2. あいつは....
そして、自己紹介タイムの後には校内案内があった。
私は高校ってやっぱり広いなと思いながら歩いていると見つけてしまった。
あいつは...柊蒼
中学の頃の同級生がいたのだ..
もとはといえば、あいつが発端だった...
私は元々、頭いい!!
すげぇ~!
というキャラだった。
実際、勉強はそこそこ出来る方で学年1位だった。私はもうそろそろ、「クールビューティなキャラ」になれるんじゃないかと期待していた。
そんな時だった、あいつが現れたのは...
彼は中学一年生の時に転校してきた。
そして、見事に首位を奪ったのだ..
どんなに勉強してもかなわなかった。
そして、気付けば「頭のいいキャラ」は柊で私は「頭いいけどちょっと抜けているよね」という中途半端なキャラになっていた。
何故だ?
おかしいくないか?
学年2位だぞ!
別に頭いいキャラでいいじゃないか!?
何だ!?
抜けているって....
衝撃で思わず回想してしまった。
私は彼に少しだけコンプレックスを持っていたし、なんなら妬んでもいた。
それに、彼は中学の時の私のキャラを知っている.....
だが、彼とは別のクラスだ。
しかも、別に仲がよかったわけでもないし気にしないことにしよう。
それにしても、彼はもうワンランク上の高校に行くと思っていたのに...
まぁいっか。
私は気を取り直して、校内案内に集中した。
彼が向けている熱い視線に乙瀬が気づくことはなかった。
そのうち乙瀬の中学時代の話も書こうと思っています。