つ」


「以上ですね?」


あ、客の有無を聞かずに帰っちゃったよ。ごめんね店員さん。もう最初の件は水に流すどころか大洋に送りだしてあげるから許して!


「ふぅ。稚那さん一回手はお膝」


「うぬっ」


「このボタンはな、頼みたいものがあるときだけ、、、」


「スッ!」


パシンッ


「稚那さん!お待ちなさい」


「ぐぬぬぬっ」


「つ、つえー」


力強すぎだろ!だめだこいつ、言うことを聞かねぇ!何とかしねぇと机がコーラだらけに…


「お待たせしましたー。オムライスでございます」


「こ、これがおむらいす!?」


ナイスタイミングだぁぁあ!!なんて素晴らしい店員さんだ〜。


「ありがとうございます!!」


「は、はぁ…」


この人の顔覚えておこう。その時にはうんと何か恩返しを…


「こ、これがおむらいす。。。じゅるり」


俺もこいつが何かやらかす前にさっさと食ってしまおう。


「「いただきます」」


この後、稚那がアホほどご飯を頼み財布が泣くことになりました。


読んでくださりありがとうございます!

よろしければ感想もお願いします!!


P.S.

異世界転移してきた王女をどうしますか??しかもこの日本に…俺にはコイツをツッコミきれませんので元の世界に返してあげたい所存

の略称が決定しました!

今度からは「返品王女」とお呼びくださいませ!!

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