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最後の希望

世界設定、主要キャラを見ていただければわかると思いますが、作者は非常にこじらせております。


まだまだ小説は始めたばかりであり、作りたいものに自分の力が追い付かない日々に苦悩しつつも頑張ってなんとか1話作れました。 壊滅的な文章力ですが自分なりにこだわってこだわって作りました。


設定自体がなかなかブラックなのですが、内容もやはりブラックです。残念ながらノンストレス小説ではなくまだまだブラックな展開、吐き気をもよおすほどの敵キャラ胸糞展開などをするつもりでいます。そい言うものを苦手とするお方は後悔する前にブラウザバックをお願いします。


文章力があれなのでひょっとしたらシリアスが(シリアル)に見える所もあるかもしれません。そこの所は出来れば遠慮なく言って頂けると嬉しいです。


もちろんただ鬱々しいワンパターンな展開にするつもりはありません。

 


Webサイト、「killerWhale(キラーホエール)」から一昨日21時13分


[サイト管理者に対してある男性からのメール]


 





「キラーホエールさん、こんばんわ。ご依頼をお願いしたくメールさせて頂きました。 私には二人の愛娘と妻がいました。仕事が忙しくなかなか家族との時間が取れなかったのですが、家にいる時はとても楽しく、辛い仕事も愛娘達の顔を見ると家族の為だと頑張る事ができました。しかしある外道達によって私達の幸せをズタズタに引き裂かれました。

 

彼らは裏社会で流行っている食人レストランの食料調達者であり、人間密猟団で死刑を執行された死刑囚の死体や攫ってきた人間の肉を剥ぎ、人肉店に売るという余りに非道な行いをしていました。娘達は塾の帰りそのターゲットになりました。


 辛うじて命は取り留めたものの、姉は両腕と胸の皮を、妹は目と顔の皮を奪われました。警察は犯人を捕まえることが出来ず、娘達は再び襲われることに恐れ、精神を病んでいきました。


 

二人は絶望し病院の屋上で飛び降りました。私は悲しみと怒りで押しつぶされそうになりましたが、妻は私以上に心に傷を負い鬱病になりました。


市の役人に精神病棟に閉じ込められてました。私は妻を返して欲しいと懇願しましたが、役人にはご近所さんからのお願いであり、何より規則だからだ。と、聞く耳をもって貰えませんでした。そして閉じ込められてから2ヶ月後、妻は自分の舌を噛み切って自らの命を経ちました。部屋の中で孤独に死んでいたそうです。


 私は私から家族を奪った密猟団に復讐するため情報を集めアジトを見つけ出しました。自らの手で復讐する為に銃を手に入れ資格も手に入れました。なのに情けないことに病に倒れてしまい、両足と左腕を失いました。今の私は施設の中に閉じ込められ愛娘達と妻の元に向かうことも仇をとることも出来ません。そして今日、後1ヵ月の余命宣告を受けました。お願いします。




 この無様な私に変わって妻と愛娘の仇をとってはいただけないでしょうか? 今の私にはここが最後の希望なのです。家族の無念を、もうすぐ命が散り行く私の最後の願いを、どうか叶えて欲しいのです」




 

 昨日20時35分、


[サイト管理者からの男性に対する返信]


「《加藤敬二》さんこんばんわ。誠に勝ってながらこちらのサイトには悪戯目的の嘘の依頼などもあり、あなたの事を調べさせて頂きました。申し訳ありません。調査の結果あなたは嘘は言っておらず、それらしい密猟団兼、人肉料理店 (エターナルヘブン)の存在も確認しました。


 ご依頼謹んで引き受けます。二人の愛娘さん、奥様、そしてなによりあなたの無念を必ず晴らしてみせます。彼らの罪はその命を持って償わせます。」








 ※※※※



 今日【4時37分】 レストラン【エターナルヘブン】




「いらっしゃいませ。ご予約の佐藤さま 」


「聞いたよいいものを仕入れたとね 」


「ハッハッハ。流石佐藤さまはお耳が早い。その料理は今日のフルコースのメインディッシュにお出しします 」


「ふっふっふ・・・・・・余り私を焦らすなよ? 私はこの世で最も欲求を抑えるのが苦手な人間だからね 」



 女性のウェイトレスと50半ば程のスーツの男の会話だ。男はウェイトレスに案内されたテーブルに座る。そして今夜のフルコースを注文した。


 まず前菜、焼きトマトの上にバジルとチーズそして、何か牛タンの薄切りに似た食感の肉が盛ってある焼きサラダを食べた。


 

「これは若い男と女の舌を薄切りにしてまぜてるのかな 」


 


「流石は佐藤さま。おっしゃる通りです。これは、ある若い男女の舌を使っています 」


「彼らの関係は?」


「それはコースを進めていけばおのずと分かるかと 」

 

次はスープ料理、カップには赤いスープ。そのカップを収めている大きな皿にはの中に大きな男の手と細く綺麗な女の手が人差し指だけを絡めて繋がっているものが盛り付けられていた。


