まさかの現実逃避!?
う、うーん。
何?何が起こったの?
いきなりの事で真っ白になっていた視界がようやく戻り周りを見た。
そこには、驚いている大人の人の顔。壁にぶつかり車体がへっこんでいる車。
「りゅ、竜ちゃん!」
そして、車に跳ねられ血が大量に出てる竜ちゃんの姿があった
「竜ちゃん!起きてよ。竜ちゃん!」
うわああぁぁ!
桜が悪いんだ!信号無視をした桜が!
なのにどうして竜ちゃんが・・・。
「君!そこは危ないから離れなさい。」
大人の人がこっちに来て、一生懸命に桜を離れさそうとする
「嫌だ!桜は竜ちゃんの所に居る!」
「くっ、ほら。ね?」
気遣いが逆に毒だった。竜ちゃんはずっと待ってるのに元気な笑顔を見せてくれない。
どうして?
「竜ちゃん、どうしたの?」
身体を揺らすが起きてくれない。
「ちょっと、君!」
「どうしたのですか?」
この人はどうして慌てているの?
急いで道端で寝ている竜ちゃんを連れて帰らないと。
「ほら、起きて竜ちゃん。帰るよ」
頬を叩いたり、身体を揺らすが起きてくれない。
「君!やめなさい!」
大人の人に手を掴まれた。
「な、何ですか。」
大人の人は首を振っていた。
「竜ちゃん、早く帰ろうよ。恐いよ」
「・・・・・・。」
「早く起きてよ!」
叫んだその瞬間大人の人に肩を掴まれた。
「ひぃっ」
「目を見なさい」
大人の人に目を見るように言われ目を睨みながら見る
「今、君の友達はどうなっている?」
「寝てる」
「どうして?」
「分からない」
何が言いたいのだろうか?
「この子はね、車に跳ねられて意識が無くなってるんだ。だから今は救急車を待ってる」
「違う!竜ちゃんは今も元気なの!」
「前を見なさい!」
竜ちゃんが血を出し、倒れている。
顔も青くなってきている。
「うわああぁぁん。ぅうえぇん」
盛大に泣いた。涙で前が見えなくなるぐらい。
「大丈夫。絶対に助かるから」
今日はじめて会った人に優しく撫でられながら救急車を待った。
しばらくすると救急車が来た。
状況説明のため桜も病院に向かう事になり、病院の電話を借り、竜ちゃんの家、桜の家に電話をかけた。




