決意のきっかけ
見切り発車ですがよろしくお願いします。
レオンの家はとても貧しかった。
何とか生きていくために日銭を稼ぐ毎日。
レオンには愛する妹ーーミシェルがいた。"今は"たった一人の家族だ。父親は俺が物心つく頃には居なかった。母さんには病気で死んだと聞かされていた。その母さんは二年前に働き過ぎの過労で死んだ。俺ら兄妹に弱音を吐かず、「辛くて苦しい時こそ笑顔!」が口癖の優しい母さんだったんだ。
母さんを看取った時、俺は涙が止まらなかった。呼吸が浅くなり俺の手を握る力が次第に弱々しくなる様を見て、母さんに迫る死を明確に感じていたからだ。日銭を稼ぐので精一杯な家に医者を呼ぶ金は無く、ただこうして手を握る事しか出来ない自分の力の無さを呪った。当時3歳だった妹は自分の母親が死んだという事実を理解できていないようで「お母さん寝てるの?」と母さんに話し掛けていた。
母さんの亡骸は家の裏に簡易な墓を作り埋めた。墓と言っても、木片を立てて野山から摘んできた群青色の名前も知らない花を添えただけの粗末な物だ。
ちゃんとした墓を建てられない事に申し訳無さを母さんに感じる
ふいに吹いた風が俺の頬を撫でる。まるで俺を慰めている様に思えて苦笑する。
母さん墓の前で俺は誓う。必ずミシェルは守るから。だから安らかに眠ってくれよ、母さん。
その為には力がいる。大切な人を守り続けられる、他者を圧倒する力が。俺はこの日ーーー決意する。




