3-1 東京ピッグサイト
不破派欲汚「今月もご覧くださり感謝する。6月に入り梅雨入りした地域もあるだろう。ジメジメして不快に思うこともあるだろう。上手に除湿を使い少しでも心地よく過ごしてほしい。6月は中途入社の季節と言う。今月は中途入社の流れを見てもらおうと思う。では、ゆっくりしていかれよ」
面接会場
全国から心に傷を負った者たちが一斉に東京死社近くに集う。毎年恒例の中途入社面接会場である。
6月は中途入社が活発に動く季節と言われている。東京死社近くの東京ピッグサイトに集まった人数は、全国から1500名ほど。
その様子を見てみよう。
不破派欲汚「毎年のようだが随分と大きいところでするのだな。いくらイベントの合間にとはいえよく抑えられたな。それに応募がこんなに集まるとは」
人事魔王「魔王様覚えていらっしゃらないようなので自己紹介いたします。瀬戒能繁文呉手と言います。人事部の長を担当しております」
不破派「長い名前だな」
瀬戒能「いえ。魔王様ほどでは。それにインパクトで負けます」
不破派「うんまぁな」
瀬戒能「ピッグサイト様には毎年のことなので大変お世話になっております。毎年仮押さえをしております。年明けすぐに契約しております。融通が利くので大変助かっております」
不破派「そうか。よくやってくれてる。しかし、応募資格に心に傷を負った者。というだけでこうも集まるのだな」
瀬戒能「そうです。みな何かしらの傷を負っている者たちなのです。新卒で挫折した者やブラック企業で心に深手を負った者などが集まります」
不破派「それで今年はどのようなのが集まっているのだ」
瀬戒能「それが半数は残念なことに、見通しの甘さで勝手に傷ついた者たちなのです。とはいえ、話を聞いてみなければならないのですが。これがなかなか骨の折れることでして」
不破派「そんなにいるのか。面接方法は集団面接か?」
瀬戒能「それでは言いたいことが言えないでしょう。ですので、全国の魔王たちを招集し個人面談をします。そのため、広い場所が必要となります」
不破派「それでか!でもまだ広いだろ」
瀬戒能「応募者の体調などを配慮しパーテーションで囲った個室を用意しております。フリードリンクとしてドリンクバーを列ごとに用意してますが、緊張と我々への配慮と言いますか点数稼ぎのつもりか飲まないことを良しとしてる部分がありなかなか伝わりにくいなと思っております」
不破派「よい配慮だ。個室の掃除はどうしているのだ」
瀬戒能「ほとんどが応募者が片づけます。それでも念のため気持ちよく利用していただきたいので、NPO魔王からバイトで入ってもらってます」
不破派「そうだったか。わかった。ご苦労」
瀬戒能「魔王様が良ければですが、あちらで観覧されませんか?」
魔王の椅子が用意されておりそこから見下ろすように面接会場が一望できる。
瀬戒能「面接は1日がかりですので、椅子は特別にマッサージ機能付きとなっております。こちらには各面接ブースの魔王目線の映像が見れるタブレット付きです。気になった人物がおりましたら画面の☆を押していただくと魔王様のお気に入りに登録されます。最大100件登録できます。常時見ていただかなくて結構です。応募者に魔王様の存在を知ってもらうためだけですので。どうかご無理のない程度で参加していただけると各地の魔王たちの士気を上げることが出来るでしょう」
不破派「至れり尽くせりであるな。非常に興味がある。参加するとしようか」
瀬戒能「ありがとうございます。皆励むことでしょう」
会場に続々と応募者が思い思いに集まる。
瀬戒能「応募者の皆よ。よく来られた。受付で手渡された番号の部屋で待たれよ。尚、ドリンクバーがあり好きなだけ飲んでよい。利用頻度に応じて面接評価が変わるというようなことは一切ない。心地よく過ごせる場所として利用していただければそれでよい。最後に、本日は面接会場に不破派欲汚魔王様がお越しになられている」
最後に変なプレッシャーを与えそうな言葉を使った。これにより面接辞退する者が1割ほど出てくる。
瀬戒能「まもなく時間になる。これより個室に係りの者が声をかける。掛けられたものは言われたブースに入りフルネームで面接官に伝えるように」
個室に面接のルールが書いてある。他社とは違う面接方法に戸惑うとして、口頭でも伝えるようにしている。魔王株式会社のHPにも書いてある。各人頭に入っている。はずである。
瀬戒能「では面接前に、不破派欲汚魔王様から一言賜る」
用意していなかった。椅子から立ち上がり。
不破派「不破派欲汚。である。緊張するだろうが、ここに集ったすべての者たちが状況は違えど心に傷を負った者たちで溢れている。是非入社できるよう全力で取り組むように。我々魔王たちはそなたたちと共に働けることを楽しみにしておるぞ」
魔王の一声で、各魔王たちが歓喜の声を上げる。その声に驚き怯む応募者たち。
面接の様子を見てみよう。
不破派欲汚「プリンうめえ」
瀬戒能「CEO様。声拾ってます(小声)」
不破派欲汚「やべ。。またみてね(小声)」




