4-1 新人研修会
季節は夏。この時期から増える依頼がある。場所は、屠畜場である。
屠畜場とは、家畜の最終処分場である。
本来、屠畜場ではこのような依頼はまず来ないのだが、夏から秋に掛けて旬を迎えるということもあり依頼が舞い込む。全国の屠畜場に我々魔王に依頼が来る。
今回は、福島死社で行われている新人研修会の様子を見て見よう。
福島死社の摘身枝肉死社長(魔王)と津留氏解体魔王のドキュメントである。
摘身枝肉「毎年のことで時報のような感覚ではありますが、毎年何かしらのトラブルが発生します。新人社員は魔王株式会社で働くからには避けて通れない職務であることを頭に叩き込んでいただきたい。では、細かい部分は一昨年熊本から福島に異動となった津留氏解体くんに解説を頼みます」
この日は、新人教育の研修会で福島死社が毎年実施しているものである。
津留氏解体「魔王の津留氏解体です。私は入社前は、屠畜場で解体作業員をしていました。訳あって魔王株式会社に転職しました。その訳は後ほど説明させていただきます。研修でお伝えする内容ですが、実際に体験し依頼を受けている実態になります。私は入社以来これまで何度も遭遇してまいりました。その一例をこちらに表示します」
スクリーンに表示される画像とグラフ。
津留氏「これは、日本全国で畜産物の解体件数である。牛が約106万頭・豚が約1600万頭・鶏が約8億1000万頭が年間に解体されている。解体された肉は、のちに私たちの胃袋などへと納まる。これらは経済動物としての役割となります。次に」
スクリーンに次の画像とグラフが表示。
津留氏「こちらは、馬の解体数になりますが、需要がその年ごとに大きくうねりがあり近年ではその人気は落ち着いています。需要が無ければ解体数は増えません。これら肉は、人様の口へと入るばかりではなく、動物園の動物たちの餌となる肉もあります。肉以外も当然あり、内臓の一部は肉として扱われますが、それ以外は肥料となります。皮や毛は加工品となり少しも無駄のないよう大事に扱っています」
明るくなる。
馬の解体頭数は、日本で2番目に多いのが福島。
津留氏「これらの経済動物は身近な生き物であるがために、解体を邪魔する活動家がところどころで登場します。皆さんが対面するのはこれら活動家の方々となります」
摘身枝肉「と、この研修会の意味がお分かりになられたと思います。この後は、少し精神的に苦しくなるかもしれません。ですので、一旦休憩としましょう。休憩は15分とりますので落ち着いて行動してくださいね」
死社長は冷静に優しく諭すように話す。この道長く経験豊富ということもあり津留氏のような熱いなにかは無いようだ。
不破派浴汚「今回は新人研修会か」
摘身枝肉「この依頼で今後続けられるかわかるところなのです」
不破派浴汚「。。。」
摘身枝肉「魔王様?」
不破派浴汚「ごめんオレ続けられるかな」
また見てね




