ある人の手記
「ある人の手記」
次に会うことがあったら、お互い辛いのは一緒なのに
僕ばかり責めて怒ってごめん悪かったって伝えよう
未だ 自分には非が無いと思う
一方的に僕を傷つけたのは相手だと思う
そしてそれはあっちも充分にわかっていると思う
でもだからこそ謝りたい
僕は確かに傷つけられたし、悲しくて怒って静かにキレた
初めてキレた。思いの丈を正直に話したら怒りになった
あっちの過ちは3回目だったから
でも僕はあいつを責めて「お前は価値のないゴミ人間だ」って
あいつに思わせたかったわけじゃない
今まで幸せだったからこそものすごい怒って でも
今まで幸せだったからこそ最後にきちんと「ありがとう」と
心から笑って言うべきだった
それができずに僕は相手を責めた
もし次に会うことがあって
あいつが僕の目を見て言葉を聞いてくれるなら
あのときはごめんって言おう
確かにあいつと僕とでは 人を愛する力のレベルが違うのかもしれない
あっちの愛は結果として未熟で僕を大きく傷つけたかもしれない
でも僕を本気で愛してくれたことには変わりなかったのに。
だから謝りたい。謝ってあっちの心に僕が残してしまった傷を
少しはマシにしたい。
傷の記憶は消せないし
あっちもあっちで僕を身勝手に傷つけたことは事実だから
完全に忘れてもらったらそれはそれで困る
でもあの時 僕は自分の悲しみの相手に精一杯で
あっちのあっちなりの 未熟ながらに純粋な愛をきっと否定してしまった
申し訳ない
がんばった結果がどうであれ その人ががんばっていたことを否定したらダメ
僕はぼくで未熟だった
ちゃんと愛してくれてありがとうを言いたい
僕は傷ついたけどもう元気だし
ちゃんとやっていくし
あいつのせいで致命傷なんて負ってないって示したい
そうしたらあっちも闇雲に自分を責めずにすむと思う
(ここで走り書きは終わっている)