01日常
本日2話UPします。
魔導歴2015年夏の1月、月面にある中央連邦の都市ムーンキングダムにある≪ムーンキングダム高等技術士官学校≫の1年の教室、教卓で痩せたエルフの頼りなさそうな男のイルム先生がタブレット端末を持ち読み上げ、生徒12人、皆が静かにイルム先生の言葉を聞いている中、
「あち~何も夏の1月だからって、設定温度まで上げなくてもいいだろうに。」
一番後ろの窓際の席で手で仰ぎながら狼の耳を頭に生やした獣人族の凛々しい少年ルーク・カイゼルが呟いた。
「コホン!」
イルム先生が咳ばらいをして注意する。
「ルークお静かにした方がよろしいですわ。」
隣の席の淡い緑髪の長い、それでいてエルフ族の中では・・・いや他種族も羨む胸の大きなエルフの女性サリア・ルーレットが注意する。彼女はルークのお目付け役・・・もとい彼女でもある。が小声で注意する。
「こんなに暑いのにもう分り切っている歴史の授業を受けてもな。」
普段は真面目なルークが愚痴を漏らす。
「ルーク候補生!」
「ハッ!」
イルム先生に注意されたルークはその場で立ち上がり、胸の前に腕が来るようにして、それでいて拳を握る軍の敬礼をした。
「分かっているというのであれば、魔導歴1915年からのGF≪ガンドフレーム≫に関する物を54年まで上げよ。」
パネルを見ずに少しの間、目を伏せ考える仕草をした後に、目を開き
「魔導歴1915年にクリスト・ファーム博士により発表されたゴーレムの技術を発展させたガンドフレーム、通称GF。初めて開発されたGFゴレフはゴーレムに人が乗る操縦席を設け魔力によるエネルギー状の弾丸を打ち出すEバルカンを装備しただけの簡素なものでした。しかしながらそれまで巨大化した魔物に有効な手段を持ちえなかった人類に希望を与える者でした。良く月にはビット型のゴーレムをベースとしたGFフェアリーが発表され、その機動性を活かし立体的に魔物と戦うことが出来るようになります。しかしそれでも魔物の上位種や変異種などには対抗することが出来ずにいたと記録されています。」
そこまで淡々と読み上げたルークにイルム先生は頷き
「うん、しっかりと理解しているようですね。続けてください。」
「ハッ、そこで急務となったのが上位種に対抗できるGFの開発・・・そして1年の歳月を経てGFナイトが開発されました。GFナイトはガーディアンをベースに開発された機体で、接近戦用にEサーベル、射撃戦用にEライフルを装備して、更に魔物の攻撃を防ぐためにシールドが装備されました。出力も向上したGFナイトは上位種すら上回る性能で、これまで魔物の占領下にあった都市の奪還に大いに貢献したと記録されています。」
「うん、うん。」
気をよくしたイルム先生は
「そこまで、続きをユウ候補生。」
ルークは「ふぅ」とため息をつき座ると、人族の女性的な顔立ちの少年ユウ・キサラギが立ち上がり
「ハッ、そこから防衛を考えた首脳陣により防御に特化した機体GFファランクスが開発され、これにより人々は安定した平穏を手にするかと思われた時、魔導歴1930年ドラゴンが突如南西大陸に現れます。その力は強大でGFナイトの攻撃は通じず、GFファランクスの大型シールドすら紙くずのごとくに焼き払うブレス・・・人々は再び恐怖する中、北西大陸にあるテンマ国、ゴーレム技術のもっとも発達していたこの国が、それまで培われていたGF技術の推移を集結して開発された機体GFエンジェル。この機体の大きな特徴は、エネルギーをバリア状に展開させ防御できる点とサーベルより高出力に設計されたブレード、更にそのブレードにライフル機能をつけ出来上がったガンブレード、この機体を投入することにより辛くもドラゴンを打ち取った人類は、競ってGF開発に着手することにより魔導歴1954年までにビースガルド王国が通常の1.5倍の大きさの機体GFファングウルフ、デモニクス帝国が砲撃戦用の機体GFデーモンを開発するまでに至りました。この頃からGFに格付けがなされ、GFゴレフ、GFフェアリーが低級、GFナイト、GFファランクスが中級、GFエンジェル、GFファングウルフ、GFデーモンが上級と一途蹴られる形になりました。」
「よし、座ってよろしい。」
ユウが座るのを確認してイルム先生は
「補足するとこの時に国々は協力することの重要性に気づき、ギルドが中心となって世界連邦が樹立される。世界連邦でまず話し合われたのが安全な生活圏です。その有力候補が宇宙となります。地上も危ない、空も海もダメとなった会議でバルガスト自治区の議長が空の先宇宙はどうだ?という提案からですね。そしてGFも宇宙空間への対応が迫られたのです。」
すると青白いショートヘアの胸が控えめの美少女、人族のレイカ・ルイニスが手を上げ
「先生よろしいでしょうか?」
「何だねレイカ候補生。」
「はい。宇宙空間の状況はどうやって調べたのでしょうか?」
イルム先生は頷き
「良い質問ですね。データによればバハムート、リバイアサンと言った古代の魔導船を使ったと有ります。」




