まさかの覚悟!?
「ただいまー」
「おかえりー」
家に帰ってくるとリビングから母さんの声がした
「靴脱いで、上がってくれ」
「ただいまー」
そう言うと泉は自分の家のように靴を脱ぎリビングに走って行った
本当にアイツは・・・
「泉ちゃんは本当に竜ちゃんの家に慣れているんだね」
「うん?まぁ、そうだな」
確かにリビングから母さんの『あっ、泉ちゃん。おかえりなさい』と言う声が聞こえてくる。
泉が俺の家に居るのって当たり前の様なものだしな・・・。逆に和み過ぎだけどな
「まぁ、早く上がれよ」
「うん、お邪魔します」
俺たちは泉を連れ戻すためリビングに入る
「おい、勉強するために俺の家に来たんだろうが。早く俺の部屋に行くぞ」
「うん!」
泉は俺の方にパタパタと来た
「あっ、お兄ちゃんがまた違う女の人を連れて来てる」
ソファーに座ってテレビを見ていた秋が桜を見ながら言う。
違う女の人って、言い方が悪いぞ秋。
それに、俺が一番好きなのはお前だぞ。
俺は秋を見ながらウィンクしたら、汚物を見るような目で舌打ちをされた。ひどい・・・
「あっ、こ、こここんにちはっ!」
秋に言われた桜が飛び出して来た。
緊張しすぎだろ。こいつ
「あら?竜が泉ちゃん以外の女の子を家に連れて来るなんて、珍しいわね。そう言えばこの前のお泊り会も泉ちゃんとは違う女の子の声が・・・。もしかしてモテ期来た?」
「んな訳ねーだろ。襠田さんは言えば無理やり俺の家に来たし、こいつは・・・」
俺は桜に目をやると意を決したように俺の前に出た
「板橋 桜です。輝幼稚園の時の友達と言うか・・・」
「あっ!桜ちゃん?久しぶりね~。元気だった?」
母さんが思っていたのと違う反応だったのか桜は目を丸くして固まっていたが直ぐに動き出した
「あっ、はい!元気でした」
「良かったー。本当に久しぶりね。大きくなったね」
「おい、母さん。ババ臭い事を言うな」
本当におばあちゃんみたいな事を言うな。
まぁ、仕方がない。もう母さんは4〇歳だからな
「あ、あの・・・」
「どうしたの?」
多分だが桜はあの事を言うのだろう。
「その・・・。幼稚園の時の交通事故の時は本当にすいませんでした!」
桜は凄い勢いで頭を下げた。
それを俺に止めることが出来ない。だって桜は本気の覚悟をして謝っているんだぜ
「あぁ、そんな事もあったわね。竜が許したなら大丈夫よ。」
「えっ?」
「大丈夫だってよ。俺も許しているしな」
この三人の会話に泉と秋は黙って見ている。
「あ、ありがとうございます!」
「良いわよ、そんな昔の事」
顔を上げた桜の顔をはとてもスッキリしているように見えた。
「じゃあ、早く勉強すんぞ」
「はーい」
「うん!」
俺たちは部屋を出ようとする
「竜!」
「うん?何?」
「晩ご飯は桜ちゃん達の分も作るから、出来たら呼ぶわ」
「りょーかい」
後ろを見ると喜んでいる泉と、申し訳なさそうな桜の姿が目に映った
「じゃ、部屋に行くぞ」
俺たちは上に行って俺の部屋に入った




