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家がダンジョン化したので快適を極めます

 遺影の隣で、家がため息をついた。
 「この家、もう一回、住ませてくれ」
 主人公・新はブラック気味の配送バイトで消耗していた。引き取った祖父家は老朽化、雨漏り、寒い。ところが畳をめくると、数字の浮かぶ“第一層:床下ラビリンス”が広がっていた。湿気スライムを駆逐すれば“除湿率+15%”、断熱材のゴーストを鎮めれば“熱損失-12%”。モンスターは生活の敵で、討伐報酬は快適さ。
 やがて家の外へも“階層”は滲む。さびれた商店街が“通り抜けクエスト”、凍える冬のバス停は“風避け設計図”の隠し部屋、避難所は“動線の迷宮”。攻略のたびに現実の町が少しずつ楽になる。新は気づく――祖父が口癖のように言っていた「良い家は、人を守る剣になる」の意味を。
 最深層に眠るのは“見えない設計図”。それは家族史を綴じた秘密のレイヤーであり、町の未来図でもあった。戦いは派手じゃない。だが朝起きて、床があたたかいことに泣ける日が来る。最強とは、暮らしを軽くすること。 今日のドロップは、あなたの時間だ。
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