03支払った対価はあまりにも大きく
ユウ達との通信を終え、宇宙ステーションへと向かっていた艦隊の前に、無数の民間船が溢れかえった宇宙ステーションがあった。
『ルオン、ご苦労であった・・・』
宇宙ステーション司令ガントがモニターに打ちしだされそう告げるとルオンは
「これはどういう状態なのだ!ガントよ。」
少し考える仕草をしたガントが意を決したように語りだす。
『ムーンキングダムが落ちた・・・』
内容としては帝国艦隊による奇襲であり、その奇襲を行った部隊がGFセラフィム強奪事件にかかわった部隊で、紫電の異名を持つ操者が率いる部隊であった・・・
そして驚くべきことに多数の新型や北東連邦の部隊により、防衛に当たっていた部隊がことごとく裏をかかれ敗れていったという情報であった。
「すると奴らは、新型奪取が目的ではなく防衛に関する情報入手が任務であったのか?」
ルオンの言葉にガントが
『恐らくな、その途中で新型機の情報を掴み、脱出のついでに陽動もかねて奪って行ったのではないかと言う話だ・・・詳しいことは、脱出してきた者に直接聞くとよい。』
「・・・分かった。」
『それと、避難民なんだが・・・』
「着いたらそちらへ向かおう。避難してきた者たちの代表者を集めておいてくれ。」
『分かった。手配しておこう。それでは待っておるぞ。』
「ああ・・・」
そこで通信が切れた。
「まさか・・・このタイミングで・・・いや、予測されていたことだ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
ムーンキングダム司令部
「もぬけの殻だな・・・」
ザーヴァの言葉にアデルが
「そうですね。防衛もまるでこちらの動きを逆手に取るように市民を逃がしてやしたから・・・」
「フッ確かルーカスと言ったかここの指揮官は?」
「はい。」
「これはあくまで私の予測でしかないんだが、このような事態も事前に予測していたのだろう。そうでなければこうも手際よくできんよ。」
するとフリルが
「裏切者が居たのでは?」
そう言って北東連邦からザーヴァ隊へ配属された物を見る
「やめないかフリル、私の見立てでそれは無いと踏んでいる。そうであるならルオン艦隊が全艦衛星軌道宙域へ行くはずが無かろう?」
そしてザーヴァは北東連邦からの者たちへ向き
「すまなかったな。フリルの軽率な発言で、気を悪くした名であれば、済まない。許してくれ。」
そう言ってザーヴァは頭を下げた。
北東連邦からの者たちはその行動に驚き、またフリルは声を上げる。
「少佐が何も頭を下げることは・・・」
するとザーヴァは頭を上げ
「フリル、部下の不始末は上官である私の責任だ。ここは謝るのが筋であろう?」
するとアデルがフリルに
「であれば、そもそもの原因たる貴様も謝るべきであろう。命を預け共に戦う仲間を一時でも疑ったんだからな。」
その言葉にハッとなったフリルが北東連邦からの者たちに向き直り
「済まない!本当に疑って済まない!」
90度になろうというくらい深々と頭を下げたフリルに隊長の1人が
「頭を上げてくれ、確かに貴殿の発言に我々は不快に思った。」
「済まない。」
またフリルが謝罪を口にする。
「だが、ザーヴァ少佐が謝り、アデル中尉が『命を預け共に戦う仲間』そう言ってくれたことで、我々は救われたのだ・・・我々の得ていた帝国の情報では投降兵の扱いはひどいものだと聞いていたからな。」
フリルは顔を上げ
「それをしていたのは宰相派の連中!我ら皇帝派は!」
「そうだな。先のGA襲撃でも亡くなった者たちの家族への対応・・・あれは連邦より手厚く・・・うぐっ!」
見ると隊長はいつの間にか涙を流していた・・・そして
「我らはこれからもザーヴァ少佐のもと戦っていく!戦友として!命を預け共に戦う仲間として!なぁ皆!」
「「「「「「ハイっ!」」」」」」
見れば北東連邦からの者たちは皆涙を流しながら返事をしていた。
(俺はこんな奴らを疑ってたのか・・・少佐に救われた俺たちと同じじゃねぇ~か)
そして再びフリルは深々と頭を下げるのであった。
この出来事により、ザーヴァ隊はより一層連帯感が生まれたのであった。
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宇宙ステーションへ入港したルオンを出迎えたのは迎撃大隊の隊長ミルドアであった。
「ミルドア!貴様は無事だったのか!」
するとミルドアは
「申し訳ありません!ルーカス様の行方は・・・」
「聞いておる。しかし、その方が無事であったことが嬉しく思う。」
ルオンはミルドアの両手を握り、無事であったことを喜んだ・・・
「そうだ、ルオン少佐急ぎ会議室へ。」
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ミルドアに連れられて行った会議室へ入ると、まず飛び込んできたのが
「なぜ!中央と関係のない連邦のために動いたんだ!」
「どうして我らを守ってくれなかったんだ!」
そう辛らつな言葉が浴びせられた。
そんな中・・・黒髪、黒目の人族の男リョウマ・スメラギが声を上げる。
「黙らぬか!見苦しい、降下目標がたまたま北東、北西連邦であっただけであろう!あれが中央であったならどうするつもりだったのだ!」
怒鳴り声によりシーンと静まり返った。




