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百十一話 四公会談


 

 ライノール王国王城の、とある一室にて。



 豪華な部屋の中心には五角形のテーブルが一つ置かれており、それを囲むように五つの椅子が置かれている。

 うち一つは金がふんだんに使われた絢爛豪華な作りであり、それ以外は、装飾や彫刻を施されていてもあからさまに格落ちするといった造形。席の質によって、座る者の立場を現すかのような、そんな意図が透けて見える。



 当然、最も豪華な椅子に座るのは王統に連なる者以外にいない。



 ライノール王国王太子、セイラン・クロセルロードだ。

 煌びやかな装飾が付けられた仏僧帽子めいたかぶり物を被り、顔の部分を黒の面紗で覆っている。髪も耳もかぶり物に覆われて見えず、その面容は判然とせず。いまは黄金の龍の刺繍をあしらった白の抱服をまとい、椅子のひじ掛けに頬杖を立てている。



 そんなセイランに対するのは、三人の男だ。

 セイランと同席できる立場にある王国の土台を支える四公、公爵家の当主たちである。

 席はセイランのものを含めて五つであり、この場にいるのはセイランを含めても四人。

 席が一つだけ、ぽっかりと空いているが、しかしこの場の誰も、それを指摘することはない。



 そう、その席に着く者は、常に存在しないのだから。



 セイランが集まった三人に向かって切り出す。



「まずは余から、みなに今日ここに集まってくれたことに対して、礼を言おう」


「王太子殿下、勿体なきお言葉にございます」


「我ら王家のためならば水火も辞さぬ所存」


「王家のいかなる命にも、この身命を賭して応じる思いにございます」



 この日ここに集まった者は、ロマリウス家、サイファイス家、ゼイレ家の三つ家の当主たちだ。



 それぞれの当主が、セイランに対して返答を述べる。



 ロマリウス家当主、ブレンダン・ロマリウス。軍服を着た壮年の男だ。頭は角刈りで、身体は筋肉質、武家の当主というイメージの鋳型にぴったりはめ込んだような見た目だが、こういった政治の場においても眼光は異様に鋭く、決して腕力だけが取り柄ではないことを窺わせる。



 サイファイス家当主、エグバード・サイファイス。厳格そうな表情を見せる、背の高い老人だ。歳のせいか頭は真っ白で、髭もまるで仙人のように長く伸ばしている。

 いまは伝統貴族の服装に、上からローブを羽織っているという出で立ちで、椅子の上で静謐を守っている。



 ゼイレ家当主、コリドー・ゼイレ。公爵家中では最も歴史が浅く、当主も二人に比べ歳は若いが。常に人好きのする笑顔を見せ、愛想もよく、体格や威厳という面では二人に大きく劣るが、ある意味それが彼の武器でもある。



「四公であるそなたらとの会合も、数えていまだ二度ほどだ。余は経験も浅くまだまだ腹の探り合いは慣れぬゆえ、容赦いたせ」



 セイランがそう言うと、ブレンダン・ロマリウスが武骨な笑みを浮かべる。



「これはご冗談を。この胸襟、いつでも開け放っておりますれば」


「そうか。ならば余も、相応の度量を見せねばならぬな」


「某の方こそご容赦願いたく。某は武辺者ゆえ、こういった話し合いの場は苦手でしてな」



 セイランはブレンダンと冗談なのか腹の探り合いなのか。そんな言葉の応酬を見せる。

 もちろん彼らも、セイランがガストン侯爵の暴走を利用して、多くの貴族の首に縄を付けたことを知っていた。まだまだ子供だからと言って、彼らがセイランを侮ることはない。



「早くそのご尊顔を拝見したく存じますな」


「いまさら余の顔など見ても面白くもなかろう。こうして面と向かって面紗を取ったことなどないが、そなたらならばこの奥にどんな顔があるかは、すでに知っていよう」


「いえいえ、状況から予測するのと、面と向かって見せられるのでは、やはり違いますれば」



 ブレンダンの意見に、コリドー・ゼイレが追随する。

 一方でセイランは、石膏像のように静謐としていた老人に面紗を向けた。



「エグバード、そなたも二人と同じ思いか?」


「いえ、私には恐れ多いことでございます」


「エグバード様は生真面目なお方でいらっしゃる。私などはこういう落ち着きのない性格ですからな。気が急いて仕方がない」


「いや、私も内心ではお二人と同じだ。王家の伝統を蔑ろにするわけではないが、殿下ほどの才覚がおありなら、面紗も不必要と存ずる」


「ははは、いや、私もエグバード様と同じ意見でございます」


「王国を統べる若き王統がそのご尊顔をお見せになるときを、心より楽しみにしております」



 そんな機嫌取りのような会話の合間、コリドーがふいに目を光らせる。



「そうそう。まずは議題の前に、この場を借りて私からセイラン殿下に申し上げたき儀がございます。殿下、議題の前に話を挟み込むなど大変な失礼とは承知しておりますが、どうかお許しいただきたく」


