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三十六から四十
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春縛れ 遠退く期待 残すキス この板(Record)聴くの 踊ればジルバ
はるしばれ とおのくきたい のこすき(す このいたきくの おどればじるば)
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他軍なく ラッパ聞き後 騎兵隊 僻地の危機は 辛く難苦だ
たぐんなく らっぱききのち きへいた(い へきちのききは つらくなんくだ)
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懐くれば 叩く水鶏に 己知れ 遠に靡く句 只晴れ朽つな
なつくれは たたくくひなに おどれし(れ とおになびくく ただはれくつな)
くひな 【水鶏】
たた・く 【叩く・敲く】鳴く。▽水鶏の、戸をたたくような声をいう。
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徒費が世か 神酒は妻の碑 慰する夜 衰微の松は 君が代は人
とひはよか みきはつまのひ いするよ(る すいびのまつは きみがよはひと
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呼鳥の 死こそ遥かに 聞こゆ消ゆ 古希に狩る羽ぞ 吾子の理と否よ
よびどりの しこそはるかに きこゆき(ゆ こきにかるはぞ ごしのりとひよ)
よび‐どり【呼鳥】おとりに用いる鳥。
ご‐し【×吾子】 [代]二人称の人代名詞。親しみをこめて同僚を呼ぶ語。あなた。きみ。