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赤い悪魔と白の救世主 (不機嫌)

キラホエールさん早く出したい。主人公らしい所まだ見せてない。キラホエールさんの魅力をまだ伝えてない。


上手いひとはきっと縦筋に絡みながらキャラを掘り下げて行くんだろうなーと嫉妬しながらも頑張って書いてます。


今回は割と平和です。





 


 互いが互いに得物を向け合う。


 ミコトの狙いは首、サキの狙いは後頭部。


 どちらかが先に踏み込んだ瞬間殺し合いが始まる。


 さっきまで静かだった観客が声を荒らげ始め、二人を煽り、飛び散る臓物と鮮血を期待する。


  ーー殺せ!! ーー殺せ!! ーー殺せ!! ーー殺せ!!




そんな狂気に満ちた歓声のど真ん中に2人はいた。戦いを止めようとするファントムなんていない。



……ただ1人を除いて。



 

「ミコトくん……いい加減にして下さい」


 アスカの体から黒い煙が吹き出す。すぐとなりのレンには煙の中で人の体がファントムの体に変わる瞬間を見ていた。


 右腕両足、その皮膚がガラスのように砕け散り、そしてまた集まる。さっきとは全く違う形、違う色、違う物質に……。



「レンさん、離れて下さい。 炭になりますよ」


意味深な忠告を受けたレンの顔は真っ青になり、そのまま女っけのない両腕を大きく振るフォームで走り出しその場を離れた。


 

 

 アスカの機械の両足のブースターが開き、そこから2つ炎が互いに絡み合い、螺旋を描く大きな火柱が上がる。その中心で彼は目を金色(こんじき)に光らせる。


 視線の先にあるもの。それはもちろんミコトとアスカだ。


 

 明らかにやりすぎな喧嘩の仲裁をしようとするアスカをミコトが止める。


「ちょっ……ちょちょ、ちょっと待った!! 分かった!



 分かったから、やめるから……、だからアスカちゅんもやめよう。それだけはやめよう。会場が吹き飛んじゃう……」


 

 先程自分より【2つ年下の女子】に対して殺人予告をしていたミコトは自分より【3つ年下の少年】に(やめて)と懇願している。


情けないミコト、そして頭の中スカスカのミコト。


 

 あんな炎と共に爆音が轟くあの火柱のど真ん中にいるアスカにミコトの声など届くわけはない。

 

螺旋の火柱の中、アスカの体を青い炎が包んでいき、そして跳躍。

火柱は羽根の火の粉ばら撒きながら飛び散り消えた。その中から両足蹴りの体制でこちらを狙うアスカが現れた。夜の闇の中に紛れる獣のように目を光らせ、青の爆炎に身を包みながらこちらに向かってくる。



「おーまた随分と派手そうな技なのですね。何が出るやら、期待で胸が踊りますよ」

 

サキが興味深々でアスカの大技を食いつくように眺めている。


「アホか!! 何してんだ!! 逃げるぞ!!」


「えっちょっと……」




 サキの手を引いてミコトが全速力でステージから観客席に向かう。


 アスカの技が着弾した場所から渦潮の如く炎の渦が会場を消し炭にしながら飲み込んで行く。観客席をぎりぎり残して……。


紙一重で観客席に飛び込んだミコトが顔を出して怒鳴る。


「コノヤロウ! ナニ考えてダ! 」


 余程恐ろしかったのだろう、舌が回らず噛み噛みだ。

 

「ミコト君が悪いんですよ! 子供みたいに!! 」


アスカはこれっぽっちも悪びれない。粉々になった会場のど真ん中でそう叫び返した。この会場を弁償するのは表向きには彼の保護者であるミコトだと言うのに……。


 そんなアスカの後ろをゆっくりと大男がゆっくりと駆け寄ってきてた。


「おい? 俺の財布がてめえのアホみたいな技のせいで炭になっちまったぞ、どうしてんでくれだ?」


 見るからにご機嫌ななめだ。いつものアスカなら素直に謝っていただろう。だが、


「知りませんよ! そこの金髪の人に請求して下さい! 」


……と、謝罪の意思などこれっぽっちもない返答を返した。


「このガキ……、ふざけんな!!」


大男はアスカの左頬を殴りつけた。少し大人気ないが殴られてもしょうが無い。大男もそれほど悪人では無いようで、アスカが子供だからというのもあって加減をした。


「……、痛った…… 」


大男を睨み返す。そして……、


 

 



アスカ少年は、彼を思いっきり殴り返した。



 

 ※※※※




「はい、レンさんそちらの傷だらけの3人組がやったことに付いて、詳しくお聞かせください。」


場所は留置所、ミコトとアスカとサキ。


仲良く3人がまるで何処かの小学生のように顔に絆創膏を付けて檻の部屋に入っている。


「はい、まずアスカさんが二人の喧嘩をとめようと、範囲が広くて周りを巻き込む可能性があるので町中では禁止されている技で、闘技場のステージを木っ端微塵に吹き飛ばしました。」