「ふむ、なんだ? 申せ」


「は、では恐れながら。私が申し上げたいのは、殿下の従者についてでございます。現状、殿下は従者と呼べる者をお付けになっていないのは、王城を出入りする誰もが知るところ。殿下は今後さらに多忙になられる身と愚考いたしますれば、やはり従者が必要かと存じます。つきましては、私の方から殿下の従者に相応しい者を見繕っておりますれば」


「ふむ。従者か。そうよな。コリドー、そなたの心遣い、余も嬉しく思う」


「はは」


「それで、その者の名は?」


「ケイン・ラズラエル。南部軍家ラズラエル家の長男にございます」



 コリドーが推挙する者の名を口にすると、ブレンダン・ロマリウスが心当たりあるといった表情を見せた。



「ほう? あの勇傑の再来と有名な?」


「はは。私も目の当たりにしましたが、あの才能、殿下の従者に相応しいものと確信致しております」


「南部の魔法のほとんどを覚えたという話も聞くが。それほどまでにか」


「少し前に会ったときのことですが、私の前で【大城壁(グランドウォール)】を使って見せました」


「ふむ。勇傑の再来、か」



 セイランが、誰に言うでもなくそう呟く。

 勇傑。ここでは、紀言書の一つ【世紀末の魔王】に描かれる、魔王を倒した勇士のことを言うもので、そこから引用して、魔力や剣技に特に秀でた者を勇者、勇傑などと称する風潮が存在する。



「もしかすれば彼の者、その勇傑の生まれ変わりかもしれぬとも言われております」


「生まれ変わりか。紀言書の記述にも、生まれ変わりを示唆するものがいくつかあるが、何か符合するものでも?」


「そこまでは私にもわかりませんが、もしやすれば……」


「ふむ、そうか……それはそうとして、ブレンダン、エグバード、そなたたちは従者の話についてどう思うか?」


「実力があるのならば、某に否はございませぬ」


「やはり、一度顔合わせはあって然るべきかと存じます」


「では、エグバードの言う通り、一度会って見極めるべきだな。コリドー、そのケイン・ラズラエルと会する機会を用意せよ」


「はは。承知いたしました」


「して、ブレンダン、エグバード。そなたらは、誰ぞこれだと言った優れた者は知らぬか?」


「某はいまだ。ですがエグバード様のお孫様は、かなりの才を発揮しているとお聞きしておりますが」


「いえ、我が孫などいまだ未熟にて。それに、我が家には役目がありますれば」


「ふむ、魔法院の地下のあれだな?」


「はは。それについては、陛下も殿下もご承知のもの。我が家はあれの監視を、王国勃興以前より仰せつかっているのです」


「……そうだな。それについても、いずれどうにかせねばなるまい。あれも王都が孕む直接的な憂慮だ。余としては、父上が王位をお譲りなられるまでに決着をつけたいと思っている」



 セイランの決意に満ちた勇ましい言葉に、エグバードが首を振る。



「いえ、申し上げます。殿下、あれは。打倒する者がすでに決められているのです」


「決められている? それはどういうことだ?」


「はは。クラキの予言書に、あれを打倒する者の記載があるのです。あれにはその者が現れるまで決して手を出してはならず、他の誰にも手を出させてはならぬと、代々言付かってもあるのです」


「紀言書の記述と、始祖の遺言か。それで、その打倒する者とは一体なんだ?」


「聖賢にございます」



 エグバードがそう言うと、コリドーが怪訝そうな表情を見せる。



「エグバード様。聖賢とは精霊年代に描かれる三聖のあの聖賢のことにございますか?」


「その通りだ。その聖賢だ」


「宿り木。聖賢。鈴鳴り。子供のころは寝る前のおとぎ話によく聞いたものですな。しかし、まさか当人が現れるわけでもないとは思いますが」


「それが生まれ変わりなのか、新しい聖賢なのか、それはわからん。だが、我が一族はその者を待ち続ける必要がある」


「初代国王との約定もそうだな」


「はは。打倒するには、その聖賢を待たねばならぬのです」


「なるほど、予言書の記述か……ならば余が手を出すわけにもいかぬな」


「鍵の付いた箱には、鍵が付けられる理由がありますれば」


「うむ、そうよな。鍵が掛けられる理由は、盗人から守るだけではなかろうな」



 セイランは得心がいったというように頷くと、やがて別の話題を口にする。



「……話が逸れたな。では、そろそろ本題に移るとしよう。そなたらも、よいな?」



 セイランが本題への移行を促すと、三人は畏まって返事をする。



「まず一つ。ここで改めてそなたらに伝えることがある」


「それは?」


「うむ。これについてだ」



 セイランは懐から魔力計を取り出すと、五角形の卓の上に滑らせた。

 それにすぐ反応を見せたのは、ブレンダンだった。



「おお、魔力計ですか」


「ああ、そなたらも知っているであろう」



 コリドーも、気をよくしたように笑顔を見せる。



「最近ではギルドでも作業所が増えたと聞いておりますな。そうそう、ギルドと言えば最近、スイッチ式なる輝煌ガラスの新しい型式が出ましてな。いやこれがまた面白い。取り付けられた紐を引っ張るだけで光りっぱなしの輝煌ガラスを、自由に点けたり消したりできるという優れもので、かけた布から光が漏れるあの煩わしさから解放されるのです」


