表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/49

11

ちょっと油断すると、すーぐサボり癖が出ちゃう。アブナイアブナイ。

 おはようございます!本日も社畜で鍛えられた体内時計により、おそらくコチラの世界では朝6時を回ろうとしているであろう時間。お目々パッチリ。朝、目を覚ましたらサイドテーブルのベルを鳴らしてくださいとメイに言われていた。きっと身の回りのお世話を焼いてくれるのだろう。


 嫌だ。落ち着かないし、申し訳ないわ。仕事に行かなくても良いんだから、朝食まで時間はたっぷりある。

 

 早速バスルームへ直行する。昨日頂いたペンダントの性能を試すのだ!ドキドキしながらシャワーレバーを回す。シャーっと湯気が立ち上りながら出てくるのはお湯だった。湯加減を確かめると、心地よい。一人キャッキャしながら朝シャンを楽しんだ。


 バスルームからバスタオルを巻きつけて、魔道具のドライヤーで髪を乾かす。すごい。普通のドライヤーより乾きが早いし静かだ。心做しかサラサラの仕上がりになってる。魔法の世界万歳!しかも、コチラの世界の化粧水は肌なじみがよく、プルンプルン。メイのテクニックによって磨き上げられた顔面はクマも消え血色も良くこれまた心做しか小顔効果出てる気がする。この数日で、若返った気がするわ~。


 お次は着替え。クローゼットを開けると、元の世界で着ていた服が一式隅に畳まれていた。そこから下着を見に付け、コルセットはご遠慮したかったので、ゆったり着れそうなワンピースを選ぶ。スッキリしたデザインで、胸下に編み込みの紐が付いているので、自分で軽く締めるぐらいなら問題なさそう。コチラの世界のストッキングは、膝上まであるのだが、ガーターベルトでずり下がり防止する。初めて装着したときはドギマギしたけれども、どうせ誰かに見られるわけでもないので、メイに着けてもらったときと同じ様にしてストッキングの端をガーターベルトの留め具で挟む。昨日と同じブーツを履いて、鏡で身だしなみ確認。まぁまぁだろう。しかし、下着の予備は欲しい。靴下も。コルセットはできる限り頼りたくないなー。


 まだ、朝食まで時間がありそうだったので、天気もいいし、朝のお庭散歩に行ってみることにした。


 ドアを開けて廊下を確認。誰も居なかった。別に悪さしたわけでも無いので、コソコソする必要は無いのだけれど、朝からバタバタしてお隣さんを起こしても申し訳ないし。ちょっと冒険みたいと一人でキャッキャしながら、昨日案内された庭を目指す。

 玄関ホールへと続く階段を下りきった時後ろから、

 

 「おはようございます、スミレ様。」とジルさんに声をかけられた。


 ビクッと体が驚きで跳ねる。慌てて振り返ると、ニコニコ顔のジルさんが挨拶してくれたので、こちらもおはようございますと挨拶を返す。朝早くからどちらへと聞かれたので、庭に散歩でもしに行こうかと思ってと返せば、ご案内しましょうか?気を利かせてくれる。庭への道だけ確認して、一人で大丈夫と伝えた。


 「セス様は午前中お仕事で街の方まで出向きますのでしばらく不在でございます。ですので、本日の朝食はスミレ様だけとなってしまいます。お部屋で召し上がられますか?それとも、庭のガゼボでご用意しましょうか?」


 なんて素敵な提案だ!ぜひ、庭のガゼボで!と前乗り気味にお願いした。もちろん量は抑え気味で軽いやつで!


 庭は朝日を浴びた花の匂いに包まれていた。園路に沿って進んでいくと、生け垣の剪定をしているジョンに出会った。私の二の舞にならないように、ジョンの視界に入るところまで行き朝の挨拶をする。


 「おはようございます。朝から精が出ますね。」


 「スミレ様おはようございます。今日はセス様のご友人も来られるので、午前中に仕上げてしまおうかと思いまして。」


 そう言えば、午後からお友達が来るって言ってたなー。なるほど、みんな準備で忙しいのか。これは悪いことをした。お邪魔した事を侘びると、ジョンは嫌な顔せずに、何時でも声をかけてくれていい、その方が嬉しいと言ってくれる。ジョンも双子のジュリアも屈託のない笑顔を向けてくれるので、こちらとしては甥っ子・姪っ子を見守る叔母のような気分になる。お小遣いあげたい。


 ジョンと別れて、ゆっくり散歩を楽しむ。すると、朝食の準備が出来たとメイが迎えに来てくれた。


 朝、一人で準備した事が面白くなかったのか、メイはひどいですぅ~とプンプン怒っていた。でも、何故か怒ってるのに怖くない、むしろ愛らしい姿にクスクスと笑ってしまう。さらにプンスカ怒ってるメイを「まぁまぁ、」と宥め賺し、ガゼボへと向かった。


 温かいパンにスープ、サラダに生ハムが乗っていた。うわ~、今日も美味しそうです。


 「いつも美味しいご飯を作ってくれるシェフに感謝!いただきます!!」


 配膳の準備をしてくれたジュリアンやメイと談笑しながらペロリと平らげ、身の回りの物の話をした。すると、春祭り中での必要な物を用意するため、午前中に色々なジャンルの商人が来るのだとか。


・・・あ、買いに行くんじゃなくて来るんだ。


 買い物感覚に驚いたが、服飾屋さんも来るらしいので、ちょっと下着と靴下相談してみることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