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第1話 待っていたのは悪夢でした

 皆さん突然だが、学校で居眠りをしたことはあるだろうか……


 居眠りをする理由は、朝練による疲労や、前日の徹夜での作業(ゲーム・映画鑑賞)等さまざまだとは思うが、俺は違う……



 ただ単に今行っている『数学』が大っ嫌いだからである。


 先生は黒板に書いて一生懸命教えようとしてくれているが、嫌いなものは嫌いだ。


 方程式を頭に入れるだけで頭痛がしてくる


 そんなわけで今、俺はその苦痛から解放されるように夢の中にいる……


 周りはホワホワしていて現実では味わえない幸福感が大変気持ちいい…


 このまま、ずっとここにいれたら最高なのにな〜…………


 ピカッ


 あれ?なんだろう段々と明るくなってきた

 もしかして現実世界に引き戻されるの⁉︎


 いや今、夢の中にずっといたいって言ったばかりじゃないか……


 やだ!!戻りたくない〜!!


 シュイン!!


 あたりが白い光で包まれ、周りがはっきりと見えてくる……


 「おい、コルラァ!!何シカトしてんだ

  テメェ!!」


 目の前には身長180センチは超えている大男が俺の胸ぐらを掴んで恐ろしい眼光で睨んでいた


 後ろにはいかにも不良って感じのごろつきが5、6人


 えっと………どんな状況?

 え、何これ?……

 俺現実世界に戻ったと思ったんだけど………


 俺の現実世界はやくもゲームオーバーなんだが⁉︎


 いや、冷静に考えろ俺………


 確か、数学が嫌すぎて俺は寝ていたはず………つまりは学校にいるはずなんだ


 ここは……多分近所だと思うけど……少なくともこんなに人生詰んでるような場面で寝たりはしない…… これは……



 夢か………

 

 そうかそうか………夢か……


 なんちゅう夢だよ!!悪夢じゃねえか!!


 せっかく数学から逃れるために夢に逃げてきたのに夢の中でも地獄とか………俺に安らぎの場はないのか


 「くそったれ〜!!」


 俺は思わず叫んでしまった…………

 目の前が詰んでると言うのに


 「ほぉ…そうか……何がくそったれか俺に

  教えてくれないか??俺、バカだからわ

  かんねぇんだ……」

 「いえ……教えるようなものでは……そ

  の〜ありがとうございました……それで

  は僕はこれで……」


 俺はなんとか誤魔化すように頭を軽く下げて早々に立ち去ろうとする


 「まぁまぁ落ち着こうよ君〜」


 ポッキーを加えている前髪で目が見えない男が俺の肩を優しく………いや……

と〜っても優しくつかんできた


 「さっきも言ったけど、俺さ〜お金ないん

  だよね〜ギャンブルに使い果たしちゃっ

  たから…………なぁ俺たち友達だよな〜

  お金チョーダイ」


 俺はこいつらと面識はないはずなのだが…

 いつから友達になったのだろうか………


 無意識にこんな馬鹿どもと友達になっていたとしたらそいつをぶん殴ってやりたい……


 えっと……とりあえず金ないアピール(絶対無駄)でもやっておく?


 「お金渡したい気持ちは山々なのですが財

  布がなくて〜…………いやぁ残念だ

  な〜」


 「佐伯さん!!こいつのカバンから財布出てきま

  した!!」


 はい詰みました〜


 おい!いかにも下っ端みたいな野郎、

 何してくれてんだ!!


 「だってさ〜財布カバンに入れてたの忘れ

  てたん〜?ダメじゃん………それとも俺

  らに隠してたとかではないよね……友達

  でも、隠し事をするやつ俺……大っ嫌い

  だからさ〜ボコボコにしちゃうかも

  よ?」


 そんなやつ友達じゃねぇよ!!


 くそ!あれは俺がV◯ゴーグルを買って……色々見るためにお小遣いやおつかいのお釣りをネコババしたり壮絶な苦労をしてあと数千円ってとこまで貯めてたんだぞ!!


 「金あるならいいよ!それ全部奪えば、

  少しは遊べるだろ……あとはギャンブル

  で増やせばいいしなぁ!!」


 大男はそう言いながら、俺の財布の中にある札を数え始める……


 「お〜なんだよこいつ!!結構入ってんじ

  ゃん……もしかしてどっかのお坊ちゃ

  ん?」


 いや、両親はどこにでもいる普通の

サラリーマンと看護師です……


 やばい!!俺の今までの苦労がぁぁぁ!!


 いや、まぁ夢なんだからそこまで絶望する必要はないんだけど……目の前の状況が怖くないわけはない……


 それに夢だとしてもずっと貯めていた金を奪われるのは最悪だ……


 改めて………なんちゅう夢だよ!!


 「ま〜いっか、このお金は迷惑料としてい

  ただくわ!!感謝しろよな、ボコボコに

  しないであげんだからよぉぉ!!」


 と言って取り巻きと共に立ち去ろうとする大男……佐伯とか言ってたっけ


 (何が迷惑料だ………)

 (お前の存在が迷惑だろ……)


 と心の中ならいくらでも言える……


 ………いや?待てよ……ここは夢の中……のはずだよな〜


 なるほど……よしよし


 あの不良どもに一泡吐かせるかぁぁ!!

 ※夢だからイキってます



 「おい!まちな!!」


 俺はこの前見たドラマの主人公のように

 相手の背が高いので踏み台に乗って、不良共を見下しながら言う


 「あん?なんかこれ以上用でもあるのかよ!」


 佐伯は俺の前までやってくる

 ………と言うか踏み台に乗ってもこいつと身長変わらねぇ!!めちゃくちゃ怖いんですけど………



 大丈夫!ここは夢……ここは夢


 「お前を野放しにすると不幸になる人間が

  これからも大量に現れるからな!!ここ

  で俺が阻止するぜ!!」


 めちゃくちゃ決まった……もしかすると夢補正で俺ツェー状態になってるかもしれない……


 そう思うと不良共が可愛く見えてくる……


 「いくぞ!!不良どもー!!」


 ポス………


 「・・・・」


 「何かやったかな⁇」


 手が痛いヨ…

 えっと……発泡スチロール(俺)がどんなに頑張っても鉄(佐伯)に勝てるわけはないわな……


 再度言おう!ここは夢……ここは夢……


 「いい度胸だ……お礼に………お星様でも

  見せてやるよぉぉ!!」



 ここは夢……ここは夢……


 いや!本当に夢だよな⁉︎夢……だよね?


 「死ねや〜!!」


 大男はでかい拳を握りしめて、突っ込んでくる


 「わ〜!!勘弁してください!!」

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