01強襲?・・・追撃
本日も2話UPします。
互いのGFが砲撃を繰り返す砲火の中、アデルのジェネラルに抱えられるように飛ぶセラフィムを、2機のGFファランクスMk2が大型のシールドを構え防ぎながらムーンキングダムへと帰還しようとしていたが、前方に回り込んだGF6機により阻まれていた。
『何で北東連邦のGFが居るんですの!』
通信機から聞こえてくるサリアの声
『知らないよ!大方鹵獲した機体を使っているんだろうさ!』
ルークが答える。
『2人とも危ない!下がって!』
レイカの声に2機のGFは高度を下げた。
すれすれの位置を全速で航行する輸送艦フォーチュンであった。
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フォーチュン船内
「早く!全速前進しなさいね!」
ネルビルが叫ぶ
「これが全速です・・・が、ちゃんと椅子に座っていてください。」
艦長がネルビルを注意すると、渋々椅子に座る。
「うまく行くのか!どうなんだ!」
「今のところうまく行っています。ただ、連邦軍の動きが速いように感じます。」
「何!連邦は陽動にかかったのではないのか?」
「陽動にかかったのは、警察です。軍ではありません!」
そのままの勢いでGF6機の中を突っ切る。
『くっ!危ないだろう!』
通信が入るなり文句が来る
「うるさい!黙れ!さっさと道を開けないのが悪いんだ!」
『くっ!覚えていろよ!』
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『おいユウ!突っ込んでいっちまったぜ!どうする?』
「追いかけましょう。もしかしたら・・・」
言いかけた時、追い抜かれたGF6機がこちらへ反転して砲撃をしてくる。
「やはり!ボクは先に行きます。」
『ああ、気を付けろよ!』
「ルークもね。」
ユウのGF、GFエンジェルMK3HCが速度を増して行く。
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『隊長!エンジェルタイプが1機突っ込んできます!』
「艦砲射撃を要請しろ!フォーメーションデルタだ!」
『『了解。』』
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全速で現場へと向かうユウ機へ砲火が降りそそぐ
「くっ!何処から!」
巧みに躱しながら砲火を躱すが、足は止められてしまう。
そこへ3機のGFが襲い掛かる。
「チッ!そことそこ!」
背部のキャノンが両肩へとマウントされ火を噴く、連続で撃たれた閃光4本が2機のGFを串刺しの様に貫く・・・「ド~ン、ズド~ン!」と2機のGFが爆散する。
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「化け物か!くそっ!くそっ!」
もはや照準を合わせるでもなく乱射しながら後退するGF
しかし、全て回避されユウ機のガンブレードで切り裂かれた。
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「ド~ン」と爆発を背にユウは
「やられた!時間を掛けられすぎた。」
先ほどまで砲火を交わしていたGF同士が伴い、宙域から離れていっているのが確認できた。
「スピカ!ドラゴンノヴァの使用は!」
『無理~充填率40%、撃てないよ~』
『ユウ無事か?』
「ルーク、それに皆、無事だけど逃げられた。」
『最悪の予想がそのまま当たるとはね。』
『クリス先輩の言う通りなんだが・・・』
『今は言わない方が良いですわルーク。』
「・・・ふぅ~皆もお疲れ様。帰還するよ。」
『『『了解。』』』
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「カペラ!どう?索敵できる?」
カリーナが精霊である艦長のカペラへと尋ねる。
「無理ですね。方角は北ではなくアルテミス方面よ。」
「そう・・・あっ終わったみたい。戻るよ~」
「了解しました。進路反転!寄港する!」
するとカペラは、テキパキと操作して艦を反転させ帰路に就いた。
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フォーチュン内へと着艦したザーヴァは
「ふ~慣れない操縦席だと辛いな・・・」
「またまた~大尉に操縦でき無い機体なんてありませんぜ。」
そう言ってボトルをザーヴァへと投げる。
それは放物線を描かず、流れるようにザーヴァの下へと飛んでいく
ザーヴァはそれを掴み
「すまんな。んぐっんぐっ・・・はぁ、追っては?」
「ありません。ですが、連邦から投降した奴らがやられました。」
「うむ、見ていた。あれはしょうがない。相手が悪かった・・・」
「相手ですかい?」
「そうだ、竜殺し・・・白き守護者だ!」
「なっあの!あれが?連邦最強と呼び声が高い!」
「そう言う事だ・・・それに先ほどまでGAの艦につけられていたぞ?分からなかったのか?」
アデルの顔に驚きの表情がでる。
「本当ですか?いや・・・まさか・・・」
「追ってきたのはフォーチュンタイプの輸送艦の方だ。戦艦の方でなくてよかったよ・・・」
「それは・・・冗談ですよね?」
するとマデルが顔を出し話に割り込んできた。
「冗談なっかじゃない!射程8以上の索敵能力を持つものがいる。」
「射程8!!!8000メートル以上の索敵能力!?化け物ですかい兄貴?」
「フッ魔法使いさ、今回は彼らに敵対したわけじゃないから引いてくれただけさ・・・」
「要は見逃されたってことだアデル。」
アデルは大きなため息を吐き両手を上に上げて首を左右に振った・・・関わりたくないとそう思わせる相手であった。
(シェルド君・・・願わくば君と敵対しないことを祈るよ)
そう心で呟きながらザーヴァは上を見上げた。