敵には花束を。
敵に花束を。
最初の奇跡は、長年にわたる民族的な対立により、内戦が絶え間なく続いていた緊張地域である。
その日も人々は武器を手に睨み合っていた。
少年から青年への過渡期にある一人が、かつての隣人に銃を発射しようとした。
しかし、打ち出されたのは命を奪う弾丸ではなく、銃やミサイルから花びらやチョコレートが舞い散り、人々を驚かせた。
唖然とした戦場で武器がら次々と花とお菓子を打ち出し始めた。
それは睨み合っていた敵も同じようであった。
最初に銃を射った青年は美しい花を手にじっと考えた。
彼はかつては漠然とした民族意識と、戦いから生まれた憎しみから武器を手にしていたが、花やお菓子を手にしたことで自分自身の考え方に疑問を持ち始める。
銃から飛び出た花を、柔らかいロングキャンディでくるりと包み花束を作った。
そして前をまっすぐ見つめると、目の前の敵に、かつて近所に住んでいて遊んだこともあった友達に差し出した。
「このキャンディ、いっつもわけあって食べてたよな」
花束を受け取った、かつて友達だった敵も、銃からこぼれでたチョコレートを差し出してぎこちなく笑った。
「このチョコレート買いに小遣いだしあった事もあったな」
おずおずと、やがて感極まって抱き合った青年達を見て、敵対していた相手が隣人であり、共に国を愛するただの人だと感じていた。
最初は戦士たちも戸惑い、戦闘を中断して花やお菓子を手に取る光景が広がった。敵味方を問わず、花やお菓子に触れることで心が温かくなり、愛や思いやりの感情が芽生えるのだった。人々は驚きながらも、この変化を受け入れ、戦闘を止めて花を受け取り、お菓子を分け合い始めた。
この奇妙な現象により、人々は戦争に対する考え方を変え始めた。互いにコミュニケーションを取り、対話を重視し始めたことで、和解の兆しが見え始めた。戦場が花畑とお菓子の海に変わり、敵味方の壁が崩れ始めた。
やがて両陣営はは仲間たちと共に、戦争の理由や本当の平和の形を考えるようになり、和解に向けた行動を起こす。
この奇跡は世界中に伝播し、世界中で話題になった。人々は戦争や暴力の代わりに、愛や平和を持ちかける新しい光景に驚愕し、世界中で平和への願いが高まった。
スローガンは「敵には花束を、人々は言葉がある」