 二つとも左手で薬指には同じ指輪がはめてある。





「なるほどこれは新婚さんかな?」


「正解です佐藤さま。今日のコースはある新婚夫婦を調達し、調理したものです。さあ、お次はメインディッシュです 」



 そしてメインの肉料理が来る。


「ほぉぉ・・・・・・はは、これは凄いね 」


「満足して頂き光栄です 」









 それは、両手両足を根本から切り落とされ涙を流した跡がある若い綺麗な女性の体を蒸し、腹を大きく裂いて何かの器具で広げているものだった。





「この料理の名は・・・・・・、



【子持ち女の(はらわた)と乳飲み子の蒸し肉詰め】、でございます」



「なるほど生まれてまもない赤子を母親の腹の中に戻してやって腸と一緒に蒸してやったのか。中々いい発想をしているね。これからも頑張りたまえ、美味しかったよ。ご馳走様 」


 

男は満足そうにテーブルを離れカウンターで代金をし払い、店の外の扉まで向かって行った。


「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」



 ウェイトレスは佐藤に会釈をし、客の帰りを見届ける。男はゆったりと階段を上がり引き戸のドアを開けて店の外に出ようとした。


「ん・・・・・・なんだね君は、どきたまえ 」


 男が声を荒らげて怒鳴る。扉を開けた先に1人、出口を塞ぐように立っている。黒のパーカーと黒のジャージ、身長は154cm、パーカーのフードを深く被り顔は見えない。そして男の言葉にも一切耳を貸さず不動だ。怪しい雰囲気を漂わせている。


そしてフードの怪しい人物と男は目が合う。


そうただ目が合っただけだ。


 だが、さっきまで強気な態度をとっていたのが嘘のように強い恐怖を感じ震えだす。強い寒気を覚えた。そして何故か今までの人生がフラッシュバックする。それは正しく走馬灯だ。彼は眼前の人間が自らの死を運びに来たように感じた。


 それは殺意。脅しではない。今、目の前の人物は自分を殺そうとしている。刃物より鋭い眼光に、男は恐怖で足を一歩引いてしまった。



 これはまずかった。1歩下がることにより視界は広がる。そしてフードの人物の全体像が目に飛び込んだ。


左手と右足の表面から黒い蒸気が上がる。その蒸気から人間ではありえない無機質な機械の手足が現れた。そして男はフードの人間、いやフードを被った悪魔の正体を、やっと理解した。


「ま・・・、まさか君は、キラー・・・・・・」



 低くも響く音が鳴る。銃声では無い、それは男の頭が砕け散りその中身を壁にぶちまけた音だ。原因は拳。フードの悪魔はその機械と化した拳一つで男の頭を粉砕した。


店の人間達は何が起こったのか分から無かった。悲鳴も上げず、ただ真紅の血を垂れ流しながら階段を転がっていく肉塊を眺めるだけだった。フードの悪魔は赤く染まった階段を降りてきた。一段一段降りる度にぴちゃぴちゃと音がする。


 フードをゆっくりとり素顔を見せた。その時長い黒髪はたなびきその整った顔立ちは店の人間達の視線を吸い込んだ。



「え・・・・・・、女の子?」


悪魔の意外な容姿に彼らは驚く。未だ店の人間達は自分の置かれてる状況を理解出来ずにいた。危機感を覚えない彼らに対し悪魔は口を開く。



「うるせえよブス。お前らもすぐにあそこの首無しのお仲間にしてやるよ。散々無関係な人達殺してよお、仏さんをバラバラにして金儲けの道具にしてたんだ。今までのつけを払え。てめえらの腸をこの店にぶちまけろ。


お前らの罪は私が命をもって償わせてやる 」


 

 

 清純で可愛らしくも美しい容姿からは発せられたとは思えない荒々しい口調だ。それと共に彼女の影が突如に異型に変わった。それは彼女の周りの床を泳ぐ。何周がしたと後、目を光らせた。その瞬間それは影の中から姿を見せる。


 その姿は機械仕掛けのシャチようなマシーンだった。そして彼女は無機質な機械になった左手を横に広げた。そのマシーンも彼女の手に合わせ腹を見せるように平行に並んだ。マシーンの腹が開く、あばら骨に似た骨組みはゆっくりと開き、彼女の左腕を飲み込んだ。そしてマシーンは彼女と完全に一体化する。この道具の目的はひとつ。この場にいる全ての命を貪る。ただそれだ。

 

彼女の目の強膜は赤く染まり、歯は全て鋭い牙に変わった。マシーンの額に赤い文字が浮かぶ。

 

 

  Himself is accordance with the intention (己が意思に従え)


ここでやっと店の人間達は理解した。


 彼女の正体。彼女の目的。


 


「そんな、嫌だ 」

 

「killerWhale(キラーホエール)だぁぁあ!」


「俺たちを、皆殺しに来たんだ!」


泣き叫ぶ者。腰が抜け、その場で動けない者。彼らの運命は決まった。それは逃れられぬ絶対的な死。その運命から逃げおおせようと、店の人間達は彼女に背を向けて全力で走り出した。


この時、4時44分4秒。



たとえどこに行こうと、仮に彼女より足が速くても彼女から逃げることは出来ない。彼らはここで命尽き果て四肢をもがれて、家族の前に原型を失った死体を見せることになる。


 

彼女の名前は明日(あきら)。16歳。


 この世界での通り名は、

 

【killerWhale(キラーホエール)】《殺し屋クジラ》


この世の家族を 友達を、恋人を奪われた人々に代わり復讐を代行する。歪んだ正義の体現者であり、悪魔と契約したギアのphantom(ファントム)

 



 そして彼らの最後の希望だ。

 





挿絵(By みてみん)

 

この1話に自分の持てる全ての力を使いました。


それでこの程度かよと思われるかたもいるかと思いますが、僕はこの程度です。

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