02使われる者たち
ユウ達はそれぞれの機体のテストを終えセイントキングダムへと向けて飛行を続けていた。
そんな中クルー全員がブリーフィングルームへと集められる
全員が席に着くとモニターにルオン少佐が映し出され
『息災で何よりだな。早速で悪いが用件だけ伝えよう。貴公らにはスピナスに救援に向かってもらいたい。腐敗していた南東連邦にあって唯一まともな者が納める場所だ。』
「我々のみですか少佐?」
ルオンの言葉にルークが確認を取る
『セリスでも編成が行われている・・・が!』
「間に合わないのですね。」
ユウが訊ねるとルオンは頷き
『そうだ。だが貴公らの他に2隻は送れることになっている。それまで何とか踏ん張ってもらいたい。』
「了解しました。」
ユウのその言葉に全員敬礼をしてこの任務を受けることが決定した。
またこの報告の中で全員の家族の安否が伝えられ
家族は全員無事に宇宙ステーションまで来ているとのことである。
・・・・・・・・・・・・・・・
アーマネスからスピナスに向かう反乱軍の船の中で兵士の1人がシードラに
「本当にスピナスに攻撃するのか?」
「仕方ないだろう?」
「くそっ!あそこの領主は困っていた俺たちに食料なんかを提供してくれたんだぞ!それも他の領主の批判に合いながらもだ!」
「分かっている!!!分かっているんだよ!」
ガンッと壁を叩く音がして
「くそ~!!!」
するとガクンという感じで船が止まり電機が消えた・・・
「どうした!」
「はっはい!エンジントラブルです!」
すると船の後方から煙が上がっていた・・・
周囲の者たちの視線が後方へと集中するとシードラは1人の兵士から何かを渡された・・・
「・・・修理を急がせろ!警戒厳に!」
そう告げてシードラが艦長席を立つと
「どちらへ?」
帝国軍から派遣されている士官が声を掛けてきた。
「トイレだ!トイレ!それとも一緒に来るか?」
すると帝国士官は左右に首を振り
「いえ・・・どうぞお1人で行ってきてください。」
シードラがトイレへ向かうと2人の帝国兵が付いて来た。
(家族を人質にとられていなければ・・・)
シードラがトイレの個室に入ると個室の前で帝国兵たちは立ち止まり、雑談を始めた・・・
「ふ~さっきは危なかったな。」
「そうだな、少尉は笑っていたけれど、俺は殺されるかと思ったぞ?」
「あ~そうだ聞いた話によるとほとんどの士官連中は首都のナイトメイツに行ってるって話じゃないか?」
「ああ、俺も聞いた戦力の大半をナイトメイツにつぎ込んでいるからアーマネス、シルドラの2つは帝国戦力が無いって話じゃね~か。」
「シッ!・・・聞かれてないみたいだな・・・」
「おいっ!ってことは?」
それから兵士たちは声を小さくして話していた。
ジャーと水が流れる音がしてシードラが個室から出てくる・・・
(おやっさん済まん。)
シードラが個室で確認したメモの切れ端には
「ある程度時間を稼いでやる。理由は整備不良ってことで口添えしてくれ。」
と書かれていた・・・
「終わったのか?」
兵士たちがシードラを連行しようと近づいてくる
「手~くらい洗わせてくれよ。」
そう言ってシードラは洗面台へ向かう
「さっさとしろ!」
手を洗いブリッジへ戻ると
「これはどういうことですかな?」
帝国士官が尋ねてくる。
「どういうこととは?」
「エンジントラブルの件です。まさかと思うが故意ではないだろうな?」
シードラは少し考え込んだフリをして
「あ~なんだ、貴官も知っているだろう南東連邦の腐敗の話は?」
「無論。」
そう言って帝国士官は頷く
「あいつら軍事費も横領してたんだよ。この船も騙し騙し使っている状態でな・・・」
「なるほど・・・それはお気の毒に・・・」
それを聞いた帝国士官の顔が少し青ざめた
(何ということだ・・・ナイトメイツから軍が来るまで戦力を減らせればいいと思っていたんだが・・・これでは命すら危ないではないか!)
航行が遅れたことによりスピナスと反乱軍との戦いは予定より3日遅れで始まる。
反乱軍の船3隻より12機のGFフェアリーが飛び立つ
対するスピナス軍はGFフェアリー12機、GFフェアリーMk2が8機出撃する
反乱軍の旗艦でそれを目撃した帝国軍士官は
「聞いていた戦力と違うではないか!どういうことだ!」
シードラへ詰め寄り胸倉を掴むと怒鳴り散らすと
シードラは掴まれた手を自らの手で掴み
「憶測で良ければ・・・」
と告げ
「構わん申せ!」
突き放されたシードラは乱れた上着を整え
「他の都市の防衛隊が逃げ込んだのだと俺は考えるが?」
帝国士官はハッと気が付いたような表情をして
「退け!このまま退け!」
するとシーメンが確認するように
「よろしいので?」
帝国士官は慌てた素振りで
「ええ~い、これでは命の方が危ないわ!」
するとシードラは声を張り上げ
「では、全軍撤退!信号弾を撃て!」
すると撤退を意味する物と違う信号弾が上がり
「何している!撤退信号だ!」
シードラの言葉に
「ハッ申し訳ありません!」
と謝りつつも振り返る時に口端を釣り上げたのを帝国士官たちは気が付かなかった。




