まさかのお姉さん!?
「おはようございますー」
朝、登校すると今にも死にそうな目をしている襠田さんがいた
「どうしました?」
「ははは、最近寝不足が続いていましたから」
そう言う襠田さんの目の下には凄いくまがあった
「気を付けて下さいね」
「はい・・・」
俺も今、毎日桜の勉強を見ているため疲れてはいるが、襠田さんの疲れは本当にひどい
「あ、今日の放課後に、また教室に残っていて下さい」
「了解です。」
「あとは泉さんたちにも・・・」
襠田さんはフラフラしながら教室を出ていこうとした
「だ、大丈夫です!俺が行くので寝ててください」
「ありがとうございます」
俺はさっき、一緒に登校した桜のクラスに向かった
そういえば、いつもの襠田さんの棘が全くなかった
「おお、一上君ではないか!」
廊下を歩いていると、全く知らない人に呼ばれた
この名札の色は二年生の先輩だな。しかも女の人だ・・・
「?」
「ははっ、君は僕に会うのは初めてだったな」
謎の女の人は、俺を見てニッと笑った
僕っ子だ・・・初めて見た
「初めましてだな、僕の名前は襠田紗那と言う」
うん?
今、襠田って言った?
「えーと、襠田って・・・」
「うむ、豊美の姉である。いつも妹がお世話になっておる」
襠田さんのお姉さん?
「嘘つけー!」
こんな人が襠田さんのお姉さんの訳がない!
襠田さんは、毒舌で、人の事を考えず、無茶苦茶だけど意外としっかりしている人だぞ!
こんな、何もかも出来なさそうで、アニメに出てくる妹を困らせるような姉な訳がない!
まず、襠田さんからお姉さんが居るって聞いた事がない
「ははは!流石だ一上君!」
「何がですか?」
「先輩に向かって、そのタメ口、さらにその目つき。まさにバカだな!ははっ」
あっ、お姉さんかも・・・。
「すいません。えっと、襠田さんのお姉さん?襠田先輩?グフッ!」
ヤバい、襠田先輩は・・・。
「何をプルプルと震えておる?産まれたての子馬か小鹿か?馬鹿だけに」
・・・。はい?
「ははっ!僕ながら上手いな!」
「どこがだよっ!」
「むっ、そうか・・・。残念だ」
「まぁ、紗那先輩でも紗那さんでも良いぞ」
「あっ、分かりました」
個性の強い人がまた出てきたな
「でだ、最近豊美が色々と夜遅くまでやっているのだが、知らないか?」
「詳しい事は分かりませんが、多分学年生徒会の仕事だと思います」
襠田さんは家族にも心配をかけさせているのか・・・
「む、豊美は学年生徒会に入っているのか」
「はい、知りませんでした?」
「うむ、分かった。母上に報告しておく。ありがとな一上君」
「はい」
「では!」
紗那さんはそのままどこかに行ってしまったので、俺は予定通りに桜のクラスに向かった




