4
「なぁ、なんで前世の記憶つかんねえーの?」
「あ?まだその話してんの?」
「だって気になるじゃん!せっかく、自分の知ってる世界に転生して、しかも母さんたちは時期がドンピシャ、ヒロインになり変われる女だろ?やりたい放題じゃん。」
「ねぇ、あんたほんとにあたしの息子?」
「いや、だって普通さ。」
「あんたの普通が、常識だとも思うなよ?恥ずかしい。」
「なんなんだよっ!だってそう思うじゃん!」
意を決して、聞いたはずが、訳もわからず説教されてる。他のみんなが帰ったあとでよかった。
「えっとさ、冷静になって考えてみなよ?まず、あんたアイスクリンだっけ?それって、前世の記憶?」
「ああ、昔作ったことあるんだよ。」
「で?こっちの卵事情はしってたの?」
「卵事情?」
「卵の消費期限は?移動手段は?」
「もちろん、産みたての新鮮なのを使うようにいった!移動手段ってなんだよ!」
「だから、冷静にっつってんでしょ。産みたてって言う言葉を使ったのはいいわ。でも、農場で産みたででも、運ぶまでに時間がかかってたら産みたてじゃないのよ?さらに、その農場の人が正直に産みたてを出してくれてる保証は?仲介の運ぶ人が嘘をついてないって言える?」
「そんなの知らないよ!」
「だから、落ち着いて。じゃぁ、みんないい人だとして、こっちで生で卵を食べる習慣はないのよ?生の卵を使ってるって聞いて、後から苦情きたときどうするの?」
「俺が作った訳じゃないし。」
そう、俺はこんな食べ物があるっていっただけ。そんなのまで責任がとれない。
「個人でやってるならいいよ?でも、商売でしょ?知りませんでした。わかりませんでしたじゃすまないの。もちろん、販売先が悪い。でも、その販売先が丸投げしてきたら?そこまで考えた?」
考えてない。そんなの知らない。そんなこと、小説には書いてない。
「食べ物がだめなら、武器とかは?俺結構趣味で調べてたときあったし!」
「確かに、魔力がない人にとってはいいはね。でも、それをつかって殺された家族は、銃を開発した人をどう思うのかしらね?」
「そんなこといってたら、文明の発達はないじゃないか!」
「だから落ち着いてよ。あのね、志があるならいいのよ?責任をしっかり取れるなら。でも、あなたのは、自分が考えたわけでもないのに、回りのことなにも考えないで、自己満足のために、世に流すってことでしょ?それってどうなのよ。」
「だって、ゲームとか小説はさ。」
「そろそろ、まともになんなさい。ここは現実。作り物じゃないの。都合よく補正がきくかどうかもわからない。何かをするには責任を伴うのよ。」
ボロボロにされた気がした。自分が前世持ちだって奢ってたのが、木っ端微塵に砕かれた。
「じゃぁ、母さんがヒロインにならないのは、責任をとりたくないから?」
「は?んなわけない。父さんが好きだからよ。」
「えっ?だって、毎回ボロボロにするじゃん。」
「そこがいんでしょー。」
ごめん。父さん。やっぱり俺はなんでこんな人と結婚したのかわからないよ。