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神様の箱庭〜創造神誕生〜

作者: 川森 朱琳
掲載日:2025/05/18


人間が生きるこの世界は、神様の好奇心から生まれた偶然の産物だった…というお話です。


全て作者の妄想の世界で、史実等とは一切関係ございません。


昔むかしあるところに神様がいました。

その神様はずっと一人ぼっちでした。

毎日毎日一人で何をする訳でもなく、唯そこに居るだけ。


此処が何処なのか、自分は誰なのか、何故自分は此処に居るのか…何となく口に出して言ってみても、誰も答えてくれない。

そんな毎日を繰り返すうちに何も考えなくなっていきました。


どれ程の時が経ったのか分からないが、いつもの様に何も考えず目を閉じて体を大の字にして仰向けに寝そべっていた時、真っ暗な頭の中に何か光るものが浮かんできたのです。


それをボーッと眺めていると、その光がゆらゆらと揺れ始め、そのうちふわふわと動き出したのです。

ゆっくりだった動きが徐々に早くなり、上下左右に行ったり来たりしたかと思ったら、次は飛び跳ねる様に小さくピョンピョンと動く。


神様は段々その光に興味が湧いてきて、手を伸ばすとその光はまるで意思があるかの如くひょいと逃げたのです。神様はもう一度手を伸ばし捕まえようとしたけど、またひょいと逃げられる。

神様は夢中になってその光を追いかけました。


その光との攻防中、神様は無意識に色んな事を考えていたのです。


『あれは何だろう』

『近くで見たい』

『触ってみたい』

『柔らかそう』

『次はどっちに逃げるだろう…上?下?右?左?』

『あの光は白いけど本当に白色なのかなぁ?』

『触ったら熱いって事はないよね?』



これまで考える事を放棄していた神様が、突然現れた目の前の白い光に興味を持ち、それについてあれこれ考えた事で「無」だったそこが「有」に変わったのです。


神様の中で「好奇心」が芽生えたのです。


それからは考える事が楽しくて、白い光を追いかけながら色んな事を考え続けた神様は、ある時ふと立ち止まりました。


『あれ?そう言えば私は目を瞑っていたはず…』


そして神様は徐ろに目を開けました。

するとそこは目を閉じる前の何も無い真っ白な空間ではなく、ついさっき迄頭の中で考えていたものが具現化された世界が広がっていたのです。


神様は驚きつつ、辺りをキョロキョロと見ては近くにあるものに触れ、またキョロキョロと視線を巡らせては触れてを繰り返していました。


目で見て触れて、これはあの時考えたものか…ああ、これはあの時の…等とぶつぶつ呟きながら、まるで答え合わせをする様に歩き回りました。


一通り歩き終え立ち止まると、目の前に追いかけ続けたあの白い光がふわふわと浮いていたのです。

その光はゆっくり神様の方に近付き、神様の顔の前で止まると白かった光は虹色に輝き出し、くるくると回転を始めました。


『見る角度が変わると色も違って見えるんだ…』


と、この不思議な現象を前にまたも興味が湧いてきて、その虹色の光に手を伸ばすと神様が触れるよりも先に、その光は神様の額から頭の中に入っていったのです。


虹色の光が神様の中に入ると同時に、これまで神様が考えたものに色が付き、更に温度や感触等実体験したかの如く感じられたのです。


神様は暫くその場で動くこと無く、じっと目の前に広がる空間を見つめていました。

そして神様は自身の手を見て、閉じたり開いたりを繰り返したかと思うと、顔を上げ目の前の空間に視線を向け呟きました。


『考えた事が…私は…創り出せる……』


「創造神」の誕生でした。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



『どうやらやり過ぎたな…』


想像したものが具現化出来る事に気付いた神様は、思い付くまま様々なものを創り出していた。

好奇心から「探究心」に火がつき、納得する迄考え、検証する…を繰り返す事で、その過程で考えたものも具現化されてしまい、辺り一面物が溢れかえってしまって足の踏み場もない状態でした。


ある時一つの検証を終え、ふぅっと息を吐き目の前に目を向けると、溢れかえった膨大なそれらに驚いた。


『……え……何これ……』


神様が創り出したのは、物質もそうだが現象も創り出していたのです。

その為、雨、風、嵐、雷、炎…と、そこら中であらゆる現象が起きていたのです。


流石にこれはマズいと思った神様は、どうしたもんかと悩み、また目を閉じて一人考えに耽ってしまいました。

神様が悩んでいるその間も、現象は続いており色々な変化を遂げていました。


漸く仮定の案が浮かび目を開けた神様が目にしたのは、目を閉じる前の光景とは全く異なるものでした。


辺り一面焼け野原で、草木は無くマグマが流れる岩山、雨が降り続ける場所には大きな水溜まり、煤と煙が充満したおどろおどろしい風景でした。


頭を抱えた神様は、一先ず仮の空間を創り目の前に広がる惨状を、紙屑を丸める様にぎゅっとして丸ごと仮の空間に入れました。



そうして何とか落ち着いたものの、結局また唯の真っ白な空間に戻ってしまいました。

神様も少し疲れたな…と、お昼寝をする様な感じでゴロンと横になり目を閉じ暫く眠りにつきました。







どれ位の時間が経ったのかは分からなかったが、神様は眠りから目覚めた。眠っている間は何も考えていなかったので、目の前の世界には眠る前と変わらない風景があった。そう、以前と同じ真っ白な空間が。


