まさかの野郎!?
「いやさ、本当にやる気あるの?」
「は、はい。勿論で、す」
飯田さんは下を向きながら答える。
それにまたイラついたのか、さらに声を荒げて話す
「だったら、もう少しはっきり喋ったら」
「す、すいません!」
こ、怖い・・・。
豊美さんの時は助けた泉も話に入る事に怖がっている
「あ、あの・・・」
俺は勇気を出し、生徒会長に話しかける
「何?一上君だっけ?人の話に割り込むってどういうつもり?」
「あ、いえ。ちょっと、飯田さんが・・・」
俺は視線を飯田さんに向ける
「はい?君は何が言いたいの」
「えっと、飯田さんはあまり人と話すのが上手じゃなくって、こういう話し方なんです。」
「で?何が言いたいかはっきりしてくれない?」
「あっ、はい。だから、飯田さんは俺たちのちゃんとした仲間なのに、そういう事言われると、俺たちも嫌って言うか・・・」
こ、こえぇ~!!
お、俺は一体何してるの!?
「ちっ、何が仲間だよ。生徒会長以外は俺を持ち上げるために必要な土台と一緒なんだよ」
「土台?」
「ああ、土台。簡単に言えば使えそうな物を集めただけ・・・。なあ」
先輩は後ろを向きながら言う
「「「「「はい・・・」」」」」
五人の先輩が答えたあと、俺を方を向き「なあ、言っただろ」と言った
最低だな・・・。
「す、すいません」
豊美さんはソファーから立ち上がり俺の方に来た
「えっと、副会長の一上が失礼な事を言いました」
「と、豊美さん?」
豊美さんは俺の横で頭を下げる
「竜も頭を下げて下さい」
「で、でも・・・」
「お願いです」
「す、すいません、でした」
納得がいかない。
豊美さんもこういうのは嫌いなくせに、どうしてこっちが頭を下げるんだよっ!
頭を下げるのは、この先輩が飯田さんにだろ!
「はは、ちゃんと学年生徒会長さんはわかってるな。」
くっ、何でこんな奴が生徒会長だよ。嫌いだ・・・俺はこいつが嫌いだ!
俺は顔を上げようとしたら、豊美さんに止められた
「竜、気持ちは痛いほど分かりますが、今は我慢を」
豊美さんは俺にだけ聞こえるように喋った
「な、何でですか」
「理由はあとで話します、なのでどうか今は我慢を」
「・・・っ」
俺は豊美さんに言われた通りに我慢した。
「はっ、もういい。時間の無駄だ。出て行って」
その言葉に俺と豊美さんは顔を上げる
もしかしたら、俺はこの時、先輩を睨んでいたかもしれないが、知るか!
ああ!つくづく嫌な思いだ!
「し、失礼しました」
俺たちは生徒会室から出た後、教室に戻るまで一言も話さなかった。
ただ、暗い空気だけが流れていた。
 