「ぶっ!!」


 ミコトが横で吹きだした。


「ミコト君が悪いんですよ」


「いやいや、アスカちゅんそれは逆切れ……」


「こら!!二人とも黙る!!私が喋ってるの!!」


「……、はい」 「は~い」


「こほん! それで観客席にいたファントムの方達が、『てめぇ あぶねぇだろ!! 俺達を殺す気か!!』と、怒り出して、一番に飛び出した男性にアスカさんが思いっきり殴られて……」


「そこのアスカって男の子はやり返したのね。そうでしょ坊や」


「あ、……はい、そうです。 すいませんでした」

 

署長のおばさん。きつそうだが情のありそうな目をして少し小太りな女性だ。


「それで見事乱闘になっちゃて、止めに入ったミコトくんも熱くなっちゃって、サキさんは楽しそうに乱闘に参加して、 観客席のファントム全員病院送りに……………」


「アハハハハハ!! あら3人とも強いのねー。私も若い頃は良く隣の街のレディースに戦争仕掛けにいってたものよ(笑) あ、それでね……」


「あ、あの署長!! それ以上はちょっとまずいんじゃ……」


「あらそうね、 私これでも署長だし。


ほら! 3人とも帰った帰った! 誰も告訴はしないってさ」


(あれだけぼこぼこにされたら、怖くて訴える人なんていないだろうな)

 

 アスカはそんな事を思いながらサキを横目で覗く。


 


 普通の人間の姿のサキは肩まで伸びた黒髪のかなりの美女で服装は黒ののノースリーブシャツに白の膝下まで伸びたスカート、なのだがそのスカートの膝上から太ももの所にシースルーが入っており、膝下スカートでありながら絶対領域が透けて見えているという少し大胆な服を着ていた。


アスカ達3人はレンに連れられて警察署を出た。まだ日の明るい時だった。

 

「あのサキさん、質問いいですか?」


アスカがサキに話しかけた。


「いいですよ、長くなければ。なんでしょか?」




「サキさんが今日殺した二人、警察署の手配書に名前がありました。 サキさん知ってたんじゃないですか?あいつらが人殺しだったって。だから……」

 

「まるでゴミのように殺せた。と言いたいのですか?」


「・・・・・・」


 ミコトが二人の話に横から入る。


「アスカちゅんさぁ……、まさかと思うけどその女が良い奴かもしれないとか思ってるの?



 そいつは本物のクズだよ。目が腐ってる」


 夕日の方を向きながら、ミコトの口から【クズ】と言う冷たい言葉が飛びだした。




「ミコトさんいい加減にして下さい。今日のあれ、全然反省してませんよね? 元はと言えば! いえ……もういいです 」




レンが声を荒らげずに静かに怒る。今日のミコトは少しおかしい。どうもいつもより血の気が多く冷たい発言が非常に多い。何より凄く不機嫌だ。勿論これは周りからすればかなり気分が悪いものであり、大事な友達を失うきっかけになることもある。


ミコトは16の青年でありながら家事をこなし自分で金を稼いでる。

自分と歳が倍程違う大人と共に仕事をしたこともある。


ミコトは戦いの才能には恵まれなかった。だから強いファントムや人の技や体の使い方を見て盗み、誰にも見えない所で懸命に努力して強くなった。


そしてこの年で命の重さを理解し、例えどのような相手でも命を奪った瞬間心に何か胸に空白が出来るよな感覚に襲われてしまう。この感覚は何年もやり続けても治ることはなかった。

 

 その空白を埋める為におしゃべりな男になってしまった……、のかもしれない。彼は言葉の軽さとは裏腹に根は真面目で負けず嫌いな努力家である。


 


 


ゆえに、自分の欲求を満たす為に命を奪っているようにしか見えなかったサキの事が鼻にいた。そして不機嫌になりその様子をみて周りの人間も何か嫌な気分になる。


今そんな負のサイクルが出来上がっていた。


 

 

 それをなんてかしたいと思うレンの突拍子もない事を言う。


「よし私決めました!!皆さん明日一緒にお買い物しましょう!!」


 

 

 一同 「……は?」


 


  先程まで のシリアスが一瞬で吹き飛ぶレンの唐突な提案に3人はこの日初めて気持ちが一つになった。

 


 

恐らくここの読者の人達はミコトとサキの戦いを見たかったと思いますが、アスカだったらどうするのか、と考えるとこうなりました。




後デットオアアライブについては、主要キャラの欄のアスカの技一環で確認してください。


ここで丁寧に描写する必要はないと思ったので割と大雑把にしました。

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