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第百五話 誰かのいつかの夢を見る



 ――ふと、懐かしい夢を見ていたように思う。



 それは、自分の過去の経験をもとにしたものではなく、あの男の人生を体験したときの出来事。

 あの男が居合の稽古に赴いたときの経験だ。

 場所は都内にある民間のスポーツセンターの室内運動場。そこでは週に何度か居合いの教室が開かれており、夜の時間だけだが、地域の会員を集めて指導を行うという形式で、生徒を募っていた。



 ここを訪れるのは、経験者だけでなく、居合道というものに初めて触れる子供たちや、剣道の延長として習う者、精神修養のため訪れる者など様々。

 あの男も、精神修養や勉強のため、いまの自分と同じくらいの年の頃から、この居合いというものを習っていた。



 その中に、時折だが変わった老爺が顔を見せたのをよく覚えている。

 髭や髪には白髪が多く交じり、白というよりは灰色の強い印象。

 老爺という言葉に不釣り合いなほど体格が良く、まなじり鋭い面立ち。

 作り込まれた身体と剣呑な気配から、剣の道を歩いてきたことは疑うべくもなかったが。

 しかし、会員でもなければ、指導員でもない。

 にもかかわらず、彼が顔を出せば指導員の年配の方々が必ず目上の者として扱い、そして敬うほど。

 ならば居合いや剣道の段位でも持っているのか思えば、そういった位はまったくで、しかし腕の方は非常に達者という非常に不思議な人物でもあった。



 ……考えられるのは、戦後に復興を遂げた古武道の人間か、新興の剣術の会員という線だが、指導員に訊いてもその辺のことはさっぱりだった。

 ただ、真っ当に剣道をやっていなかったということは、間違いなかったように思う。

 剣道というものは禅道の思想の影響を受けているのだが、その老爺が剣に臨む態度にはそれらの影がまったく見えなかったのだ。

 居合いの稽古に顔を出すにもかかわらず、まるで抜き身の白刃が如くギラギラしている。

 心を穏やかに保つ。鞘の中、和の追求を至上とする在り方に反し、まるで獣の如き危うさが常に垣間見えるというほどだった。

 そのせいなのか、指導員たちは「敬意は払っても、言うことは聞くな」と口を揃えて言っていた。



 ある稽古の日、あの男はその老爺に訊いたことがある。



「――心眼ってなんなのかって?」


「はい。前から気になっていまして。それでもしかしたら、不破さんならご存じなのではないかと思ってお伺いしたんです」


「あれだろ? 漫画でよくあるじゃないか。目をつむってでも相手の動きが見えるってヤツだ」


「俺そんなの絶対にできないと思うんですよね。だって目で見なきゃ見えないんだし、それでどうやって相手の動きを把握するんだって話ですよ。道理が立たないでしょそれ?」


「そりゃそうだ。目ぇつむっても相手の動きが見えるなんて、それこそ超能力者にしかできないっての」


「ですよね。だから、それならどういうものなのかなって。なんか勘所とか、わかります?」


「そうだな。まず剣で言う心眼ってぇのは、相手の現在の動きから次の動きを予測することだろうな。周囲から見ている者はそれがまるで、心の目で捉えているかの如く見えるから……それがまあ一般的な心眼だろう」


「では、一般的でない心眼もあるということでしょうか?」


「そりゃあな。相手を制するのが心眼だが、俺たちで言う心眼は、相手の現在の状態から相手の心の(うち)を推測することだ」


「心の(うち)を」


「そうよ。その動きや揺れっていうのは、身体の動きだけじゃあない。表情にも出るし、発汗、呼吸、目の動き、あらゆるものからにじみ出る。そこから、いまそいつが何を考えているのかを推測するんだな。いまそいつが何考えてるのかわかれば、自然、次に出す手もわかるようになる」