神様は眠ったお陰で頭がスッキリしていて、またあれこれ想像するのが楽しく感じていました。

でも、何故か寂しさも感じていました。

思うがままに何でも創れるけど、その楽しさを分かち合い語れる相手がいない事に気付いたのです。


そこで神様は、自分と同じ様な姿形をしたものを何体か創りました。しかし、それらは話す事も動く事も出来ませんでした。


動ける様にするには…と、あれこれ考え植物をイメージして体内に光と水と少しの熱を入れました。

結果は体内に根が張っただけで動くには至りませんでした。それどころか、根がどんどん広がってしまい体外にまで伸びてきてしまったので、一先ず光を抜き取りました。根の成長は止まったものの、それ以外の変化は無く神様は暫く茫然とそれらを見ていました。


根が伸びるという事はある意味動いているという事なのではないかと考えた神様は、動かすには動力となるものが必要で、これらを動かす為の動力は別のものではないか、若しくは何か足りないのではないかと思い至りました。


そして試行錯誤しながら辿り着いたのは、熱の温度と水分量の比率と、それらを体内に循環させる事でした。


それからは循環させる事に成功したものの、一定時間経つと綺麗だった水分は徐々に濁り始め、所々根が詰まってしまい循環が止まり、そこから根が腐ってしまいました。


水分を浄化する場所が必要だと思い、体の上と下の方に配置してみた。が、上の方で浄化して下迄辿り着いても下で浄化された水分が上に戻るにはかなり時間が掛かり、またその量も上から下りてきた量の半分にも満たないものでした。


同じ量の水分を押し上げるには、追加で上から水分を流し…追加…どうやって?

押し上げる…力…自力………?……あれ?体を動かすのは?……ん?……水分の循環…体を動かす…常に動かすには…自力…動力…植物の養分は……


こんな感じで、あれこれ試行錯誤を繰り返し、体内に色んな機能を創り何とか神様もどきが出来上がりました。


ただ、見た目は神様の様な形でも自分で動く事が出来ないのです。自我とでも言うのか、自らの意思で動く事が出来ない…分からない…動きそのものを知らないという感じで、当然会話等出来る筈もなく、神様はまた考え込んでしまいました。


神様もどきに意思を持たせたところで「経験」が無い為なのか、どれだけ待っても自分の意思で動く事はありませんでした。



一向に動き出す気配が無いので、痺れを切らした神様は神様もどきの脳に「記憶」する能力を付け足し、そこに動きに関する知識を与えました。


すると、神様もどきはパチパチと瞬きをしたり、手を握ったり開いたり、立ったり屈んだり…と一頻り動いてみせたのです。


その姿を見た神様は大喜びで、両手を広げ「ヤッター!」と叫びながらその場で飛び跳ねました。

そんな神様を神様もどきはじーっと見つめ、次の拍子に神様と同じ様に「ヤッター!」と叫びながらその場で飛び跳ねました。


神様もどきの脳に新たな記憶が追加されたのです。


それを見た神様は、神様もどきに自分のこれまでの事や創ったものの事等色んな話を身振り手振りで聞かせました。神様の一人語りが延々と続く中、神様もどきが初めて「質問」をしたのです。


神様は驚いたものの質問に答えると、また次の質問がきてそれに答えると、また次の質問…と質疑応答を繰り返し、いつの間にか会話が成立していたのです。


散々質疑応答をした後、漸く神様はその事に気が付きとても嬉しかったのです。そして、もっと沢山の神様もどきを創って討論したいと思ったのですが、先程まで会話をしていた神様もどきが待ったをかけたのです。


「新しいものを創る前に、これを先に何とかした方が良いのでは…」


視線を自分達の周りにやると、以前にも見たおぞましい風景が広がっていました。


『あ……やってしまった……』


神様は頭を抱え前回同様、くしゃくしゃっと丸めてあの空間に投げ入れました。


その後は神様もどきと相談して、神様もどきを数体創りベースとなる動きに関する知識と、それぞれに別の専門知識を与えました。


こうして役割分担する事が出来る様になってから、神様は更なる好奇心と探究心で色んなものを創り出しては、長い眠りについて脳を休め、起きたらまた創造を繰り返していました。



ある時、神様もどき一号が何気に言った言葉で以前紙屑の様に丸めて投げ入れたものの事を思い出しました。


『忘れてた…』


そう言って空間を開いて覗いて見れば、そこには神様の好奇心を刺激する世界が広がっていました。


キラキラと目を輝かせる神様を横目に、神様もどき一号は溜め息を一つ落とし首を横に振る。


「暫くはあれに付きっきりになりそうだ…はぁぁぁ」


神様もどき一号は、とりあえずその空間を「箱庭」と名付けました。


この「箱庭」が今後どの様な変化を遂げるのか…創造神はワクワクする気持ちが抑えきれず、思わず目を閉じてあれこれ創造してしまったのです。


そう…目を閉じてしまったのです…


そんな創造神を見た神様もどきは「あ〜あ」と言って盛大な溜息を吐き、小さく頭を振り自身もまた目を閉じたのでした。




次はどんなものが創り出されるのか、神のみぞ知る…ですね。




ここに出てくる「創造神」の創り出した世界が、今後の作品(執筆中につき未発表)の舞台になる予定です。

そちらは恋愛ものになります。


今回が初投稿作品になります。

未熟者の為読み辛いかと思いますが、寛大な心でサラッと読んで頂けると嬉しいです。


どうぞ宜しくお願いいたします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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