7-5 人事魔王(1)
慰安旅行のバス車内での自己紹介。
営業魔王 鈴来一郎
技術魔王 井頭忠治
人事魔王 佐島
スッと立ち上がり、他魔王たちからツッコまれ座る。
すっかり、おなじみのボケとなった。
人事魔王「どうもみなさん初めまして。先日、人事魔王の長になりました。佐島と申します。佐河緩便の佐に島田耕作の島でさとうと言います。名は純と読み純粋の純。歳は38歳。趣味は、愛犬とドッグランでダッシュするのが休日の楽しみにしています。昨年、入社しました。前職は、アスリート専門の芸能事務所社長をしてました。そちらを別の者に売りまして、こちらに来ることにしました。前の人事部長だった背戒能繫文呉手さんに『是非、自分の後継者となって率いてほしい』と言われまして。昨年まではスポンサー集めに励んでました。現在は、瀬戒能さんが取り組んでくださってます。今日は、家族と愛犬も来てます。楽しい慰安旅行になるよう励みましょう!」
鈴来「励まなくてもいいですよ。自然と楽しく和気あいあいと行きましょう」
不破派欲汚「そうだ。佐島純かフルネームで3文字というのは憧れるな」
佐島「長い名前に憧れます。無いものねだりなのでしょうか」
不破派欲汚「そうかもしれませんね。しかし、よく我が社に入りましたね。挫折歴はどうなのです?」
佐島「挫折があったからこそ前職を思いついたのです。アスリートと一般的に言われるようになったのはまだ最近で、それまでは、スポーツ選手という呼び方でした。アスリートの多くは、企業や団体職員として働きながらスポーツをしています。世界大会で活躍をするとテレビなどの大きなメディアに取り上げられますが、それらをマネージメントしてくれる人が足りてません。そのため無駄な負荷がかかり苦しむアスリートが後を絶ちませんでした。彼らは、マイナースポーツなことが多く裾野を広げるために出演しています。それを自己管理しながら出演するのは苦労ばかりです。それらを一手に引き受けることが出来ればと思い、アスリート専門の芸能事務所を作りました。作るまでに、挫折を繰り返しそれを助けてくれたのが、妻でした。本格的に始まってからも人材不足に苦労しスポンサー集めにも苦労しました。その都度都度ボッキリ心が折れる音を聞きながら心配かけまいと己を鼓舞しどうにか形になりました」
他人の苦労話は、最高のおかずになる。水分補給が早まる。
不破派欲汚「すまない。運転手さんに近くのPAで良いから止まってくれと頼んでくれ」
身軽な営業魔王の鈴来が話に行く。
鈴来「あと2kmほどでPAがあるからそちらにと」
不破派欲汚「佐島の話は非常に興味深い。がしかし、トイレが近い。それに休憩も必要だ。PAだから買い物はあまりないと思うが、身体を伸ばしゆっくりと外の空気を吸ってくれ」
出発してまだ1時間半。順調に進んでいた。東京はすでに脱出している。
不破派欲汚「ところで、どこへ向かっているのだ?」
鈴来「それは着いてからのお楽しみです」
両手で口を押えて話す。
不破派欲汚「恥ずかしがり屋さんだったかな?」
佐島純の自己紹介は(2)に続きます。
またみてね