「なんか心理学者みたいですねそれ」


「そうなのかもしれねぇな。相手の心の(うち)を読むのは、勝負においてそれだけ大きいってことだ。だが、ただ一つ間違いないことがある」


「それは?」


「この心眼という技術は、目に見えるもの見るための技術じゃないってことだ。目に見えないものを捉えるための技術が、本来の心眼というものだな」


「……?」


「それはさっき言ってた相手の心理であったり、未だ見ぬ動きの延長であったり、もしかすれば電波だったりするかもしれねぇ。そういうヤツらは総じて、そうやって目に見えない何かを感覚的に捉えてるもんだ」


「つまり、そういったことができる人間っていうのは、俺たちよりも得られる情報が多いんですね」


「そうだな。そういうヤツに勝つには、こっちも同等のものを持たなきゃならねぇ。そいつらが得ているものと同じ情報か、そいつらが知り得ねぇ情報、そして、その情報を凌駕する力だ」


「……なんかまた勝ち負けの話になっちゃいましたね」


「お前さんわかってて訊いてんだろ? 俺と話をするとそうなるのはいつものことじゃねぇか」


「そうなんですけど……島山さん、聞いてないですよね?」


「遅ぇよ。俺と話をしてるのばっちり見られてるぜ。これはお前この前の逆抜き(おあそび)のときみたいに怒られる流れだろうな」


「あはは、またお小言かぁ……やっべ」


「……お前の病気はあれだな。その好奇心だな。まあだからその歳でそれだけ達者なんだろうがよ」


「上手くなってるって実感は全然湧かないんですけどね」


「そりゃあそうだ。居合いってのはそういうもんだろ。目に見えた上達が欲しけりゃな、大人しく剣道でもやってりゃいいんだよ。同じ目的を持った人間に毎日揉まれてりゃ、嫌でも強くなる。いい指導者に当たれば、儲けモンだ」


「じゃあまた教えてくださいよ。この前みたいに、あれ、なんでしたっけ? 投げて相手の刀を奪うヤツ。あれ格好いいですよね。ザ、無刀取りって感じで」


「あれは剣道じゃねぇって何度も言ってるだろうが。ああいうのがやりたかったら漫画でも映画でも見てろ。つーか、俺と話ししてていいのかよ?」


「もう怒られるのは確定してるようなものですし、別にいいかなって」



 ……聞こえてくる笑い声の残響は、自分のものか、それとも他の誰かのものか。



 いま見た夢は、そんな一幕を回想させるものだった。

 あの男は稽古のとき、老爺がスポーツセンターに現れる度に、ああして話し掛けにいっては普段の稽古からは得られないような話を聞いていた。

 剣道や居合道にはない、ところによっては邪剣とも呼ばれる技術。

 反面、剣に対して狂気とも呼べるほどひたむきな心構え。

 あの男も大概だが、あの老爺もとんでもない人だったなあと思う。

 剣の技術は一通り身につけたらしく、鍛錬と言えば真っ向からの素振りだけというほどに極まっていた。



 そんな老爺が答えを曖昧にするほど、その心眼というものは不明確なものであり。

 そしてあの男も、終ぞその心眼というものの正体を暴くことはできなかった。



「……無理。意味不明すぎだろその技術。なんだよ目に見えない情報を得るって。五感以外から感じ取るってことか?」



 頭ボサボサ、目は半開き。寝起き姿のままベッドから上体を起こして、そんな自問を口にする。

 残念ながら自分には、あの男同様毒電波や怪電波を受信する機能は備わっていない。

 父親の兄辺りにそういったのと似たようなものを感知できる国定魔導師とかいうとんでもなく非常識な怪物がいるが、あれはもう考えてもしょうがない域なので置いておくが。



 そもそも、そもそもな話だ。剣の技量自体はあの男の方がまだまだ上の域にあるのだ。身体能力も戦闘経験もすでにこちらの方が上であるはずなのだが、あの男ができて自分にはできない剣の技が、何故かまだいくつもある。

