ダラダラの恨みは恐ろしい
最近少し間が空いてしまいましたが今後も投稿していきます。
『
こっちを読んでくれているということは、引き受けてくれる気になってくれたんだね。うん、やっぱり君ならやってくれると信じていたよ。お互いに良い関係を築いて行きたいものね。
』
ここでもうこの手紙を破り捨てたくなったのは、言うまでもないだろう。でも実際にはやってないさ、当然な。こういうのは後で使えるし。
『
霧亜君に頼みたいのは他でもない。実は数ヶ月前に地球から8人の少年少女が消えてね。家出や行方不明とかそういうものじゃない。存在そのものが消えたんだ。
どちらかと言うと、神隠しや雲隠れの方が近いかもしれないね。あぁ、もちろん私がやったわけじゃないよ?
わかっているとは思うけどこれは異世界召喚と言われる現象だよ。たまにあるんだよね、色んな理由で異世界の人が召喚されることって。
彼らが消息不明になったのはたまたま判明したんだけど、探すのに苦労してね。やっと最近になってこのイェソドに転移していることがわかったんだ。
別に召喚自体は良いさ、ちゃんとした理由ならね。問題はちゃんとしていない場合だ。例えばこの世界の生贄とかね…。
まぁ、今現在で生きていることはちゃんとわかっているからひどいことはされていないとは思うけどね?
そこで君には彼らがこの世界でなにをさせられようとしているのか、それを確かめてもらいたい。
なに、君にはそこまで難しいことじゃないだろう。多少の荒事でも君なら《慣れている》だろうしね。
ある程度の状況がわかったら同封している小さな水晶玉を割ってくれ。それで直ぐに私に接続できるようになっているからね。あ、くれぐれも今割らないでくれよ?貴重なんだから。
後、多少のお金も同封しておくから有効活用してくれ。それじゃ任せたよ。
』
手紙の内容はざっとこんなものだった。ちくしょう、あのクソ天使なにもかも見透かしてやがる。
小さな水晶玉と言うのはこのビー玉みたいなもののことだろう。こんなんで本当にやつと連絡が取れるのかはわからないが、確かに読んだ瞬間割って文句を言ってやろうと思ったさ。
でもそれなりに大事なものらしい。それを文句を言うだけのために使ったりしないくらいの分別は、俺にだってある。
なにより今まで俺がこいつの世話になってきたのを、恩着せがましくしているのもいやらしい。何が良い関係だ。
…こうなっては仕方がない。とりあえず言われた通り動いてやるしかない。くそ、悠々自適なダラダラライフはしばらくお預けかよ。
文句はこいつに報告するときにたっぷりとしてやる…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
また読んでいただけたら幸いです。