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掌中之珠18

 物の10分で片してきた。まるで別人だった。人外の強さというのだろうか。どちらが鬼だか分かりゃしない。ローグは太刀筋どころか本人の姿すら見失ってしまう素早さ。ガイアは一振りで赤鬼の片腕を斬り飛ばした。ティナは詠唱時間もそこそこに青鬼を黒焦げにしてしまった。

 肝が本当に冷えるものだと生まれて初めて実感した。砂漠の真ん中で堂々と暑さを忘れた。汗が引いたような錯覚に陥った。くれぐれも断っておくが、ベアーウルフとは比較にならない強さを2匹の鬼はもっていた。例えばベアーウルフのヒットポイントは450。場合によってはこちらが全滅、敗走の可能性も考えなくてはならない敵だった。そう・・・・・・いよいよ説明がつかなくなってきた。強すぎるのだ、3人共。ここにいてはいけないレベル。鬼を倒してしまうと武器は光を失い、ステータス、レベルも元に戻ったみたいだが。


 戦いが終わるとすぐに、戦況を見守っていたのだろう、クライン城から遣いの兵が迎えに出てきた。王が是非とも歓迎したいと。まぁ、そうだろう。突然現れた救世主。せめて名前だけでもといった感じだろうか。拒む理由はない。むしろローグは誘いを待っていたかのように、一寸の迷いもなく城に吸い込まれていった。我々も続く。特殊な環境にそびえるクライン城。砂上楼閣なんぞどこ吹く風で、砂漠のど真ん中に城が立っていた。城下町は見当たらなかったが、城内に居住区があるのかもしれない。こう言ってはあれだが、治めた所でどんな理があるのか分からない。




 「久しいの、ローグ。」

初っ端の切り出しで、我々はまたもや迷宮に陥れられてしまった。クライン王とローグは初対面ではない。

「はい。ご無事で何よりです。ザルバックがクラインを襲撃すると知った際には、正直焦りましたが。」

「うむ。此方(こっち)もじゃ。」

あっはっはっはははは・・・ではない。我々含め、他の者は完全に蚊帳の外。ん、ということは、ローグは初めからクライン側だったということだろうか。けれども手紙はザルバックからで間違いないはずだ。中身は読んでいないが、封筒にはザルバックの紋章が張られていた。こればかりは差し替えようがない。いまいち話が見えてこない。後で問い詰めなくてはなるまいか(喋るか、そろそろ・・・・・・)

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