 身体能力(ポテンシャル)はすでにこちらの方が上であるにもかかわらず、だ。



(かんなれはあの男はできなかったけど、運剣や足運びとかは何故かできないんだよなぁ)



 男の動きは、しっかりと覚えている。あれが追体験という特異な経験であるため、身体で覚えているのだが、できるかできないかはやはり別物らしい。

 技術、技量というのは、身体能力とはまた別物というのがよくわかる。

 刀があればもう少し踏み込んだ練習もできるのだろうが、無い物ねだりをしてもしょうがない。



「やっぱり形だけでも似せたものを作るべきかな……」



 当たり前だが、刀の再現は難しいだろう。

 この世界、鉄は良質なものが取れるため、わざわざ砂鉄から鋼を造らずともいいかもしれないが、一番の問題は作刀だ。その辺りの超技術、素人の自分にはどうにもならない。

 数種類の鉄を組み合わせて、強靱さと硬質さを兼ね添えた刀身を作り。

 急冷で起こる張力に差を作って、反りを生み出す。

 動画を見たり本を読んだりしただけでは、わかるはずもない。

 現実的に作れるものは、模造刀や竹光だろう。模造刀の模造刀とも言うべきものになってしまうだろうが、稽古はできるようになる。

 この世界でも日本刀に似たもの、せめて模様造りの刀があればいいが――



 扉の外から、ノアの声が聞こえてくる。



「アークスさま、お目覚めでいらっしゃいますか?」


「ああ! ちょうどさっき起きたところだ!」


「そろそろご準備の方を。ご予定に間に合わなくなる恐れがあります」


「そっか、今日はあの日か」



 ノアの言葉を聞いて、細剣術の道場に赴く日だったことを思い出す。

 祝賀会のときに、シャーロットからお招きを受けたのも記憶に新しい。

 あれから何度かやり取りをして、日取りの調整を行い、こうして予定が決まったのだ。

 着替え、洗面、食事など、もろもろの準備を終えたあと、玄関にて。



「アークスさま、左腕は大丈夫ですか?」


「細剣術をしに行くだけだから、たぶん大丈夫だと思う。一応こっちも持って行くけどさ」



 そう言って、縦に長い袋を揺らす。中身は当然、細剣術用の木剣と、そして木刀だ。



「あまり無理はなさいませんよう。まだ完治していないのですから、なるべく大事になさってください」


「ああ。ありがとう」



 心配してくれるノアに、行ってくると言い残して、屋敷をあとにした。



 大通りを通り、貴族が住む地区との境目へ。

 やがて細剣術の剣道場がある敷地に到着すると、門の付近に見覚えのある人影があった。

 シャーロットだ。

 あらかじめおおまかな日時を伝えていたため、待っていてくれたのだろう。

 服装は、動きやすい服装に簡素な防具という出で立ちで、華美なものは一切なく、装飾品も付けていない。薄茶色の長い髪は、邪魔にならないよう後ろでまとめられている。

 祝賀会で抱いた『まるで深窓の令嬢(ジャクリーン)のよう』という印象とはまったく正反対と言って良いだろう。



 シャーロットは待ちの徒然も気にならないのか、立ち姿は落ち着いたもの。

 そんな彼女に近づくと、ふわりと微笑みかけてくる。



「アークス君。いらっしゃい」


「今日はよろしくお願……じゃなくてよろしく」



 焦ったように言い直すと、シャーロットは気まずそうに視線を逸らす。

 彼女も祝賀会のときのことを思い出したのだろう。酔っていたときのことはきちんと覚えているようで、顔をほんのりとだが染めている。



「こ、この前のことはあまり気にしないで。できれば忘れて」



 あのときのことは、シャーロットも失態だと認識しているらしい。

 ともあれ、それを忘れてくれというならば。



「じゃあ、話し方も?」


「それはダメよ。それはこの前言った通り、二人でいるときは普通に話して」


「わかった」



 結局この件はそれで決着が付いた。

 そのあと、一言二言言葉を交わして、シャーロットに導かれて剣道場の敷地内へ。

 土地は思っていた以上に広く取られており、剣道場らしき建物がいくつもある。



 ……細剣術の道場は王都にあるものが本部であり、王都で剣を学ぶ人間のほとんどはここに剣を学びに来るのだという。

 道場生は貴族やその子弟だけでなく、兵士や有力な商人の子など、庶民も多い。

 そのため、無用なトラブルが起こらぬよう、剣道場を平民用と貴族用を分けているのだとか。

 やがて、貴族の子弟が使う道場へとたどり着く。



 板張りの室内では、すでに何人もの剣士たちが防具を身に付け、打ち合っていた。

 細剣術は実戦で使われるため、稽古はもっと荒々しいものを想像していたが、さほどといったところ。その辺り、貴族が出入りする場所だからだろうか。

 木剣の使用、防具の手厚さ、動き方、それらは違えど、空気はフェンシングの練習がチラつく。



 剣道場には意外と若い者が多いことが気になった。

 その辺をシャーロットに訊くと、ある程度年かさの道場生は仕事に出ているため、休日か夜以外はいないそうだ。

 細剣術は突きが主体であるため、剣先に丸めた布を被せて打ち合っている。

 狙う場所も、危険がないよう胴体ばかりだ。

 シャーロットと共に道場に立ち入ると、付近の道場生が手を止めて、彼女に挨拶をする。

 その辺りは、やはり宗家のお嬢様であるためだろう。



 そんな中、ふとピリピリとした視線を感じた。

 誰から、どこからというのは一見して判じ得ない。

 強いて言うなら、周囲全体からだ。



(…………)



