車の死角にご注意を
大型トラック・ドライバーをやっております。
少し前、阪神高速長田線〜北線を走っていた時のことでした。
長田線のほうから来て、北線に合流するところで、ミラーで本線を確認しました。
何も来てないように見えました。
合流地点の前から目視もしていたので、何もいないのは確実なように思えました。
念のため、もう一度目視で右後ろを確認すると……
ちっちゃい黒の軽自動車が、いつの間にかそこにいて、私の大型トラックの運転席横をぴったりと並走していました。
いつの間にそこにおったん?!
びっくりしながらも、少し速度を落として前に追いやると、その後ろに合流しました。
覚えておいてください。
大型トラックの運転席横は、運転手からは死角になっています。
ミラーにあなたは映っていません。
右ミラーの下にもうひとつアンダーミラーがついている車なら見えますが、それがついていない車のほうが多いように思います。
ずっとそこを走っていたら潰されますよ?
また、もっと前のことになりますが、大型トラックで信号待ちをしていたら、何か気になる音が聞こえた気がしたことがあります。
カチャン……。
なんというか、コンクリートの上にそっとフライパンでも置いたような、金属音。
なんだろう? と思って周囲を見回しましたが、何もありません。
左ミラーに前の死角を見るためのアンダーミラーというものがついているのですが、そこにわずかに動くものが映った気がしました。
身を乗り出して、車の前を確認してみると……
おじいちゃんの乗った原付バイクが、私のトラックの前で立ちゴケして、うんしょうんしょと起こそうと頑張っているところでした。
おじいちゃんがバイクを起こすよりも先に信号が青になりました。
私が気づいてなかったら物凄い惨事になっていたと思います。
他にも同じく信号待ち中に、なんだか気になる振動を感じてよくよく死角を目視確認してみたら、原付バイクのお兄ちゃんが私のトラックのキャビン横に手をついてもたれていたこともあります。
いい加減にしましょう。
これはついこの間のこと。
夜に高速道路を走っていました。伊勢湾岸道だったと思います。
左から合流して来る車線がありました。
何も合流して来ていないように見えました。
でも、なんだか気配を感じる……。左側の窓の外がなんだか夜よりも暗い……。頭を左に向けて目視してみると……
なんと! 大型トラックの運転手さんが、のんびりとした顔でまっすぐ前だけを見ているのを発見しました!
合流して来た大型トラックが、ぴったりと私の左横に並んでいたのです。
ちっとも見えませんでした。夜で、真っ暗で。そのトラックのライトもマーカーランプも、すべて死角に隠れて私からは見えませんでした。
全長12メートルの大型トラックがすっぽり死角に入ってしまうこともあるんだな、と驚きました。
ちなみに中堅運送会社のS運輸のオレンジ色のキャビンの車でした。
ミニとかフィアット500とかコペンとか、小さな車が乗用車の右後ろにぴったりとくっついているのをよく見ます。
そこは死角で、自分の車は小さいから特にすっぽり隠れやすいということに気づいているのでしょうか。
事故を起こしたり、大型トラックに潰されたりしないように、他の車の死角に意識的になってほしいと思います。
あと、あまり他人を信じすぎないように。