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 前言撤回です。私はイマドキの女の子が恐いです。


 先程のやけ食いの後、アル様(先程のやり取りで打ち解けた?ので、アルと呼んでくれと言われた。遠慮なく呼ばせていただきますよ。なんたって、私は年上なのだから!)は、困っていることはないか?と尋ねて来た。私が元々渡り人だという事はセス様経由で王宮に連絡が入っていたようだ。なので、今回オルガー領に来たのは、渡り人の確認と保護らしい。渡り人は国家を揺るがしてもおかしくない程の存在だ。別の世界の知識は富を生み、争いを生む。その存在が他国に知られれば、渡り人を求め攻めてくるだろうと言う。歴史は繰り返すのだからと、悲しそうな顔をする。なんだか壮大な話になってきて、かしこまってしまう。しかし、セス様の側に居れば問題ない、とも言われた。


 何故か解らず、尋ね返そうとしたら、


 「お兄様、こちらにいらしたのですか?」


 と、先程とは打って変わって年相応の可愛らしいく、弾んだような声音のエリザベス様登場。恐る恐る振り返ると目が合う。あ、今、軽蔑する目だ!!見た!?あれよメイ!!この子恐くない!?とメイに助けを求める。大丈夫ですよ、と私が安心できるように天使のような微笑みを返してくれる。


 そして、私の隣のセス様を見つけると、エリザベス様は私への態度から一変、透かさず猫を被る。


 「本日は、急に押しかけて申し訳ありません。お兄様が春祭りに参加すると言うものですから。私、今まで一度も一緒に連れて行ってもらったことがございませんのよ?薄情でしょ?学園も卒業し、これからは公務でお忙しいお兄様と顔を合わす機会も減ってしまうと言うのに。ですから、今回は我儘を承知で付いて来てしましましたの。」


 ウフフと口元を隠しながら、NOと言わせない言い回しで外堀を埋め逃げ道を塞いていく辺り、兄妹だわと納得した。


 そして、後ろに控えてる女性を紹介する。


 「セルース様、お久しぶりでございます。マルクス領主が娘、レイチェルでございます。本日は、エリザベス様のお誘いに甘えてしまったばっかりに、皆様にはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。」


 とても、謙虚だった。セス様は、気にせずゆっくり過ごしてくれと言う。私以外は顔なじみの様で、その様子を見てるだけ。あー、もう部屋に帰りたい。エリザベス様の私を見る目は全く笑ってない。笑いながら目だけは笑ってないって、どれだけ器用なんだ。


 唐突に私が誰かの話になった。一拍空いて・・・あ、私か!!


 先程はすみれとだけ名乗ったのだが、ここは自分で改めて名乗ったほうが良いのか?てか、私が渡り人だと、エリザベス様は知らないみたい。国家機密な上、ごく一部しか知らないとアル様が言っていたのに、自らばらしても良いのだろうか?

悩んで、オロオロしてしまう。セス様が口を開けかけた時、アル様が私の紹介をした。


「彼女はセスの花嫁候補だ。」


「「「え!?」」」


女性陣がハモる。勿論、エリザベス様・レイチェル様・私だ。そして、二人が私の方を同時に見る。


エリザベス様はややお顔をひきつらせながら、私も驚いている様だが?と食い下がる。ですよね、私も初耳ですもん。


「彼女は、此所には療養を兼ねて訪れているんだよ。しかし、本当は、花嫁修行なんだ。この屋敷の者と打ち解ける事ができるかも試験の1つなんだよ。」


在ること無いことよくもまー、こんなに並べるもんだと感心してしまう。顔の表情を変える事無く話すアル様に比べて、エリザベス様は性根が素直らしい。心の声が全部顔に出てる。


後ろのレイチェル様も少々顔色が悪い気がする。


それでも諦めきれないのか、何処のご令嬢か知りたがる。そして、軽くため息をついたアル様は、トドメと言わんばかりに一言。


「ジルベルトの秘蔵っ子だ。私達が口出しすることではない。いいね。」


最後は威厳たっぷりと放てば、エリザベス様は雷に打たれた様な衝撃の顔をする。レイチェル様も、そんなエリザベス様を見て、良く解っていないだろうが、ここで口を挟むべきでは無いと思ったのだろう。下を向く。きっと、エリザベス様はセス様が好きなのだろう。ここまで熱くなるんだもの。何だか居たたまれなくて、胸の前で組んだ手に力が入る。


話がどんどんややこしくなっていってるんだけど・・・なんか、ごめーん!!!

構想は出来てるんです。構想は。ただ手が追いつかないんです。気長にお付き合いください。

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