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戦いの果てに~ユグドラシル戦記~  作者: あおい聖
02話 崩壊の足音
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04真相と襲撃

 ファームエレクトロニクスの工房の一室・・・装飾品は何もなく、あるのはテーブルと折り畳み椅子が数個の部屋でカリーナはテストパイロットを紹介されていた。


「こちらが1号機のテスト操者のギーツ君ね。」


 ネルビルから紹介されたギーツ(ザーヴァ)は


「よろしく。」


 短い言葉を発して手を差し出した。


「よろしく~カリーナよ。」


 カリーナが握り返した。


「ふ~ん、ギーツねぇ・・・まあいいわ、魔力や腕は問題ないだろうしね。」


 そう言って手を放し、部屋を後にした。


「ふ~これで一先ず良しとなるのかね?」


 ギーツは首を左右に振る


「多分気づかれた・・・」


「なっ何を冷静にしているね!きっ気づかれたって!」


 慌てるネルビルに


「慌てるな!彼女は貴方がどうなろうと気にしていない様子だ。」


「何っ!本当か!どこまで私をバカにすれば気が済むんだあの女は!」


 今度は怒り出し地団駄を踏むネルビルを無視して


「護衛のアデルと今後について打ち合わせてくる。」


 コホンと咳払いしたのちにネルビルは衣服を正し


「そうしたまえ、確実な方法でな。」


「フッ分かっているさ・・・」


(こいつは使えんな、精々道化を演じてくれ・・・データはあるんだ。貴様がいなくても我々は問題ないのだよ・・・)


 部屋を後にしたギーツを見送りネルビルは、一つだけ豪勢な椅子に座り


「フフフフ、まさか帝国の技術があれほど進んでいるとは予想外だがグフフフ・・・」


 不気味な笑いと共に1人ブツブツと何かを呟くのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・


 部屋を後にしたギーツは曲がり角で、人とぶつかりそうになり右へ避けるが、相手も左へ避けぶつかる。


「っつ~・・・大丈夫か少年。」


 ギーツは座り込んでいる少年に手を差し出す。


「ありがとうございます。貴方こそ大丈夫でしたか?」


 その手を取り起き上がる少年シェルドはそう口にする。


「ああ、悪いな少年。まさか避けられるとは思わなかった。」


「いえ、こちらこそ避けるとは思わなかったもので・・・大人は皆避けずにいますから。」


「フッそうなのだな・・・気を付けよう。」


「ん~・・・まぁ大丈夫かな。」


「何が大丈夫なのだ少年。」


「クス、あの娘は無事だよ。もっと魔術師には気を付けないとね。」


 ギーツの気配が凄みを増す


「ああ、警戒しなくとも、僕は今回の件に介入しないよ。」


 ギーツから戸惑いが見て取れ、警戒が下がる


「少年、参考までに、どこで気が付いたんだい?」


「握手さ。」


「なるほど・・・接触・・・直接接触すると、と言う事かな?」


「正解♪凄いや。」


「・・・今回のことは1つ貸かな?・・・いや彼女も含むと2つか・・・」


「やっぱり彼女を僕らに保護させるのも、目的だったわけか。」


「ああ、そうなるな。ああするしか彼女を救えなかったんでな。出来れば普通の生活を送ってもらいたいものだ・・・」


 昔を思い出したのかギーツの口端が吊り上がる


「自分では・・・ダメなんですか?」


「フッこれから・・・っと邪魔したな少年。」


「少年じゃありません。シェルド、シェルド・クルスです。」


「覚えておこうシェルド君。」


 ギーツは駆け出しその場を後にする。


(シェルド君、妹を頼んだ。)


 すると


【はい、任されました。】


 とシェルドの声が聞こえたような気がして立ち止まり振り返る・・・誰も居ない廊下が続いていた。


(フッ魔術師と言うより、魔法使いだな君は・・・)


・・・・・・・・・・・・・・・


 午後の宇宙テスト、セラフィム操縦席


「気密性・・・正常値・・・背部バーニア正常・・・バランサー・・・良好・・・凄いな。」


『凄いといっても、そのままじゃ帝国のGFヴァンパイアロードに劣るわよ。』


 通信機から聞こえるカリーナの声に反応して


「そうなのか?」


『そうなの。各種専用パーツの追加により、汎用性で超える設計だもの。』


「なるほど、武装やバーニアなど追加する余地が残されているわけか。」


『そうよ~凄いでしょ?』


「なぜ初めからそう言う装備をつけない?」


『それは~乙女の秘密ってことで・・・ね♪』


 加速していたのでかなりの距離を移動したようで、丁度警戒圏内ギリギリのところであった。すると不意に『ブーブー』と警戒音が鳴り響く


『どうした!何があった!』


 本部に同席していたエレクトロニクスの社員が叫ぶ


「レーダーに感・・・GF3・・・いや12・・・凄いな。」


『落ち着いている場合ではない!すぐに戻れ!』


「了解。しかしっと」


 セラフィムの横をエネルギーの閃光が通り過ぎる。


『どうした!』


「攻撃を受けた。?肩部バランサーに被弾、これでは速度が出せんな。」


『落ち着いている場合か!護衛部隊何している!』


『ハッ!アデル中尉の部隊が向かっています。』


『軍部に連絡!敵襲!我々は帝国の攻撃を受けていると!』


『まだわかってませんが、よろしいので?』


『ここで新型を奪われては、今後の戦局に影響するのだぞ!急げ!』


『ハッハイ!』


(フッ帝国と決めつけることで軍を動かすか・・・バカでは無いようだな。)


 けん制のためのエネルギーの閃光が襲撃してきたGFに向けて放たれる。


 上下に散開してそれを躱し、下に向かった部隊がアデル部隊の後方へと回り込む・・・

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