表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灯台のひと夏  作者: 塔上月扉
PR
1/14

1 灯台・無人島

灯台

 祖父が残してくれた今は無人の灯台。

 灯台としては使われておらず、祖父が別荘代わりに一人で暮らしていた。子供の頃、幾度か遊びに行ったことがある。内部は、わずかな家具が置かれただけの簡素な作りだ。

 祖父が亡くなった後は行かなくなっていた。

 ある年、すべてから逃げ出したくなったわたしは、その灯台でひと夏を過ごした。


  ◇ ◇ ◇


無人島

 岸から少しだけ離れた海に浮かぶ小さな無人島。そこに小さな白い灯台は立っている。一番近くの小さな村までは車で一時間以上かかる。買い物をするなら、さらに車を走らせる必要がある。

 その上、海岸から離れた小島の上に灯台は立っている。船がないとたどりつけない。

 そんな不便な場所だから、田舎にありがちな「ご近所さん」が毎日暇つぶしに訪ねてくることもなかった。

 本数冊と数枚の着替え、タオルや日用品を入れた小さな鞄に寝袋、日持ちのする食べ物や水を詰め込んだ箱をヨットに載せ、わたしは灯台へ向かった。

 灯台の中は少々埃っぽかったが、扉も窓もすべて開け空気を入れ換えると、何とか暮らせそうなことに安心する。人や動物が侵入した形跡もない。

 木製の机も椅子もベッドも何とか使えそうだ。もし住めなさそうならヨットで寝るつもりでいたが、何とか住めそうだと判断した。

 室内に残されていた箒で家具の埃を払い、ベッドの上に寝袋を広げる。机の上に鞄と荷物を置き、灯台を出た。

 小さな無人島をゆっくりと一周する。少し西の空が赤くなりかけていた。だがまだ十分に明るい。ゴツゴツとした黒っぽい岩だらけの足下に気をつけつつ歩いてゆく。

 小さな島には誰もいなかった。動物もいない。岸壁に釣り人なども見当たらないことを確認すると、灯台に戻り、扉に鍵をかけて早々に横になった。

 すべては明日にしよう。



この物語は小説家になろうと、謎降舎のサイトでも同時に公開しています。

サイトの方ではイメージイラストが一枚見られます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