 道場に張り詰めた雰囲気のせいで、ただ注目の視線でも過敏にそう感じてしまうのか。

 そうでないのなら、一体なぜそんな視線を向けられなければならないのか。

 道場内を軽く見回して、そこでちょっとした疑問を覚える。

 いまは人前であるため、言葉遣いに気を付けつつ、シャーロットに訊ねた。



「指導の方がいないようですが?」



 よく見れば、道場生たちが雑多に打ち合うばかりで、監督する人間の姿がない。

 普通なら、こういったところは指導員が目を光らせているものだと思うが、そうではないのか。

 すると、



「大体いまの時間帯は休憩や会議で外しているの」



 そんな答えが返ってくる。

 どうやらいまちょうど外している頃合いだったらしい。

 彼女と話をしながら、道場生の間を通り抜け、道場の隅へ。

 そこを稽古の場と定め、細剣術用の木剣を取り出す。



「アークス君、防具は付けないの?」


「え? あ、はい。これまでそういった練習はしてこなかったので」


「そうなの?」


「はい。伯父上は激しい稽古を好みますので」



 その辺り、クレイブはスパルタだ。痛くなければ覚えないというのを信条としているようで、稽古で防具の使用は一切なし。

 それでも怪我をした場合は、治療の魔法を使って治すという手法を取っていた。

 お陰さまで、間合いの計り方、かわし方、いなし方はかなり身につき、デュッセイア戦でもこれが相当役に立った。



「左腕がまだ治っていないので、お見苦しいところもあるかとは思いますが、ご容赦いただければ」


「ええ。ちょっと剣を合わせるだけだから気にしないで。少しでも触れていないと、勘が鈍ってしまうから」


「はい」



 人間、動かなければ動けなくなるし、勘も鈍る。

 それに、こういった場所での稽古は刺激にもなるのだ。

 もともと彼女も、自分の身体が万全ではないと知っている。さすがに本気の手合わせをしようなどとは考えていないだろうし、事実そういった素振りもない。



 こちらも細剣術だけならば、なんとかなる。王国式細剣術の構えは片手持ちだ。左手は身体のバランスを取るだけなので、使わなくてもそれなりに戦える。

 彼女はそういったことも考慮して、こうして誘ってくれたのだろう。



 では、まずは軽く流してみようか。

 対面して剣を合わせようとした、そのときだ。

 ふと、道場生の一人が早足でこちらに向かってきた。



「シャーロット様。イアン様がお呼びです」


「……? お兄様が?」


「はい。その、急ぎだと伺いまして……」


「どうしたのかしら? あとで顔を出すとは言っていたのだけど」



 シャーロットが困惑の視線を向けると、道場生は神妙な面持ちで頷く。

 視線は定まらず、顔にはどことなく気まずそうな色が見えるが、はて、どうしたのか。

 シャーロットの方も不思議そうにしているが、呼ばれたならば行かなければいけないようで。



「アークスくん、ごめんなさい。ちょっと席を外します。少しの間待っていて」


「はい。いってらっしゃいませ」



 シャーロットに頭を下げると、彼女は防具や木剣を端に寄せて、道場を出て行く。

