ご主人様とはじめての奴隷
開始時の年齢は奴隷ちゃん十六~十七歳、ご主人様十八歳あたりで。
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はじめましてお兄さん。
今日から貴方が私のご主人様なのですね。
誠心誠意尽くさせて頂きますので、どうぞ末永く宜しくお願いします。
私の全ては貴方のものです。どうかゆめゆめお忘れ無きよう。
せっくす……ですか?
はい、大丈夫です、私も覚悟は出来ています。
でもその、初めてですから優しくしてくださいね。
え? ご主人様も初めて? そうなのですか、ちょっと嬉しいです。
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ご主人様、ここは素敵なおうちですね。
街も治安が良くて安心出来ますし、これなら当分安定して暮らせそう……。
ねぇ、ご主人様。出会ってからまだ数ヶ月ではありますが、どうか私と二人で子供を作っては頂けませんか?
ご主人様が今まで避妊していてくださったことは私もよく知っています。
ですが私はご主人様との子供が欲しいです。いいですよね?
え? どうしてそんなに子供が欲しいのかって?
それはまず第一に私がご主人様のことを深く愛しているからです。
ですが、少し良く考えてみてください。
もしも私がご主人様の子供を生まなければ、今後どうなってしまうのか。
ご主人様が私をご購入なされたのは、自らこんなことを言うのもなんですが、私が若くて美しく、処女だったからですよね?
でも私の処女は既にご主人様に捧げてしまいました。覚えていらっしゃいますよね?
もしも私が今後……そうですね、例えば十五年ほど後、三十を過ぎ年老いてから捨てられてしまったとしたら、どうなると思いますか?
処女でも無い、年老いた女の奴隷に行く先などありません。ご主人様もそんな奴隷を買われることは無かったはずです。
では逆に、ご主人様が私を捨てずにいつまでも雇ってくださったとしても。
でもその場合も、私は深い哀しみに包まれるでしょう。
愛しい人が傍にいるのに、その人の子を育めずただただ老いていくことに耐えられないかもしれません。
ご主人様。責めるわけではありませんが、貴方が私を最初に抱いたあの時、貴方は私の人生の全てを奪ったのです。
私が幸せになれるかどうかは全て貴方様次第。
私の願い、叶えてくださいませんか?
え? 子供を作るのは良いけれど、子供を作るにはまだ早い?
ご主人様、何を言っているんですか。若いうちの方が健康な子供を生めますし、それに一人だけで済ませるおつもりですか?
子供は少なくとも三人は欲しいですし、ですから一人目は出来るだけ早い方が良いです。
最近は生活も安定しはじめていますし、作るなら今だと思います。
ご主人様にも分かって頂けましたか? 嬉しい!
それじゃあ、これからはアナタ、って呼んでも宜しいのでしょうか?
それはダメ? わかりました。ではこれからもご主人様、で。
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ご主人様、どうですか料理のお味は。
美味しい? それは良かったです。
私が外に出られなくなった分、家事や料理ぐらいはしっかり出来ないとご主人様に申し分けないですからね。
家のことはお任せください。家計簿もしっかりと付けていますし、無駄遣いなんて一切していませんから!
え? なんですか?
最近私ともご無沙汰だし、お金も十分貯まってきたから新しい奴隷を買いたい?
けれど私が怒るかなと考えて、奴隷を買った後でも十分なお金が残るまでは言わずに黙っていた、ですって?
……ありがとうございます、ご主人様。私のことをそんなにも想ってくださるだなんて。
将来のことを考えてたくさんお金を貯めておくことは大事かもしれませんが、今の生活を安定して回せるのならご主人様の自由にして良いんですよ。
二人目の奴隷を買うこと自体も、全然問題有りません。私に今の生活を続けさせてくださるのなら、何人でも構わないんですよ?
でもご主人様、私を買って頂いた時のことを覚えていますか?
ご主人様は新しい奴隷を買われたのなら、当然手を出しますよね? その為に買われるのですから。
でもそうしたら私と同じようにその娘の人生もまた、ご主人様が全て奪うことになるのです。
新しい娘にも私と同じようにご主人様が子を授けてあげなくては、その子の人生が救われることは無いのですよ?
私はそれでいいのか、ですって? いいんですよ、それぐらい。
私を傍において子供まで授けてくださったのですから、他にお嫁さんや子供が増えるぐらいどうということはありません。
でも、ただひとつワガママを言わせて頂けるのなら。
出来れば子供の数は、一番多い方が嬉しいです。駄目ですか?
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ご主人様、見てください!
今日はあの子達が私と彼女にプレゼントをしてくれたんです。
いつも頑張っているお母さん達にありがとう、ですって。
彼女とは今でも仲良くやれていますよ。これも全てご主人様と、あの子達のお陰ですね。
二人目のこの子も、最近少し喋れるようになったんですよ。
ほら、パパにちゃんとご挨拶してね?
