7. 何だかデジャブ
私と柊は帰路へと向かった。
それにしても、彼はわざわざ私のことを待っていたのか?
そもそも、彼はいつ私が同じ高校だと気づいたのだろう?
私と同じで、校内案内のときか?
それに、彼は何も話さず黙っている。
何故に?
自分から誘っておいてそれはないんじゃないか?
頭に次々と疑問符が浮かんでくる.....
彼の方をチラッと見ると、目が合った。
すると、彼は顔をプイッと反らした。
それはないんじゃないか?
一体、何を考えているのだろう...
家に着くまで約30分ある。
このままの雰囲気ではさすがに気まずい。
だが、私は中学の時のことを勝手に逆恨みしている...
彼は別に何も悪くないが、私は妬んでいる節があった。
彼のキャラが羨ましかった。
彼が転校してこなければ、私はクールビューティになれていたはずだ....
彼が話しかけるまで、私も話さない。
そう決意してから、約10分がたった。
だめだ...
この沈黙が後20分も続くのは正直きつい...
彼は未だに何も話さない。
私は中学の時のことを勝手に恨んでいたが.....これからの私は自分のキャラを絶対に手に入れる。
ならば、もう中学のことは忘れよう。
私から話しかけようじゃないか。
まずは疑問に思っていたことを聞こう。
「ねぇ、柊くん。」
「うっ、うん」
「何で、私が同じ高校って知ってたの?」
「あっ、その、校内案内のときに見かけて..」
「そうだったんだ。
私と一緒だね。」
「乙瀬さんも、僕に気づいてたんだ...
嬉しいな。」
「.............」
こういう風に言われた時って何て言えばいいんだ?
私も気づいてくれて嬉しい?
これからは中学のことを割り切ろうと思っている....しかし、別に嬉しくはない。
だって、自分の理想になりたくて地元の子が居ないだろう高校に入学したのだから。
お世辞でも嬉しい!くらい言った方がいいのか?
まぁいいや、取り敢えず笑ってごまかそう。
「ハハッ」
何とも女子らしくない乾いた笑いだったが、
まぁいいだろう。
よし、話題を変えよう!
「あのさ、」
と言って彼の方を見ると、何故か顔が真っ赤だった。
「えっ?
どうしたの顔が真っ赤だけど...」
「あっ、いや、その...」
ヤバい耳まで赤くなっている...
熱か?
これはきっと高熱だ...
どうしよう...
あれっ?
何だかデジャブだな....