まさかのあなたが!?
「「・・・・・・。」」
女性店員が去ってから約10分たったが話し掛ける事が出来ない。
「「・・・・・・。」」
これは俺から頑張るしか無さそうだな
「「あの・・・」」
見事にかぶった!
「「ご、ごめん」」
「「あっ、いやこっちは別に・・・。」」
何で発言がこんなに一緒になるんだよ!
仕方がない板橋さんの話を先に話してもらうか
「じゃ、じゃあ板橋さんが先に」「じゃ、じゃあ竜ちゃんが先に」
はい!またこうなりました!分かってはいたけどね!
しかも、なりげなく俺の呼び方が竜ちゃんになっているし。
「ごめん、先良い?」
ようやく言葉が重ならずに板橋さんから話してくれた
「あ、あぁ。」
「えっとね、実は私も竜ちゃんと同じ幼稚園に居たの」
えっ?ええ!?
「ほ、本当か?」
「うん、覚えてない?『輝幼稚園』」
確かに俺と泉が行っていた幼稚園はそこだ
「でも、お前の事は・・・ごめん思い出せない」
「良いよ別に」
そうは言ってくれるが顔がとても暗い
「えっと、今日のこれから暇?」
「うん?別に何も予定は無いが」
そんな事を聞いてどうしたのだろう?
「家に来ない?」
「はい?」
え?はぁ?どういう事?どういう意味?
「えっと、桜の家に来ない?」
「はぁああ?」
話の流れがいきなり過ぎて大きい声を出してしまった。
周りを見ると他のお客さんがびっくりしてこちらを見ている。
「す、すいません」
頭を下げながら座ろとするとこっちを見ている例の店員さんが居た。
何をしてるんだよ!仕事をしろ、仕事を
「ご、ごめんね。あの、桜のお母さんとか幼稚園の写真とか有るから・・・。」
なるほど、俺に証拠を見せたいのだな。
うーん、どうしよう?これは行くべきか?うーん仕方がない・・・か
「分かった行く」
「ほんと!?」
「うん」
俺は素直にうなずく。
「じゃあ、早速」
板橋さんが席を立とうとする
「いや、その前に少し良いか?」
「うん?」
板橋さんは首をかしげ座った。
「俺と同じ幼稚園だった泉の事は知らないのか?」
同じ幼稚園で俺の事を知っているのなら泉の事も知っているはずだ
「ごめん、私が幼稚園に居たのは4才の頃だけだったから違うクラスの子は分からない・・・。」
うん?俺は泉と違うクラスだったのか?昔過ぎて思い出せない
「そうか、分かった。じゃあ店を出るか」
「うん、そうだね」
俺たちはレジに向かった
「ここのお金は私が出すね」
「いやいや、男の俺が出すよ」
「でも誘ったのはこっちだし」
「今は関係無いから」
俺たちはレジでお金を出すのはどっちかを争っている。
自分の頼んだ商品のお金を自分で出せば良いと思った?しかし、それでは俺の、いや、俺たちのプライドが許さないのだ!
「良いですよ。ここは私が出すので」
俺たちは会計を済まし店から出てきた。
「「まさか例の店員が払ってくれるとは・・・。」」
例の女性店員が「今日は楽しませて貰ったのでそのお礼です」と言って会計を済ましてくれた。
本当は殴るつもりだったけど最後はとても良い人だった。
「じゃあ行くか」
「うん!」
俺は板橋さんの案内で板橋さんの家を目指す。
カッシャ!
「「うん?」」
写真を撮るような音がしたので後ろを振り向くと携帯を片手に持った女性店員が笑っていた。
訂正しよう。あの人は最悪の人だ!




