03プロトワン
16年前、私はバルガス帝国の有力貴族の娘として生まれた。父様は聡明でとても優しく国民から慕われていた。そして国民は宇宙開発の遅れていたと思われていたこの国は、連邦に再加入するべきとした父様の派閥と、連邦に戦争を仕掛けて技術を奪えばいいといった叔父様の派閥の2つに分かれ政治的に争っていた。
そして私が10歳の誕生日を迎えたあの日・・・父様は帰宅の途中で暗殺されてしまった。纏め役であった父様の死で求心力を失い、叔父様の息のかかった者たちが役職に就き、もはやこの国は戦争に向かって歩み始めた。
父様が殺されて2年がたったそんなある日・・・今度は母様が亡くなった・・・自殺である。父様が亡くなってから、執拗に叔父様からの嫌がらせを受け、母様は心の病に陥った・・・それに耐えられなくなって・・・である。
身寄りのなくなった私は、叔父様に連れられ、軍の非合法研究機関に送られた。そして人体実験を受け、≪MB≫と呼ばれる人工的に≪超越者≫を作る研究の犠牲となった。
≪超越者≫
魔力が15を超える者。それによりGFの操作のみに止まらずに、魔石の力を引き出し魔導エンジンを活性化させ、GFの性能を飛躍的に上げる者。あるいは≪魔術師≫と呼ばれ、魔術を少し使える者も世界に数名いる・・・
≪MB≫
マジカルブースターの略。人工的に超越者を作り出すために、その身に魔石を埋め込まれた者。動物での実験では飛躍的に魔力が上がるが、体にかかる負担は壮絶なもので周期的に激痛にさいなまれ、その激痛に耐えられなくなり発狂して、死に至る不完全な技術であった。そんな技術の初期成功例が100人中6人であり、今現在も生きているのはシーダのみである。
現在は初期成功例を基に、より安全に魔石を埋め込む技術が生み出され、第二世代が9人いる。第三世代は数十名いるとされている。
そして2年半前、連邦の技術者の家族を攫って人質に取り、技術者をこの国に亡命させGFの開発を強要した。その技術者が作ったのがGFミノタウロスである。GFミノタウロスは上級GFでありながら魔力のない者にも操作を可能にした画期的な機体であり、大量に配備して連邦との戦争が勃発したのが1年前となる。
私や他の5人はMB専用に改修されたGF≪ヴァンパイアロード≫を駆り戦場を駆け抜けた。
私たちは北東連邦の宇宙都市アルテミスに命令の下、攻撃を仕掛けた。北東連邦は豊富な資源を基に独自の中級GFであるGF≪タムリン≫、GF≪ジャンバ≫、GF≪イクティニ≫と量産しており、隊長機にGFイクティニ、GFジャンバ2機が1小隊として5小隊、GFジャンバを隊長機にして、GFタムリン2機を1小隊とした10小隊。計45機のGFが配備されていた。
本隊が来るまでシーダ(プロトワン)、クルト(プロトツウ)、リンク(プロトスリー)の3人が基地に対してゲリラ戦を繰り返す。
エレノア(プロトフォー)、ソンブ(プロトファイブ)、ロスト(プロトシックス)の3人が補給艦を襲った戦いを繰り広げた。
その結果敵小隊を5つ撃破して、こちらはリンク機が宇宙に散った。
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南北から本体が到着すると、総攻撃が行われようとしていた艦内で、
「プロトシックス!貴様は敵に情けを掛けたな!」
と眼鏡を掛けた白衣の研究員アルファが怒鳴り散らした。
「しかし・・・」
とロストが反論しようとすると「バキッ!」と研究員に警棒で殴られた。
「貴様がそんなんだからプロトスリーが落とされたのだ!いいか敵に情けなど掛けるな!貴様らは、ただ敵を討てばよいのだ! そしてこれは見せしめだ!」
そう言うと研究員はロストを「バキッ!」「ガキッ!」「ボキッ!」と何回も何回も警棒で殴りつけた。
「ごめんなさい!すいません!もうしません!」
殴られながらロストは謝り、研究員に許しを求めたが、その声は次第に小さくなり・・・ぐったりして、息を引き取った・・・
私たちは、それを怯えながら黙って見ていることしかできなかった。
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GFヴァンパイアロード内で、私は恐怖で1人気づかれ無いように泣いていた・・・
「ヒック!ヒック!」
そこへ突然
『プロトワン!出撃だ!泣いているひまなどない!貴様は単独で出撃だ!1小隊落とせ!いいな!命令だ!』
「ブチン!」と通信は一方的に切られた・・・それから泣いたままの私はカタパルトへ・・・強制的に射出された。
勢いよく飛び出すGFヴァンパイアロード
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
私は1人、敵小隊の前へと突っ込んでいく
「いやぁぁぁ!死にたくない!死にたくない!」
そう叫びながら私は引き金を引く
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突如として接近してきた漆黒のGFより放たれたEバルカンにより、味方のGFタムリンが打ち抜かれ無数に装甲に穴が開き・・・「ド~ン!」と撃墜される。
「このやろ~よくも!よくもやりやがったな~!」
小隊長が乗るGFジャンバはEバスターを構えると・・・目の前にEクローMk2の爪が迫っていた。
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