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戦いの果てに~ユグドラシル戦記~  作者: あおい聖
04話 ルーナ戦役
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02目覚め

 シーダが目を覚ますとそこは、白で統一された清潔感あふれる部屋であった。


 周囲を確認して、記憶の中から哀悼するであろう場所の名を口にする。


「病院?・・・」


 すると、扉が「プシュッ」と開き、少年が入って来た。


「あっ気が付いたんですね。何処か体に違和感とかありませんか?」


 その言葉に、今気が付いたとばかりにあちこち障りながな・・・


「どこも何ともない・・・ハッ!」


 布団に手を入れ下部を探る・・・


「ホッ・・・どこも違和感が無いですよ?」


 すると少年シェルドは


「クス、本当に?何処にも?違和感が無い?」


 と悪戯っぽく笑いながら再度確認の言葉を発する。


「何がそんなに可笑しいのよ!どこも問題ないわ!」


 声を荒げるシーダにシェルドは


「じゃあ質問を変えるね。君が僕に捕らえられて、5日が立っているけど大丈夫かな?」


「そう・・・あれから5日・・・え?5日?え?苦しくない?どうして・・・」


 すると胸にあったはずの物が無いことに気が付く


「無い!魔石が無い!どういうこと?ねぇどういうことなの?」


 するとベッドの隣の椅子にシェルドは座り、


「そう、君はもうMBではないってことだね。」


「それは、これを見ればわかるわ!」


 そう言って患者服の上をはだけ、素肌があらわになる。


「ちょちょっと!隠して!ねぇ隠して!」


 顔は愚か耳まで真っ赤にしてシーダの胸を指さし叫ぶ


「何を言っている?・・・きゃぁ~」


 勢いよくはだけた服を元に戻し、布団を胸の高さまで上げ


「なっなっ!何で下着をつけてないの?ねぇ?」


 まだ頬を赤く染めているシェルドは


「手術!魔石摘出手術をしたから!」


 その言葉にシーダの頬を一筋の雫が垂れると、今までせき止めていた思いと共に涙が滝のごとく流れる。


「私、私・・・たす・・・グス助かったの?・・・グスでも、捕まって・・・え?変だよ・・・私・・・帝国・・・グス帝国人だよ?・・・なぜ?何で?グス・・・グス・・・」


 泣き続けるシーダから顔を反らし、シーダが落ち着くのを待った。


「・・・もういいわよ。説明・・・してくれるんでしょ?」


「・・・」


「ちょっと!黙らないで!」


「あっえ~と、説明しにくいんだよね。取りあえずここはゲッカ、天魔領の月面都市ゲッカ。」


「そう、それで?私の扱いってどうなっているのかしら?」


「ん?普通に病人?」


「ちょっと疑問形で病人?なんていわないで、ちゃんと説明して!私、捕虜なの?」


「捕虜じゃないね。一応漂流者ってことになっている。」


「そう・・・それで、これから私はどうなるのかしら?」


「どうもしないよ?君の好きにすればいい。」


「・・・じゃあ帝国に戻りたいって言ったら?」


「ん~それは、やめた方がいいかな。紫電さんに迷惑がかかるし。」


「へ?大尉?・・・どうしてそこで大尉の名前が出てくるんですか?」


「ん?そうか・・・あっちは秘密にしているっぽいから・・・」


 小声でボソボソと何か言っている様にしか聞こえなかったシーダは


「聞こえないわ!はっきり言って!」


「そうだね。詳しくは僕も分からないけど、彼は君や、君と同類の者たちを助けたかったみたいだね。」


「まるで合って来たみたいね。」


「うん。あったよ。その時に直接ではないけど、そんな言葉を匂わせたからね。」


「何で、貴方なんかを大尉が信用するのよ?」


「ん?1年くらい前に彼とはドラゴンを相手に一緒に戦っているし、その後、軽くだけど会話もしているからね。」


 1年前・・・ドラゴン・・・会話の3つの言葉からシーダは


(確かあの時大尉はなんて言ったっけ?・・・そう、そうよ!)


「・・・魔法使い!中連の白き守護者より凄い少年が居たって言っていた・・・まさか!貴方が?・・・うそ?本当に?」


「・・・確かに紫電さんは僕のことをそう呼んでいたけど・・・」


 するとシーダが突然、申し訳なさそうな顔で


「ごめんなさい!」


 と頭を下げてきた。


「え?どうして謝るのかな?僕は君に謝られることされたかな?」


「・・・した。ムーンキングダムの公園で・・・」


「ん?・・・あ~あれの事?全然気にしてないよ?寧ろ僕の方が、投げて踏みつけたから・・・ごめん。」


 2人は暫く見つめ合い・・・クスっとどちらともなく笑い出した。


「じゃあ、お互い悪かったということで、僕はシェルド、シェルド・クルス。」


 手を差し伸べるとシーダはその手を握り


「シーダ、シーダ・ベルゼ・・・よろしく・・・」


 照れたように頬を染め呟くシーダは、とても可愛らしくシェルドも頬を染めながら


「こっこちらこそよろしく。」


 それから、好きな食べ物は何?から始まって、学校の話になるとシーダが


「・・・行って見たいな・・・なっ何でもない。」


「行くだけでいいの?通いたいなら、通えるようにしようか?」


「ほんと!出来るの?行きたい!通いたい!」


「分かった。母さんに頼んでみる。それで、シーダっていくつなの?」


「ん?歳?それなら16よ。」


「・・・年上なんですね。」


「ちょっといきなり言葉遣い変えるのやめてよね。さっきみたいな話し方でいいわよ。」

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