ねぇ、ご主人様。幸せってなんでしょう。ご主人様は今幸せですか?
私はもちろん幸せです。素敵な旦那様に恵まれて、子供達も元気に育ってくれて、幸せじゃないはずがないじゃないですか。
ねえご主人様、気付いていますか?
今のこの幸せな時間も、全てはご主人様があの時私に子を授けて下さったからあるものなんですよ?
もしも子供がいなかったのなら、そうですね……私と彼女は今でも醜くご主人様を取り合っていたのでしょうし、お金の余裕が出来た分ご主人様は他の若い奴隷を一人か二人増やしていたかもしれませんね。
短期的には、それでもご主人様は幸せだったかもしれません。でも私はきっと辛かったでしょうし、長期的にはどうでしょう。
私としては、今の形が一番良かったと思うのですが。
これからもよろしくお願いしますね、ご主人様。
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ご主人様、今日は私の誕生日を祝って頂きありがとうございました。
けれど正直女としては複雑です。これで私も三十歳ですか……。
でもいいんです。今でもご主人様がたまには可愛がってくださるのですから、私は何の不満もありません。
子供は、その、もう作らない方が良いのかなと悩んだりもしますが。
一応目標だった三人は作れましたし……彼女の方は二人だから大分不満みたいですが、並ばれるよりは一人勝ってる方がやはり嬉しいですね。
ご主人様は、最近少しだけ白髪が目立ってきましたね。
え、なんですか? 傷ついた?
もう……それぐらい、いいじゃないですか。私だってこれから増えてくるんですから。
ご主人様も私も、いつまでも若いというわけにもいきませんよ。だからこそ、子供を作ったんじゃないですか。
二人の妻相手に五人の子供を作ったのですから、ご主人様からしてみれば十分なのではないですか?
子供を作ったこと自体は後悔してはいませんよね? ……なになに、もっと欲しかったかもしれない? 本当に?
なんでしたら、今からもう一人ぐらい間に合わせても良いんですよ? そしたらまたミルクも出るようになりますし。ご主人様にもこっそり飲ませてあげます。
え? なんですって? 今から若い奴隷をまた一人買ってみたい、ですって?
それはまた、なんというか……えっとですね、私はまぁ、いいんですよ?
ご主人様との付き合いも長いですし、既に子供も三人いますから今の生活を続けさせてくださるのなら許します。
昔交わした約束は今でも有効です。許しますよ、私は心が広いですから。
でもね、ご主人様。上の子が今いくつか、覚えていらっしゃいますよね? 十二歳を過ぎているんですよ?
そんな大きな子がいるのに、父親であるご主人様が十六歳ぐらいの若い女の奴隷を買ってきたらどうなると思います?
こう言ってはなんですが……あの子はご主人様に似ていますから、そんな若い義理の母親がいたら、ほぼ確実に十中八九間違いが起こるでしょうね。
もしそんなことになったら、父親の貴方はどうなさるおつもりですか?
そうですか、分かって頂けましたか。それは良かった!
私で良ければ好きなだけ甘えてくださいね。子供だってあと一人ぐらいならなんとかなりますから。
え、なんですって? 悲しくなってきたからもう寝る?
ではそうしましょうか。おやすみなさい、私のご主人様。
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ご主人様、早くに家を出たあの子ですけど、今は奴隷を欲しがっているそうです。
今朝方こっそり私に相談に来てました。思いっきり説教してあげましたけど。
私、思うんです。奴隷を買う時は、お嫁さんを買うつもりで選ぶべきだって。それがきっと皆にとって一番幸せなことなんです。あの子もきっとわかってくれます。
それにしても、冒険者ですか。ご主人様も冒険者として随分稼ぎましたけれど、最近少し辛そうですね。でももうしばらく頑張ってくださいね。四人目の子はまだまだ小さいんですから。
全員が巣立ったら、どこか二人で……いえ、彼女も含めて三人でどこかに旅行にでも行きましょうか。
でもその頃にはたくさん孫が出来ていそうですね。年の切り替わりには家にいないと叱られちゃうのかしら。
孫達にお年玉をあげないといけませんからね。
……ねぇ、ご主人様。
子供がいて、私は本当に幸せです。
こう、なんといいますか。
こういう恥ずかしい系の文章を書くと、作者の頭も沸騰しそうです。
こちらの作品が気に入るような方は、私の他作も気に入るかもしれません。まだ少ないですけどね。
なろうには奴隷ハーレム作品が多数存在するかと思われますが、子供をねだる女性が少々少なすぎると思います。
物語の都合上厄介なことはよくわかるんですけどね。身ごもっていたり育児をしていたら他の活動はまともに出来なくなりますから。主人公と共に戦う系のヒロインだと、本来の仕事が一切出来なくなってしまいます。
でも私は、こういうヒロインがいても良いと思うのです。
露骨に子供をおねだりする系ヒロイン。果たしてそれは肉食系女子に含まれるのか否や。