まさかの生徒会長!?
俺たちは教室に着いて、いつもの席に座る。
「「「「「「・・・・・・。」」」」」」
しばしの間、沈黙が流れる
「あ、あの・・・。」
その最初に喋ったのは飯田さんだ
「あ、あの。わ、私が邪魔で・・・迷惑を、かけたな、ら。わ、私!生徒会やめます・・・。」
飯田さんは顔を上げたり、下げたりしながら話した
「「違う(よ)———」」
俺と泉が喋った。
「あっ、ごめんね」
「ああ、すまん。俺、先に話して良いか?」
「う、うん」
「ありがとう。えーと、飯田さん、さっきの言葉は間違ってる。」
俺は真っ直ぐ飯田さんの目を見ながら言う
「確かに飯田さんは人見知りが激しくて、色々と駄目な部分もある。だけど、さっきのはあの生徒会長が悪いと思う。」
「で、でも・・・。私のせいで、あんな、事に・・・。」
「そうだな。けど、あの人は・・・。聞いただろ?あの人は俺たちの、いや、自分以外の人を道具扱いしてるんだ。自分だけのために・・・」
その言葉にみんな下を向く
「つまり、さっきのは飯田さんは悪くはない。俺はそう思うぞ」
「うん、私もだよ。だって、あかりんはとっても優しい子だもん」
飯田さんは俺と泉の言葉に小さくありがとうと言った
「で、豊美さん。」
「はい、言いたいことは分かっています」
俺は豊美さんの方を向き、豊美さんに話しかける
「あの時、何故俺を止めたのですか?」
「はい、理由は色々とあります。まず、生徒会長は先生よりも偉いと思った方が良いです。」
「先生より偉い?」
どういう事だ?
生徒会長といっても、先生は先生で、生徒会長は生徒だ。なのに、生徒会長の方が偉いだと?
「はい。えーと、生徒会長の事を説明した事がありませんでしたよね。今から説明します」
豊美さんは教卓に立ち、生徒会長について話してくれた
「えー、まずこの学校にとっては生徒会長はほとんど上の存在です。生徒会長より下なのは校長と理事長ぐらいでしょう。大体、教頭先生と同じぐらいでしょうか?で、今日、私が一番恐れたのが、退学させる事です。生徒会長は不良生徒を退学させる事が出来ます。生徒会長にがこいつは学校に要らないと思ったら、その生徒がした、退学理由を書いて提出するだけで退学させる事が出来ます。他にも色々あった————————」
その後、豊美さんは長々と生徒会長の事を説明してくれた。
そういえば、豊美さんは説明が長いのだった・・・。
そのキャラは無くなった物だと思ったのだが・・・。
「なるほど、それで俺をかばって出て来たと・・・。」
「はい。」
「でも、あんな事を言われたら———」
「退学をしても、どうなっても良いと言いたいのですか?それは今、一番言ってはいけない事なのに言おうとしました?」
「っ、いえ、もういいです」
確かに、飯田さんの為に俺が退学、それ以外の事でも何か罰を与えられたら、元も子もなくなるだろう。
俺だけがスッキリするだけで、飯田さんは?残された四人は?
くっ、絶対に許さない・・・。
そう思う事しか出来ない・・・。
「とりあえず、今日は帰りましょう」
豊美さんの言葉で俺たちは家に帰った。




