02目覚め
シーダが目を覚ますとそこは、白で統一された清潔感あふれる部屋であった。
周囲を確認して、記憶の中から哀悼するであろう場所の名を口にする。
「病院?・・・」
すると、扉が「プシュッ」と開き、少年が入って来た。
「あっ気が付いたんですね。何処か体に違和感とかありませんか?」
その言葉に、今気が付いたとばかりにあちこち障りながな・・・
「どこも何ともない・・・ハッ!」
布団に手を入れ下部を探る・・・
「ホッ・・・どこも違和感が無いですよ?」
すると少年シェルドは
「クス、本当に?何処にも?違和感が無い?」
と悪戯っぽく笑いながら再度確認の言葉を発する。
「何がそんなに可笑しいのよ!どこも問題ないわ!」
声を荒げるシーダにシェルドは
「じゃあ質問を変えるね。君が僕に捕らえられて、5日が立っているけど大丈夫かな?」
「そう・・・あれから5日・・・え?5日?え?苦しくない?どうして・・・」
すると胸にあったはずの物が無いことに気が付く
「無い!魔石が無い!どういうこと?ねぇどういうことなの?」
するとベッドの隣の椅子にシェルドは座り、
「そう、君はもうMBではないってことだね。」
「それは、これを見ればわかるわ!」
そう言って患者服の上をはだけ、素肌があらわになる。
「ちょちょっと!隠して!ねぇ隠して!」
顔は愚か耳まで真っ赤にしてシーダの胸を指さし叫ぶ
「何を言っている?・・・きゃぁ~」
勢いよくはだけた服を元に戻し、布団を胸の高さまで上げ
「なっなっ!何で下着をつけてないの?ねぇ?」
まだ頬を赤く染めているシェルドは
「手術!魔石摘出手術をしたから!」
その言葉にシーダの頬を一筋の雫が垂れると、今までせき止めていた思いと共に涙が滝のごとく流れる。
「私、私・・・たす・・・グス助かったの?・・・グスでも、捕まって・・・え?変だよ・・・私・・・帝国・・・グス帝国人だよ?・・・なぜ?何で?グス・・・グス・・・」
泣き続けるシーダから顔を反らし、シーダが落ち着くのを待った。
「・・・もういいわよ。説明・・・してくれるんでしょ?」
「・・・」
「ちょっと!黙らないで!」
「あっえ~と、説明しにくいんだよね。取りあえずここはゲッカ、天魔領の月面都市ゲッカ。」
「そう、それで?私の扱いってどうなっているのかしら?」
「ん?普通に病人?」
「ちょっと疑問形で病人?なんていわないで、ちゃんと説明して!私、捕虜なの?」
「捕虜じゃないね。一応漂流者ってことになっている。」
「そう・・・それで、これから私はどうなるのかしら?」
「どうもしないよ?君の好きにすればいい。」
「・・・じゃあ帝国に戻りたいって言ったら?」
「ん~それは、やめた方がいいかな。紫電さんに迷惑がかかるし。」
「へ?大尉?・・・どうしてそこで大尉の名前が出てくるんですか?」
「ん?そうか・・・あっちは秘密にしているっぽいから・・・」
小声でボソボソと何か言っている様にしか聞こえなかったシーダは
「聞こえないわ!はっきり言って!」
「そうだね。詳しくは僕も分からないけど、彼は君や、君と同類の者たちを助けたかったみたいだね。」
「まるで合って来たみたいね。」
「うん。あったよ。その時に直接ではないけど、そんな言葉を匂わせたからね。」
「何で、貴方なんかを大尉が信用するのよ?」
「ん?1年くらい前に彼とはドラゴンを相手に一緒に戦っているし、その後、軽くだけど会話もしているからね。」
1年前・・・ドラゴン・・・会話の3つの言葉からシーダは
(確かあの時大尉はなんて言ったっけ?・・・そう、そうよ!)
「・・・魔法使い!中連の白き守護者より凄い少年が居たって言っていた・・・まさか!貴方が?・・・うそ?本当に?」
「・・・確かに紫電さんは僕のことをそう呼んでいたけど・・・」
するとシーダが突然、申し訳なさそうな顔で
「ごめんなさい!」
と頭を下げてきた。
「え?どうして謝るのかな?僕は君に謝られることされたかな?」
「・・・した。ムーンキングダムの公園で・・・」
「ん?・・・あ~あれの事?全然気にしてないよ?寧ろ僕の方が、投げて踏みつけたから・・・ごめん。」
2人は暫く見つめ合い・・・クスっとどちらともなく笑い出した。
「じゃあ、お互い悪かったということで、僕はシェルド、シェルド・クルス。」
手を差し伸べるとシーダはその手を握り
「シーダ、シーダ・ベルゼ・・・よろしく・・・」
照れたように頬を染め呟くシーダは、とても可愛らしくシェルドも頬を染めながら
「こっこちらこそよろしく。」
それから、好きな食べ物は何?から始まって、学校の話になるとシーダが
「・・・行って見たいな・・・なっ何でもない。」
「行くだけでいいの?通いたいなら、通えるようにしようか?」
「ほんと!出来るの?行きたい!通いたい!」
「分かった。母さんに頼んでみる。それで、シーダっていくつなの?」
「ん?歳?それなら16よ。」
「・・・年上なんですね。」
「ちょっといきなり言葉遣い変えるのやめてよね。さっきみたいな話し方でいいわよ。」




