一緒に高校の授業を受けてみる
授業が始まったよ。
<一限目:国語>
シロとクロは、授業を目にするのが初めて。
『ピ…(ふーん)』
シロは、先生が黒板にカリカリ書いてるのをじーっと見つめてる。
先生の言ってること、分かるのかなぁ?? うーん。
クロは、窓の近くにフワフワ泳いでいってて、窓の外をキャワキャワ幸せそうに眺めてました。
<二限目:生物>
シロは大胆にも、先生の使う机のところまで行って、じーっとその様子を見つめてる。
『ピィ…(ふーん…?)』
シロちゃん、熱心だなぁ…。
クロは、今度は天井付近、蛍光灯の上に行って、ゴホゴホ咳き込んでた。ホコリがたまってたんだと思う…。
クロ、しっかり…。
<三限目:英語>
先生は、日本人じゃなくてニュージーランド人。
『ピィ??』
シロは首を傾げてた。
英語は分からないみたい。ということは、国語と生物の授業の内容は分かってたの!?
『キュゥ!! キュゥ!!』
今まで授業や先生には興味を示さなかったクロが、なんだかキラキラしたものを見る目で先生の傍に張り付いてた。
休み時間にクロに聞いてみたら、ブルーの目の色がきれいですごくワクワクしたんだって。
<四限目:数学>
先生はメガネをかけている。
小柄な先生の書く字は、小さい。
『ピィ…』
シロは黒板の字を良く見たかったみたいで、黒板にフヨっと近づいた。
『キュゥ…』
クロは、ごついクロブチメガネが気になったらしく、先生にフヨっと近づいた。
ブンっ!!
先生は、なぜか、シロとクロが近づいた時に、持ってた問題集を大きく振り回した。
『ピィ~』
『キュゥ~』
丁度巻き起こされた風に巻き込まれて、シロとクロ二匹ともがクルクルって吹き飛ばされた。
・・・・・・。
数学の春日部先生(50代男性)、もしかして、見えてる??
***
何度も、ブンブンと風を起こされて近づけなかったシロとクロ。
春日部先生、わざとですか? それとも、無意識ですか?
先生は、なんかフツーに授業してるんだよね…。
見えてるのかなぁ? 見えてないけど、なんか感じるとかかなぁ??
まぁ良いや…。
シロとクロは、今度は、私の机の上で私の様子を観察し出した。
どうやら、教室全体には慣れたみたいだし、『先生』たちにも『授業』の雰囲気にも慣れたみたい。
『キュー、キュゥキュゥ(クロも書いてみたい)』
私が、ノートにシャーペンで文字を書いているのを見て、クロが羨ましがった。
授業中であまりちゃんと話せないけど、小さい声で、
「ここなら書いていいよ」
ってノートの端っこを指差して、シャーペンも二本、出してあげた。
『・・・キュゥ~』
「あれ?」
クロが頑張って持ち上げようとするのに、クロ、シャーペンには触れないみたい??
あれ? どうして?
あ、違う。触れるんだけど、持ち上げたり、動かしたりができないみたい??
触れるけど、力を入れようとすると、シャーペンの中にクロの手がめり込んじゃうというか、すり抜けちゃってるというか…。
そんなクロの様子を見つつ、私が文字を書き込み続けるのを見つめて、シロが、
『・・・ピィ…(私も、学校、行きたいなぁ…)』
って呟いた。
あれ・・・??
わぁ、シロの学習意欲に火がついたのかな?
『キュゥ…(クロも、文字書きたい…)』
クロもなんだかしょんぼりしちゃった。
あれれれれ?