「うむ。余も魔導師ギルドを訪れた際に、いくつか触ったな」


「おお。殿下もすでにご覧になられておりましたか。我が家ではすでに導入に向けて交渉が進んでおります」


「いずれ王城のものもあれに刷新されるであろう……話が逸れたな」


「いえ、殿下のお話に水を差してしまったこと、深く謝罪いたします。ブレンダン様、エグバード様もご容赦くださいませ」


「いやいや、こうした雑談も必要かと」


「肩苦しいばかりでは、殿下も息がつまりましょう」



 二人とも穏やかだが、その内心は杳として知れない。本気でそう思っているのか、疎ましく思ったのか、はたまた王太子に取り入ろうとする口の軽快さに、舌を巻いたのか。



「ついては、これの存在を公にする手はずが整った」


「では、ついに」


「うむ。先だってのナダール事変は、どう繕っても内乱という印象が払拭できぬ。ゆえに、王家としてはその恥部を、この成果で塗りつぶす方針を取ることにした」


「ですが殿下、戦と魔力計は特に関連もないのではないでしょうか?」


「いや、あの戦ではすでに魔力計を訓練に導入した部隊を投入している。その戦果は目を見張るほど大きなものであり、ともすれば早期鎮圧の一助になった……そういうことであれば、王家の周到さも周辺各国によく知れよう。事実、投入した魔導師部隊の練度は、それまでの魔導師部隊と比較して運用に格段の差が出たからな」


「やはり詠唱不全に関してでございますな?」


「うむ。此度は一度も出なかったそうだ。しかも、行使の頃合いもピタリと合ったと聞く」



 セイランに、コリドーが疑問を投げかける。



「では、製作者のことも同時に発表なさるのでしょうか?」


「いや、それはまだだ。ゆえに、発表するのは魔力計の存在についてのみとなる」


「なぜでございましょうか? 品と製作者を同時に発表すれば、製作者の名は臣民にも広範に伝わるものと存じますが」


「恩恵を受ける前よりも、受けてからの方が感謝する者も増えるだろうという算段だ。あれの恩恵は、すぐには目に見えぬ。これの有用性が広まれば、製作者の名声もさらに高まろう」


「そこまで……いえ、そこまでのものとは我らも弁えておりますが」



 セイランの魔力計に対する力の入れ具合に、コリドーは驚く。

 ゼイレ家は軍家ではなく文官系の家であるため、魔力計の恩恵にはそこまで触れられていなかった。



 ふとエグバードが、魔力計を見詰めながら、物思いに耽るかのように長い髭をしごく。



「魔力計は、王国史上稀に見る大発明。これは輝煌ガラスの発明にも匹敵しましょう。私も、これを作った者には相応の恩賞を与えるべきと存じます」


「エグバード様も、魔力計は偉大なものとお考えになりますか」


「うむ。これを触ったときは、年甲斐もなく心躍ったものだ。これから魔導を志す者は、自然とこれを手にできるのだ。これほど幸せなことはない。一つ一つの魔法の習得が早まり、その分に費やしていた時間を別のことに使えるのだからな」


「エグバード。魔法院への導入が遅れたことについては、余も父上同様常々心を痛めていたことだ」


「いえ、こればかりは詮無きことと存じます。ものがもの、誰も否とは申せませぬ……」



 セイランの言葉に、エグバードはその場で頭を下げた。



「それと、製作者についてもそなたらに正式に通達する。東部軍家のアークス・レイセフトだ。ブレンダンもあの場にいたゆえ、顔も名も知っていよう。エグバード、そなたも知っていたか?」


