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13/23

Episode 12

ここ数ヶ月、俺とシーラは着々とゲームの攻略を進めていた。


目的はシンプルだ。


より高性能な素材。

よりレアリティの高い素材。

そして、それらを使って、より良い装備を作る。


クオリアポイントやクオンタポイントによる補正があるとはいえ、やっぱりベースとなるアイテムの基礎性能は高いに越したことはない。


今日は、これまでに集めた素材を使って、新しい盾のクラフトに挑戦していた。


「しかし、この前できた盾の『相手のクオンタ追加効果軽減5%』とか、シーラの怨念めいた追加効果には笑ったな。あんなバフがあるとは思わなかったよ。今度は何が出るかな。」


「怨念は余計よ。」


シーラがジト目で俺を睨む。


「レアスキルっぽかったから惜しい気もするけど、対人戦でしか役に立たないんじゃね……。」


シーラが手にしたハンマーを振り下ろす。

眩い光が弾けた。


「あっ。」


光が収まると、そこには真新しい盾が浮かんでいた。

もちろん、表面には『レオ』の意匠がデカデカと刻まれている。


「おっ。今度のレオ印、結構良いんじゃない?」


「ふふん。ミルトンも、だいぶレオの良さが分かってきたようね。」


シーラが満足気に鼻を鳴らす。


「会心の出来よ。クオリアもかなり乗ったわ。」


確かに、以前の装備と比べれば、格段のステータスだ。


「うん。これなら、そろそろ次の狩場に行ってもいい頃かもな。」


「それもいいんだけどさ。ミルトン、運営からのイベント通知は見た?」


「見た見た。半年に一度やる、全プレイヤー参加オーケイのお祭りイベントだろ。出たいの?」


「うん。」


シーラは新しい盾を嬉しそうに眺める。


「私たちのレオをお披露目するには、ちょうどいい舞台じゃない?」


……私たちの、レオ。

いつの間にか、レオは共有財産になっていたようだ。


まあ、光栄といえば光栄だけど。


俺はメニューを開き、改めてイベントの開催通知を表示させる。


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クオリアオンライン運営からのお知らせ


半年に一度の全プレイヤー参加型イベント

第五回【衆目と偏愛の展覧祭】を開催します!


今回のイベントは、二部構成となっています。


■第一部 クラフト・エキシビション


期間中、イベント専用の『参加証明』を使用したアイテムをクラフトし、専用空間に展示することができます。

『参加証明』を使用してクラフトしたアイテムには、アイテム名の末尾に【衆目と偏愛の展覧祭】が追記されます。

ただし、それ以外の見た目やステータスには一切影響を与えません。


展示できるアイテムは、一人につき一個まで。

また、クラフトには使用できる素材のレアリティに上限があります。

レアリティが上限を超えた場合、クラフトは失敗します。

なお、レギュレーション違反によってクラフトが失敗した場合、使用した素材は元の状態に還元されます。


どうぞ安心して、限界までこだわったクラフトに挑戦してください!


■第二部 イベントボス討伐戦


イベント期間中、フィールドに限定モンスター【インヴァリードカザイ】が出現します。


インヴァリードカザイを規定時間内に討伐することで、第二部への参加資格を獲得できます。

第二部本戦については、現時点では非公開となっています。

ただし、インヴァリードカザイの討伐に成功したプレイヤーであれば、本戦でも十分に健闘することが可能です。


必ずご満足いただける豪華景品もご用意しております!

皆様の「衆目」を集め、「偏愛」を込めた一品を、心よりお待ちしております!


クオリアオンライン運営チーム

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テキストに目を通し、俺はシーラに視線を戻した。


「狙いは第二部ってことか?」


「そうね。もちろん第一部にも応募するけど……。」


シーラは少し考えるようにしてから言った。


「私たちのプレイスタイルだと、クオリアが最大化するのはクラフト時じゃなくて使用時なのよね。」


確かに、アイテム単体を展示して、他のプレイヤーから評価される第一部より、実際にアイテムを使って戦える第二部のほうが、俺の暗示には向いている。


「オーケイ。じゃあ、この『インヴァリードカザイ』って限定モンスターが湧くようになるまで、装備のブラッシュアップも兼ねて、ひたすら素材集めだな。」


「ええ!」


シーラが拳を握りしめる。


「最高のレオを見せつけましょう!」


こうして俺たちは、初めての公式イベントに向けて動き始めた。


まずは装備の強化。

そして、第二部への参加資格を手に入れるための、インヴァリードカザイ討伐。


そう。

俺たちのレオの、お披露目に向けて。

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