 そして、彼女の背中が廊下に消えたその直後だった。

 道場生の一部が申し合わせたように手を止めて、自分の方へ集まってきた。



 ……先ほどのピリピリとした視線が強まったように感じたのは、おそらく気のせいではないのだろう。

 防具を付けた道場生たちに、あっという間に取り囲まれた。



「これは? 一体なんでしょうか?」



 取り囲んだ者たちを見回して訊ねると、一人の青年が答えた。



「お前はシャーロット様のもと婚約者だそうだな。廃嫡された」


「……ええ、まあ」


「そんな者がどの面下げてこの道場に足を踏み入れたというのだ? あまつさえ道場で剣を習っていないというのに……」


「今日こうして道場を訪れたのは、シャーロット様に招待されたからなのですが?」


「そんなことはどうでもいい」


「は……」



 道理は、突っぱねられた。

 ということは、もとから聞く耳など持っていないということだろう。

 文句を言いたいだけなのか……いや、それならばこうして取り囲んで威圧するということもない。



「お前が道場に来るほどの資格があるかどうか試してやろう」


「試すって……」



 これは、お嬢様が直々に連れてきた男を揉んでやろうとでもいうのだろう。

 なるほど、ということは、先ほどシャーロットが兄に呼ばれたというのも、彼らの仕込みなのだと思われる。

 生意気な新入りに激しい稽古をさせて指導するというのはよくあることではあるが、こちらはいちおう客人であり、年下だ。

 そういった人間をこうして威圧するというのは、いかがなものかと思うのだが、彼らをそうさせるのは、シャーロットが連れてきたからというひがみからか、それとも細剣術を習っている者の矜持のせいか。



 ピリピリとした気配の正体は、やはり斬意なのだろう。

 なんともよくわからない状況になったものだ。



 いちおう自分には断って逃げるという選択肢もあるが――これはこれで良い機会かも知れない。

 いまの自分の剣が、どれほどのものになっているのか。

 王国のスタンダードと比べて、どの程度の位置にあるのか。

 それを知っておくのも、悪くないだろう。



 袋に細剣術用の木剣をしまい、代わりに樫の『木刀』を取り出す。



 これは、少し前から木工師に作らせていたものだ。

 注文は以前からしていたのだが、このたびやっと具合のいいものが出来上がった。

 シャーロットと手合わせするならばと、一応持ってきていたのだが、まさかこんな初陣を飾らせることになろうとは思いもよらなかった。



 これを使うにあたって不安要素と言えば、やはり左腕が使えないことだろう。

 左手はほぼ力を出すことができないため、添えてバランスを取るのみになる。

 そして、細剣術でも鍔迫り合いをすることはあるため、そうならないよう気を付ける必要がある。



 これではかなり制限されるなぁなどと、思いながら「よろしくお願いします」と木刀を構えた。




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