「はは。名前だけはそれとなく」


「おお、エグバード様も聞き及んでおられましたか。某も魔導師ギルドで初めて目にしたときはまさかとは思いましたが」


「ということは、若さか」


「は。あのときはアーベント卿からの発表かと思っていたのですが、いやあれには度肝を抜かれましたな」



 この話については蚊帳の外だったコリドーが、口を開く。



「確かレイセフト家の長男でしたかな? つい先ごろ殿下の供として随行し、大きな活躍をしたとか」


「うむ。アークスがいなければ、余はここにいなかったかもしれぬ」


「魔導師軍家では飛び切りの無能ゆえ廃嫡されたともっぱらの噂ですが」


「それは現当主に見る目がないだけよ。事実、剣の腕も魔法の知識も余の供を任せるに相応しいものであった」



 セイランに次いで、ブレンダンとエグバードも口を開く。



「兄は国定魔導師、当主である弟は異民族の先鋒として多大な戦果を収める東部の英雄。兄弟揃って有能であるのだがな……」


「お家の歴史は他の古参貴族家の筆頭とも呼べる家柄。時代の折々にあった昇爵さえ拒否していなければ、主家とするクレメリア家を上回り、すでに侯爵であってもおかしくないはずのお家だ」


「そうなのでしたか?」


「うむ、いろいろとな。事情があるのだよあそこは」


「余も伝え聞いている。それが、レイセフト家が下級貴族ながら、国内有数の名家として有名である所以でもあるとな」



 すると、エグバードが滔々と語りだす。



「伝え聞いている話では、王国勃興直後のこと。佰連邦(バイリャンバン)の一部が、ライノール王家の興隆を良しとせずに攻め込んだ折、当時はまだ王国も小さく臣従する家も少なかったが、それをときのレイセフトの当主が、王家が戦力を整えるまでの時間稼ぎのため、炎の巨人を従えて迎え撃ったという。その後、東部の団結や王家の戦力が整い、侵攻を跳ね返すも、当主は奮戦の末討ち死にし、領地や領民にも大きな被害が出た。それが要因となってレイセフト家は貴族家として大きく力を落とし、クレメリア家の庇護を受けることになった」


「レイセフト家とクレメリア家の関係が他の東部の家よりも密なのもそのためだ。パース・クレメリアが娘をレイセフト家に入れようとしたのも、関係をさらに強固にするためだろう」


「昇爵を拒むのも、ライノール王国の、王家の東の守りという矜持があるからだ。それゆえか、昔からの武骨な軍家という家風をかたくなに守っている」


「王家への忠誠は揺るぎない。他のどんな家が離れても、レイセフト家だけは最後まで王家に付いて行くだろうというのが昔から言われていることだが……いまはそれを知らぬ者も多いな」



 先達たちの話を聞いたコリドーが、口を開く。



「そのアークス・レイセフトでしたが、確か魔力の量が軍家の平均よりも劣るのでしたか?」


「惜しむらくはそこよ。魔力が多ければ、先ほど名前の挙がったケイン・ラズラエル同様、勇傑とも称されたろうに」



 セイランはため息のように言葉をこぼすと、改めて口を開く。



「余はそのアークス・レイセフトを国定魔導師にと考えている」



 セイランの突発的な発言に、三人が見せたのは驚きだった。

 ブレンダンが眉を顰める。



「殿下、いくらなんでもそれは話が飛躍し過ぎではありませぬか?」


「ほう? 余は相応の恩賞と共に、相応の地位も必要だと思うが?」


「お戯れを」


「いやいや、さすがにいまのは冗談だ。話が性急すぎるのは余もわかっておるよ」



 セイランが笑い飛ばす一方、エグバードが真面目腐った顔で苦言を呈する。



「殿下、試験を受けさせねば、他の者に示しがつきませぬ」


「当然、余も試験を受けさせずに通すなどという横暴はせぬ。だが、あやつには試験などあってないようなものよ。受けさせても結果は見えている。ただ……」


「魔力の量ですな?」


「確かに、魔力量が平均以下では他の魔導師軍家は黙っておりますまい」


「では今回はその根回しもかねての周知、ということですかな?」


「有体に言えばな。だが、そなたらに積極的に動けとは望まぬ。事実まだ、国定魔導師の代名詞にふさわしい魔法もないのだ。魔力計の製作者ということ、父上や余も注視していることを覚えておけ」



 セイランのここでの発言はつまり、王家はアークスに期待しているということ、目をかけているということ。ひいては、唾を付けているから勝手に手を出すなということでもある。



 めっきり訊ね役に回ったコリドーが、ブレンダンに訊ねる。



「ブレンダン殿は、どう思われますか?」


「功績が魔力計の発明のみですからな。確かに比類なき功績ではありましょうが、それが国定魔導師につながるかと言えば、どうなのか。やはり殿下のおっしゃる通り、国定魔導師にふさわしい絶大なる魔法とその力が必要となるでしょう」


「エグバード殿はいかがですか?」


「本人を見なければ、答えはいかんともし難く。その点、私は魔法院にいますので、機会には恵まれているでしょう」



 コリドーの問いに二人が返したのは、当たり障りのない答えだった。



「ともあれ、近いうちに魔力計の発表がある。では、次の議題だが――」



 その後も、セイランの進行のもと、議題が進められていくのだった。



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